「さよならもいわずに」
こんな中でも止まってはいけないと思って本や漫画をたくさん読んでいる。
(学生で、自分で言うのもどうかと思うがありがたいことに恵まれている環境なので、そういう奴がこういう時期に勉強しないでいるのは最悪なことと思うのだ)
そしてせっかく読んだものも感じたこともアウトプットしないとするすると忘れていってしまう平凡な記憶力なので本当は何か読むたびにこうやって文字に起こしたいと思っている。
実際には億劫がってほとんど読んだきり忘れていくのだけど、今日はなんかたまたま書く感じになったから今日読んだものの話を徒然に書こう。
上野顕太郎さんの「さよならもいわずに」(ビームコミックス)を読んだ。
上野顕太郎さんはシュール系のギャグ漫画家さんで、賞とかをすごいとられてる。
存在はもう当然、認知しておりましたが、一度も読んだことがなく、ギャグ漫画好きとして恥ずべきことだ!と思いできるだけ短そうで、装丁が好きな具合だった「さよならもいわずに」を先日購入。
しかし
読んでみれば、この作品は全然ギャグではなかったのだ!ガーン
それどころか(以降ネタバレ)
前妻の方が亡くなったという人生有数のヘビーショッキング出来事をじっとりと描いた漫画でした。何にも知らずに読み始め、陰惨な空気に「?」となっていたらまさかの展開で、衝撃の出会いになった。
大切なひとがお若くして亡くなるのは、言葉にできないほどの、多分漫画にできないほどの苦しいことだと存ずる。
だがそんな出来事をどうにか漫画表現として自分の外に再生させた上野さんの心と表現への気持ち、(多分亡くなった前妻さんへの愛情も)には敬服させられた。心の重たさや霧の濃さを描いたような表現の忠実さも圧倒的だった。
他の作品もぜひ読みたいと思う。
あと、どうか大事な人には急に死なないで欲しい…私もその辺、頑張るつもりなので…
追記:葬儀でお棺に入れるものを問われ、「あ、じゃあついでに燃えるゴミも…」という不謹慎ギャグが最高だった。私も自分の葬儀にはどうにか工夫の効いた不謹慎ギャグをしたい(死体だけに)