理想の部屋づくり
私は 子供の頃から 自分の城作りが 好きだった
冬には 必ず “かまくら”を作って 家の中から小道具を運び込み
妹と2人で 何時間も その中で秘密を語り合った
…… 大した秘密でも無いのに 安全な秘密基地の様だった
思春期になると1人の部屋が欲しくなり
屋根裏に机や本棚を運び込んで カーテンを付けたり
壁紙を貼り付けたり 簡易のベットを作ったりして自分の部屋にした
しかし、夜 一人 静かな部屋で 勉強していると
窓の灯りに 集まって来る蛾や虫たちの音が怖くて
結局3日で 下に降りてしまった。あの苦労は何だったのか…
まだ 家族から離れて自立するには 早かった様だ
そんな感じで 結婚してからも 部屋の模様替えは大好きで
団地に住んでいた頃は 同じ団地のママ友の家を渡り歩いて
参考にしていた
自分の発想に無い 家具の配置や 小物の飾り方に刺激を受けて
真似してみたり 自分流にアレンジしてみたりして楽しんだ
同じ間取でも 三者三様で そこの 住人の生活スタイルや生き方
趣味嗜好や性格まで 部屋に現れると思っている
余り キョロキョロして嫌われない様に 注意しながらも
アンテナはビンビンに張って 部屋中を観察していた
部屋を観るのは 私にとって 人間観察と一緒
ただ いつも冷静に分析できる訳ではなく
好きになった友人の部屋は 匂いも含めて やっぱり 好きになった
どんなに散らかっていようが 全く関係なかった
親友の家も 小さい子が3人居たから 片付いているとは 言えなかったが
壁紙や小物から 私の好きな世界観と共通するものを感じていた
子供が小さい内は 常に 片付いてる…なんて無理‼︎
いつも叱りつけるのも嫌だし 常識の中に押し込めるのも嫌 となると
ある程度 自由にさせてやりたい
すると1日の殆どが 散らかっている
見るとイライラする
でも これでいいのだ❣️バカボンのパパになるのだぁ
この時期は 部屋を綺麗に保つのは 暫く 忘れる事だ
たまに 花を買って来て 窓辺に飾ってみる
ママ友とお喋りする
実家に帰って ゆっくりする
心を休める作戦を色々考えて やり過ごそう
この思い通りに成らない日々は 人生の中で そう長い期間では無い
いつか子供達は 自分の手から離れて 独りで歩き出す
それまでの貴重な短い時間
部屋が散らかっている事くらい どおって事ない‼︎
そんな時期を無事にやり過ごして 今静かで穏やかな部屋を
手に入れている
自分の好きな物に囲まれて “かまくら” の中に居る。