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パッチワークを教えて〜店舗経営について考えるの巻〜

パッチワークの出張講師を始めて5〜6年経った頃、店舗を構える事を 考え始めていた。

毎回、小型のミシンとその日必要な布と道具 その他諸々を車に山程 積んで 運んでいたので 些かくたびれていたかも知れない。

生徒さんに用意する布や材料は、私が月1で習いに行っていた教室や、大手の問屋さんから その都度、必要に応じて 仕入れていた。

和布で作品を作る事も増えて行くと 着物があちこちから集まりそれも皆んなに 提供してきた。

店舗を構えてそこに全て揃っていたら手間が省けてかなり便利だろうなぁ と考える様になっていった。

不動産屋さんに頼んで 何軒か紹介して貰い 物件を見に行ったが急な階段を上る2階だったり、薄暗かったり、賑やか過ぎたりと何処もしっくり来なくて決め兼ねていた。

そして時間が経つ内にその情熱も薄れ 諦めてしまった。

既に お店を経営している先輩達にそれとなく相談してみたら何処も結構大変そうで、在庫を大量に抱えていて 黒字倒産しそうだとか、この業界はもう飽和状態だとか…と言われる方が多かった事も決断を鈍らせる要因の一つだったのだろう。

尻込みしている内にタイミングを逃してしまった。

もし店舗を構えていたら、イベントに出店したり キットを大量に作ったり、それで仕入れた30mもの布の処理に四苦八苦していただろう。

私は 経営の面白さよりも、創作する愉しさを選択したようだ。

教室はあくまでも収入を得る為の手段に過ぎず
お金の心配をしなくていいなら、ひたすら創作して居たかった。

だから、経営者としては失格だったと言える。

店を持つ事は出来なかったが15年も続けて来れたのは集まって ワイワイ言いながら手作りする事の喜びを味わえたから。

私が新しく提案した作品に興味津々で喰いついてくれる時、やったーーーと内心、大満足。

常に皆んなに 刺激を与えたかったので、新作の材料になるヒントを探して アンテナをピンと立てていた。

そして材料は意識すれば 何処にでも 転がって居た。

準備は大変だったが 何処の教室も 終わった後の あの清々しい感じがホント心地良かった。
生徒さん達の笑顔を見るのも 時には愚痴を聞くのも楽しかった。

生徒さんから 新しい提案を貰うのも 目から鱗で 刺激を受けた。
お互いに楽しい場所だったんだなぁ…と思う。

なので 私に出来る最大限の事はやって来たのだと納得する事にしている。

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ダラリ・ラリ@キルト作家
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