わりと日刊だらく[No.62]〜同じことをやり続けること〜
今日の散文
同じことをやり続けること
変化の仕方というのは、2種類ある気がしている。
ひとつ目は「やったことがないことをやること」。
ふたつ目は「ひたすら同じことを繰り返すこと」。
ひとつ目について言えば、知らない刺激を受ければ、人は当然いつもと違う感覚になり、変化が生じる。その刺激が強ければ強いほどに、変化も激しく起こる。
目の前で初めて交通事故で死んだ死体を見れば、人生が一変する。
ふたつ目について言えば、ひたすら同じことを繰り返していると、だんだん変化したくなってくる。
ギターで同じフレーズを弾き続けていると、どんどんアレンジしたくなるように。
バッキングのリズムを変えたくなってくる。メロディにひと工夫加えたくなってくる。
アイデアがどんどん湧いてくる。
同じことを繰り返すというのには、そういう効果があると思う。
近所をブラブラと散歩すると、いつもの景色の中に、何かを発見したりする。知らない鳥を見つけるかもしれない。道路の工事があるかもしれない。
それは、小さな変化かもしれないが、それを積み重ねていくことで、変化の仕方のパターンを学習していく。
そうすると、まったく違うことにも応用できる何かが見つかったりする。
僕はアニメの無限鑑賞(ほぼ一日中を1週間程度)をして、上昇志向故の焦燥感を消し去ることができた。
このケースの場合は、ひとつ目とふたつ目の複合体なのだが、同じことを繰り返すことの重要さはたぶん伝わるだろう。ちょっと意味不明だとは思うけど。
料理は、すこし手順を変えるだけでものすごい変化が起きる。
ちょっとしょぼいかもしれないが、こないだ発見したことを例にあげる。
僕は家で野菜炒めを作る時、いつもはキャベツともやしを別々のタイミングで入れていて、もやしが先、キャベツが後だったのだが、もやしに火が入りすぎると気付いたので一緒に炒めたらちょうどいい食感になった。
1週間くらいひたすら作り続けていて、食感にこだわりが出てきたらしい。何度もやっているとそういうことに気付いていく。
また、これは短期間に同じことをやり続けるということがすごく重要な要素である気がしている。
僕はひたすら労働をし、ひたすら対談をし、本を読みネットや他人に質問をして調べてまとめて、文章を書き、音楽を聴いたり歌ったりギターの練習をしたりする、ただそれだけの日々をひたすら送るべきなのだ。
たまには違うことをやってみてもいい。
でも、これらの枠組みの中には、まだまだ無限に僕の知らないことが眠り続けている。
きっと超越していくためには、同じことを繰り返すことがすごく重要なのだ。
その中で、色んなことを思い出す儀式は必要だとは思う。
習慣をひたすら作り上げていこう。
毎日やること、たまにやること。変化するために、何かを思い出すために、定期的にやっていこう。
同じことの繰り返しの先にしか、僕の望む変化は待っていないはずなのだ。