だらずはタマネギを並べて冬支度。【エッセイ】#07
信じられない、
明日から師走。
飛んでくる風花が五臓六腑に沁み渡る昼下がり、
今日も今日とて、筆を執ります。
ダラ
♯07
『チミの名は』
近頃、あだ名で人を呼ぶことを
禁止している小学校があるらしい。
付けられたあだ名に関して、嫌な思いをした人が
少なからずいるんだそうだ。
しかし統計では、あだ名で呼ばれる事に
好ましく思っている人の方が多いのだとか。
私もそのひとり。
「ダラさんは何でダラなの?」
と、よく聞かれる。
『ダラダラしているからです』
と答えている。
基本、布団に包まりスマホをいじって生きている。
そりゃ名前も自然とそうなる。
私が住むここ、山陰地方では
「だらずもの」
という言葉がある。
「バカタレ」や「愚か者」という意味で使われる。
富山県や石川県などの北陸地方でも用いられる方言。
攻撃的な意味がありながら、オノマトペのような
耳障り。
ドジを踏んだ時には、
「だらやな」
と自分のおっちょこちょいを肯定して、
舌でもぺろっと出せば周りの好感を上げる事が出来る。
それに、ダラちゃんと呼んで貰えば、
国民的弟、
サザエさんのタラちゃんを連想させ、
可愛がって貰えるに違いない。
恥を承知で言うと、
私はこの歳になっても、可愛がって貰いたい。
いつまでもマスコットのような黒柳徹子さんや、
映画評論家の小森のおばちゃまなどの、
玉ねぎ頭の一派として彼女たちの跡目を継ぐつもりで
エッセイを描いている。
間違っても
ダライラマさんを連想させたくない。
地位の高い人なのだろうが、
私とは関連性が薄いままで良い。
本当はダラの名前に大した意味はない。
だか、心地よく突き刺さる大袈裟な意味を
探るなんていう詮ない事をやっている程、
名前に愛着が湧いている、そんなところなのだ。
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