師走に沁みる若気の至り/エッセイ
40歳くらいのおじさんがパーカーを着るのはありかどうか、世間が沸いている。どうやら20代の女性が、40歳近くになってパーカーを着るのはおかしいと主張したとか。あれ、ちょっと待ってくれ。あたしゃ昨日一昨日、誕生日プレゼントとして夫へパーカーを買ったばかりなんだ。夫は40代。おいおいなんて事を言ってくれんだ。
その女性はつまり、オジやオバの「イタい」風貌にご不満なのだ。イタいというのは、〇〇なのに〇〇するのはおかしい。という意味だ。
私はオバなのにウサ耳のカチューシャを付けたりする。被り物を被って人前に出る。なんなら、ピカチュウの着ぐるみを普段着にしたいくらいだ。イタいのだ。イタいどころか変態かもしれない。24時間、映画で頭がいっぱい。捕まらないタイプの変態みたいなもんだ。イタくて変態。これが楽しくてSNSをしている。何せ捕まらないもの。これが好き!とか、ここに萌える!とか、強い情熱や愛着心を披露するSNSは癖の発表会と言っても過言じゃ無いと思う。ん、て事はその女性は40歳くらいのおじさんにはパーカーを着て欲しくないという癖を披露したのか。オジの日常にダンディズムを求めているのだろう。確かに、それはかっこいい。でもですよ、たまには飾らないスタイルもいいじゃない。
スマートでキリッとした格好、オトナな会話。どこへ行ってもマトモで普通。これを強いる発言ではないだろうか。20代の女性は将来そうなりたいのだろうか。面白いか?人生。こうは考えられないか。イタさが怖くてイタくなりたくなさ過ぎて、一生懸命に普通を装ってない?そして返ってイタくなってしまっていませんか。
イタさが怖くて何が楽しいのか。楽しい話題はいつだって、普通からはみ出た話しではないか。マトモな人程よーく話しを聞いていると、おかしな事を言ってたりすると思う。常識を身にまとっている分、ちょっとでも変な事を言うとそれが目立つのだ。だからイタくない人なんて、本当は居ないのでは。
おもしろきことなきよもおもしろく。これだ。この言葉が師走の今日、沁みる。私たちイタ者は、誰かに迷惑を掛けていないと思うのです。だからどうか、どうか許してください。
パーカーを売っている身なので、ついこのネタに反応しちゃった。ハハ〜