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初めて月の地を踏んだニール・アームストロングの死生観とは【映画】♯117



ファーストマン

 2018年/アメリカ


【ストーリー】


アポロ11号は人類初となる月面着陸の偉業を成し遂げたそれまでの長い道のりには、控えめで冷静な船長がいた。ニール・アームストロンングの内に秘めた感情を追う作品。

【解説というか、レヴューというか、】


メディアは小気味よく盛り上げるが、家庭内ではどうだったのか。大雑把なアメリカ政府がすること、不安しかない訳だ。冷静に努める妻だって、本当は生きた心地がしなかったはず。

幼い娘を亡くした経験があるアームストロング夫妻は
大切な人を失くす辛さを知っている。それをよそに、宇宙開発で失っていく同僚たち。精神的な距離を、妻や仲間たちに対して置いている様子が伺える。ここにアームストロングの葛藤が見える。

犠牲をはらってでも成し遂げなくてはいけないのか?と宇宙飛行士のリアルな心情を捉えています。

どうして冷たいのか


いよいよ月面着陸。画面は突然に主人公目線に変わる。アームストロングはついに月の地を踏んだ。

そして地球を見た瞬間、いっっっきに感情が
どばばばばばばと押し寄せてくる。

月から見た地球はとても恋しかったはず。感情をずっとずっと抑えていた彼は、会いたくても会えない娘への恋しさと遠くに見える地球が重なって見えたんだろう。それから家で待っている家族に対する想いも。
帰らなきゃ。

泣く泣く、久々の大、号、泣。


地球ではまだ飢饉や戦争がある。この時代アメリカは戦争してたのだ。月へ行くよりも優先すべき事項があるのだ。だけど、行かなければ。


「人間にとっては小さな一歩だが、
人類にとっては大きな一歩だ」


人類全体の知力を向上させれば、大切な人を失わないでいられる世界を作れるかもしれない。これはその為の一歩なのだと考えると、アームストロングの態度から彼の死生観が垣間見える。


月へ何を思うのか


初めて月へ到達した人がどんな思いで飛び立ち、
地球に何を思うのか、分かる気がするからこの映画は凄いのだ。

【シネマメモ】



デイミアンが映す心理描写はほんと神レベル。視聴者にアームストロングを見事に体験させます。

宇宙飛行士がもしもの時、大統領が家族へ電話するのだが、その内容が前もって決められてるっていうシーンが毒々しい。
あいつらは所詮そうだよねって皮肉。しゃーないか。

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