デッサンで顔を描くための基本テクニックとは?
どうも。プロ鉛筆画家の中山眞治です。今年の梅雨入りは少しずれこむようですね。その分だけ梅雨明けが遅れるのも困りますが…。元気でお過ごしですか?^^
さて、顔のデッサンや鉛筆画は、芸術の基礎となる重要なスキルです。初心者の人でも簡単に始められる基本の描き方から、上級者の人向けの高度なテクニックまで、ステップバイステップで解説していきます。
また、練習を続けるための具体的な方法や、プロのアーティストが実践しているコツやポイントもご紹介します。
さらに、美しいデッサンや鉛筆画を描くための参考資料もご提供しますので、この記事を読めば、デッサンや鉛筆画の顔描写が格段に上達すること間違いなしです。
それでは、早速見ていきましょう!
1 顔のデッサンや鉛筆画を始める前に準備するもの
デッサンや鉛筆画を始める際には、適切な準備が必要です。特に顔のデッサンや鉛筆画は、細かいディテール(詳細)と正確なプロポーション(比率)が重要です。
本章では、デッサンや鉛筆画を成功させるために必要なツールと準備について説明します。
(1) 必要なツール
a. 鉛筆
デッサンの基本ツールとして、さまざまな硬さの鉛筆を用意しましょう。当初揃える鉛筆は、2H・H・HB・B・2B・3B・4Bの7本あればよいでしょう。
異なる硬さの鉛筆を使うことで、細部の描写や陰影の表現がしやすくなります。詳細な内容は、次の関連記事を参照してください。
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b. スケッチブックや紙
デッサンに適したスケッチブックや紙は、鉛筆が乗りやすい中目の紙肌の物が良いでしょう。一般的には、スケッチブックやデッサン専用の紙が推奨されます。詳細な内容は、次の関連記事を参照してください。
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c. 消しゴム
練り消しゴムと普通のプラスチック消しゴムを準備しましょう。
プラスチック消しゴムは、深く食い込んだ鉛筆を消すことに役立つ一方で、練り消しゴムは、「消しカス」が出ず、練ることで形状も変えられるので、細かい修整やハイライトを入れるのに便利です。
尚、練り消しゴムは、「光を描く」「人や動物の毛並を描く」「軽く押し当ててトーンの度合いを修整する」などの、さまざまな部分で実力を発揮してくれます。詳細は、次の関連記事を参照してください。
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d. 鉛筆削り
常に鉛筆を鋭く保つために、鉛筆削りも忘れずに用意しましょう。シャープな鉛筆は、細部の描写に欠かせません。
尚、鉛筆が鉛筆削りで削れないほど短くなった場合には、上の画像にあるような「鉛筆ホルダー」に差し込んで、ナイフやカッターで削れば、使い切ることができます。
(2) 制作環境の準備
a. 良好な環境
あなたの自宅の制作の環境では、快適な室温と湿度や、あなたの落ち着ける音楽などもあると制作に集中できます。
自宅での集中が難しい場合には、「絵画教室」で「基本だけ教えてもらう」ために、半年から一年間通うということも検討してみましょう。作品数にして、5作品ほど制作すれば、基本的なことは全て学べるはずです。
モチーフの適切な捉え方(描くうえでのポジションや、光と影の捉え方)が学べて、じかに指導を受けることができるので、上達の近道になります。
ただし、毎回講師が「あなたの作品に手を入れる」ことを長く続けてしまうと、あなたは講師を頼る癖がついてしまいます。それが、絵画教室をやめられなくなる原因になります。
基礎だけ学んだあとは、「構図の本」を一冊購入して、あとは「独学」で進んでいきましょう。筆者もそのようにして進んできました。
難しいことは何もありません。たくさんある構図の中から、簡単なものから順番に取り組んでいけば充分上達できます。絵画教室へ通うべき理由の詳細は、次の関連記事を参照してください。
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b. 良好な照明
デッサンや鉛筆画を制作する場所は、自然光が入る明るい場所が最適ですが太陽は移動するので、陰影も変化しますから、印象が大きく変わってしまうこともあります。
そこで、室内の照明を使って描くことで、安定的な制作につながります。光の方向を充分に確認して、顔の立体感を捉えられるように工夫しましょう。
c. イーゼル(机)とイス
長時間の作業になるため、イーゼルと快適なイスを用意することは重要です。制作の当初では、足を組まずに姿勢を正してイスに深く腰かけることで、疲れにくく集中力を持続させられます。
自宅で取り組む場合には、あなたの自宅の机の上に「空の段ボール箱」を置いて、スケッチブックを立てかけるという方法があります。
あるいは、上の画像にあるような「小型のイーゼル」を購入して、制作するという方法もあります。高さは86cm程度のもので、似たようなものはネットで1万円くらいで購入できるようです。
もしも、これくらいの大きさのイーゼルを購入するのであれば、野外スケッチでも使えるような「折り畳み式」の物であれば、マルチに使えます。
d. モデルや参考写真
実際のモデルや、高画質な参考写真を使って練習することで、リアルな顔のデッサンや鉛筆画を描けるようになれます。
特に初心者の人は、正確なプロポーショ(比率)を学ぶために、写真を利用するのも効果的です。
筆者の場合は、このように画像を手掛かりにして人物画を描くことが多いです。
(3) 心構えと準備
a. 計画を立てる
デッサンや鉛筆画を始める前には、どの部分から描き始めるか、どのような順序で進めるかを計画しておきましょう。顔のデッサンは、目、鼻、口の順で描くとバランスが取りやすいです。
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b. 練習の積み重ね
デッサンや鉛筆画は一朝一夕で上達するものではありません。毎日少しずつでも練習を続けることで、徐々にスキルが向上します。
筆者の場合には、描き始めた当初は特に楽しくて、「平日は毎日2時間」・「土日祝祭日盆暮れ正月は朝から晩まで」描いていましたので、多少は上達の速度が早かったような気がします。^^
c. 反復練習
同じ顔のパーツを何度も描くことで、描写の精度が増します。特に難しいと感じる部分は、集中的に練習しましょう。
顔のデッサンを始める前の準備をしっかりと整えることで、デッサンの質が大きく向上します。
適切なツールと環境を整え、計画的に練習を重ねることで、リアルで魅力的な顔のデッサンを描くことができるようになれます。
尚、顔を描く場合には、特に、一番印象を強く感じる部分は「目」なので、パソコンで画像を最大限に拡大して、瞳の中の状態までも確認して取り組みましょう。改めて上の作品を確認してください。
2 基本の輪郭を描く方法
顔のデッサンを始める際には、基本の輪郭を正確に描くことが重要です。輪郭線がしっかりしていると、その後の詳細な描写がスムーズに進みます。
本章では、基本の輪郭線を描くための具体的な手順とポイントを紹介します。
(1) 顔の輪郭を描く手順
a. 楕円を描く
まず、顔全体のアウトラインを表すために、大きな楕円を描きます。この楕円は顔全体の形を示し、全体のバランスを取るための基準となります。楕円の縦の長さと横の幅を意識して描くことがポイントです。
b. 中心線を引く
楕円の中央に垂直と水平の中心線を引きます。垂直線は顔の左右対称を、水平線は目の位置を決定するためのガイドラインとなります。
この2本の中心線は顔のプロポーション(比率)を正確に取るために重要です。
参考:【初心者さん向け】絵師さんがキャラクターの顔を描くときにやっている、あの十字線(アタリ線)はなんですか? | Torocchi Official Website
c. 髪の生え際と顎のラインを描く
楕円の上部に髪の生え際のラインを、下部に顎のラインを描きます。髪の生え際は楕円の上部から少し下に、顎のラインは楕円の下部に位置します。これにより、顔の縦のプロポーションが決まります。
(2) 顔の各パーツの位置を決める
a. 目の位置
水平の中心線に沿って、目の位置を決めます。目は、左右に等しい距離を取りながら描きます。目の間の距離は目の幅と同じ程度にします。
b. 鼻の位置
鼻の位置は、垂直線と髪の生え際から顎までの距離の1/3の地点に描きます。鼻の幅は、目の内側の端と一致する程度に設定します。
c. 口の位置
口の位置は、鼻の下から顎までの距離の1/3の地点に描きます。口の幅は、目の黒目の外側と一致する程度に設定します。
※ この目鼻口の詳細は、前述の関連記事を参照してください。
(3) 詳細な輪郭の調整
a. 顎の形を整える
顎のラインを調整して、自然な顔の形を創ります。特に顎の先端と頬骨の位置を意識して描くことで、よりリアルな輪郭を表現できます。
b. 耳の位置
耳は、目のラインと鼻のラインの間に位置します。楕円の側面に沿って、耳を描きます。耳の位置が正確であることで、顔全体のバランスが取れます。
c. 髪のライン
最後に、髪の生え際から頭の上部にかけて髪の輪郭を描きます。髪のボリュームや形状を考慮して、自然な流れを意識して描きます。
基本の輪郭を正確に描くことで、その後の顔の詳細な描写がスムーズに進みます。中心線や各パーツの位置をガイドライン(補助線)として使用することで、バランスの取れた顔のデッサンが可能になります。
これらの手順を繰り返し練習することで、デッサンの技術が向上し、リアルな顔を描くことができるようになれます。
3 顔の各パーツの描き方
顔のデッサンにおいて、各パーツの描き方を理解することは重要です。
目、鼻、口、耳などのパーツを正確に描くことで、全体のリアリティ(現実性)が増します。本章では、各パーツの具体的な描き方を説明します。
(1) 目の描き方
a. 基本形を描く
まず、目のアーモンド形の基本形を描きます。上下のまぶたの曲線を意識して描くことで、目の立体感を表現します。
b. 瞳と虹彩を描く
目の中心に円を描き、瞳を表します。瞳の周りには虹彩を描き、細かい線を放射状に描くことで、リアルな質感を出せます。
c. まつげとまぶたを描く
まぶたの上にまつげを描き加えます。まつげは長さや向きがランダムになるように描くと、自然な印象になります。上まぶたと下まぶたの重なり部分にも影をつけて、立体感を出します。
(2) 鼻の描き方
a. ガイドライン(補助線)を引く
鼻の中心線を描き、鼻の位置を決めます。鼻の幅と高さを意識して、基本的な形を描きます。
b. 鼻の輪郭を描く
鼻の外側の輪郭を描きます。特に鼻翼(鼻の横の部分)をしっかり描くことで、鼻の立体感が増します。
c. 影とハイライトを加える
鼻の影になる部分に濃いめの影をつけ、光が当たる部分にハイライトを入れることで、リアルな鼻の質感を表現します。
(3) 口の描き方
a. 基本の形を描く
口の基本の輪郭を描きます。上唇と下唇の形を意識して、輪郭を整えます。
b. 唇のディテールを描く
唇の縦の線や、唇の質感を表現するための細かい線を描き加えます。特に上唇の中央部分や下唇の下部分に注意を払います。
c. 陰影とハイライトを加える
唇の陰影を描き、立体感を出します。光が当たる部分にはハイライトを入れることで、唇の質感がリアルになります。
(4) 耳の描き方
a. 基本形を描く
耳の基本形を描きます。耳の輪郭を大まかに描き、位置を確認します。
b. 内部の構造を描く
耳の内部の構造を描きます。耳の輪郭の内側に、軟骨の形や耳の穴を描き加えます。
c. 影とハイライトを加える
耳の陰影を描き、立体感を出します。特に耳の中央部分や軟骨の部分に陰影を入れることで、リアルな耳の質感を表現します。
各パーツを詳細に描くことで、顔全体のデッサンがリアルになります。目、鼻、口、耳の位置やプロポーション(比率)を正確に描き、影とハイライトを適切に加えることで、顔の立体感とリアリティが向上します。
これらのテクニックを習得することで、より魅力的な顔のデッサンを描くことができるでしょう。
4 デッサンを上達させる練習法
デッサンのスキルを向上させるためには、継続的な練習と適切な方法が重要です。ここでは、デッサンを上達させるための具体的な練習法を紹介します。
(1) 練習の基本
a. 日々のスケッチ
毎日少しずつスケッチをすることが重要です。5分でも10分でも構わないので、日常の中でデッサンを習慣化することで、手の感覚を養います。詳細な内容は、次の関連記事を参照してください。
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b. モチーフを選ぶ
自身の興味のあるモチーフを選んで描くことで、楽しみながら練習できます。静物、人物、動物、風景など、さまざまなモチーフへ順番に挑戦してみましょう。
いろいろなモチーフを試す場合の最初は、慣れないことをするので、「時間がかかる」ものですが、やがて慣れてきます。そして、「何でも描ける」ようになれます。
c. 基本形を繰り返す
基本的な形(円、四角、三角など)を繰り返し描くことで、形の捉え方や陰影の付け方を学びます。基本形をしっかりと描けるようになることが、複雑な形を描く基礎となります。
(2) 具体的な練習方法
a. クロッキー
クロッキーとは、短時間で素早くモチーフを捉える練習です。5分や10分など、制限時間を設けて素早く描くことで、瞬間的な観察力(印象の捉え方)と表現力を鍛えます。
参考:【イラストやマンガの基礎を作る】クロッキーで人物を描く練習 | イラスト・マンガ描き方ナビ (clipstudio.net)
b. デッサンブックを活用する
デッサンに関する参考書や教材を活用して、プロのテクニックやコツを学びましょう。書籍には、ステップバイステップの解説があり、初心者の人にも理解しやすい内容が多く含まれています。
c. 写実的な描写の練習
リアルなモチーフを見ながら、細部まで丁寧に描く練習をしましょう。光と影の関係を観察し、陰影をつけることで立体感を表現できます。
5 継続的な成長を促す練習法
1. 批評を受ける
自身のデッサンを第三者に見てもらい、フィードバック(批評)を受けることは上達の近道です。絵画教室やオンラインコミュニティなどで、作品を共有し意見をもらいましょう。
2. 模写をする
優れた作品を模写することで、技術や表現方法を学べます。特に、プロの作品や古典的な作品を模写することで、自身のスキルを高められます。
3. プロセスを記録する
自身の成長を確認するために、描いた作品を日付とともに保存しましょう。過去の作品と比較することで、進歩を実感できて、モチベーションを維持できます。
6 効果的な練習のポイント
(1) 集中力を高める
既述していますが、あなたの快適な温度及び湿度や制作体勢(イーゼルやイス)などの、基本的な環境の確保がまず一番大きな要素です。
そして、練習中は周囲の雑音を排除し、集中して取り組むことが重要です。静かな環境や、リラックスできる音楽を用意することで、集中力を高めましょう。
(2) 楽しむこと
デッサンを楽しむことは、継続的な練習の最も重要な鍵です。楽しみながら練習することで、長続きできて、自然とスキルが向上します。
これらの練習法を実践することで、デッサンのスキルが向上し、よりリアルで魅力的な作品を描けるようになれると同時に、日常生活に取り入れることで、デッサンスキルは着実に向上します。
少しの時間と、意識を変えるだけで、驚くほどの進歩が見込めるでしょう。毎日コツコツと練習を積むことが、上達への最短ルートです。そのためにも、「楽しんで描くためのコツ」を記しておきます。
それは、時間的にも体力的にも無理をしないで、たまには展覧会や美術館へ行って他のアーティストの作品を観て刺激を受けることも必要です。
(3) 目標を持つことで展開できる未来とは
あくまでも制作当初は、「構図」だの「構成」だの「構想を練る」だのと色々考えないで、シンプルに「楽しんで描くこと」が一番重要です。
そして、この場合には、できるだけ「複雑な形及び模様や柄」のあるモチーフは選ばないことです。「修行状態」になってしまい、挫折してしまうからです。^^
また、人物の着ている服に複雑な模様や柄があったり、人物と一緒に描きたいと思うモチーフが、複雑な咲き姿の花であっても難しいですよ。覚えておいてくださいね。^^
その後、継続的な努力と適切な手段を取り入れて練習を継続しながら、あなたが楽しんで描くことに集中できて、5作品ほど制作して「描くことにある程度慣れた」ところで、重要な要素の研究をしましょう。
つまり、「構図」を研究し、「構成」を考え、「充分な構想を練る」ことが必要になります。しかし、難しいことはありません。
一番簡単な構図から取り組んで、その構図に沿った、あなたの描きたいモチーフを配置して、色々とレイアウトを考えながら、必要ならば、構図を暗示するためのモチーフ等も導入してみるのも効果的です。
これが構想を練るということであり、観てくださる人へどのようにアピールするかや、あなたの強調したい部分や感動をいかに表現できるか、と考えることです。
そして、あなたの住まいの近くの、公募展(市や区)の出品規定を取り寄せるかネットで確認して、最初は一番小さい作品から出品してみませんか?
「入選」できましたら、今度は、出品規定最大の大きさで、出品規定最多の作品数量(2~3点)で出品し、画面全体を使い切って、より魅力的な構成にする方法を考えるということで、「入賞率」を高められます。
そのためのノウハウ(「構図」「構成」「構想を練る」に関する情報)は、次の関連2記事を参照してください。
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7 美しい顔のデッサンのための参考資料
美しい顔のデッサンを描くためには、適切な参考資料を活用することが大切です。本章では、顔のデッサンを上達させるための効果的な参考資料を紹介します。
(1) 書籍
a. デッサンの教科書
デッサンの基本から応用までを網羅した教科書は、初心者から上級者まで幅広く活用できます。具体的な手順やテクニックが詳しく解説されているため、自習に最適です。
b. アートアトラス
人間の顔や体の構造を詳しく描いたアートアトラス(芸術図版資料集)は、解剖学的な理解を深めるのに役立ちます。骨格や筋肉の配置を学ぶことで、よりリアルなデッサンが可能になります。
c. 有名画家の作品集
ルネサンス期の巨匠や近代のアーティストによる肖像画集は、スタイルや技法を学ぶのに適しています。模写を通じて、優れた技術を習得しましょう。
(2) オンラインリソース
a. 動画チュートリアル
YouTubeやオンライン学習プラットフォームには、デッサンの基礎から応用までをカバーする多くの動画チュートリアル(個別指導)があります。実際の描画プロセスを見ながら学ぶことで、理解が深まります。
参考:ルーミステクニックで肖像画の秘密を解き明かす (youtube.com)
b. デジタルアートコミュニティ
DeviantArtやArtStationなどのオンラインコミュニティには、多くのアーティストが作品を投稿しています。
他のアーティストの作品を見ることで、インスピレーションを得たり、自身の作品に対する反省点を確認できます。
参考:
c. 解剖学的参考サイト
3Dモデルを使って、人間の顔や体の構造を学べるサイトもあります。これらの参考サイトは、自由に視点を変えて観察できるため、立体的な理解が深まります。
参考:
(3) モデル
a. 実物のモデル
絵画教室やワークショップ(体験型の講座)での、実際のモデルを使ったデッサンでは、観察力と描写力を鍛えためには最適です。実際の人間を観察しながら描くことで、よりリアルなデッサンが可能になります。
人体の表面にできる「微妙な陰影」は、実際にその場で観察できると、画像などと比較して、全く違うリアルさを描写することができます。
b. 写真
高画質の肖像写真を参考にすることで、細部まで詳細に描写する練習ができます。異なる角度や表情の写真を集めて、さまざまな視点から描く練習をしましょう。
c. 鏡
自身の顔を鏡で見ながら描くことで、顔の構造をより深く理解することができます。自分自身をモデルにすることで、自由にポーズを変えたり、詳細な観察が可能になります。
(4) アプリケーション
a. デジタルスケッチアプリ
ProcreateやPhotoshopなどのデジタルスケッチアプリを利用することで、デジタルデッサンの技術を習得できます。レイヤー機能(※1)やブラシ設定(※2)を活用して、効率的に練習ができます。
参考:
※1 レイヤーとは透明なフィルムを重ねるように、部分ごとに絵を描くことができる機能です。 例えば「線画」と「色塗り」のレイヤーを分けておくと、色塗りを失敗しても線画を消すことなく、色塗りをした部分のみ消すことができます。
※2 ブラシ設定は、自分に合った設定を見つけることができます。筆圧やタッチの好みなどは人によって異なるため、納得がいくまで何度も調整できます。
b. 解剖学アプリ
人体の解剖学を学ぶための専用アプリは、骨格や筋肉の詳細な情報を提供してくれます。これらのアプリを使って、顔の内部構造を理解することができます。
参考:
(5) 練習方法
a. 模写と反復練習
優れた作品を模写し、繰り返し練習することで、技術が向上します。特に、光と影の表現や細部の描写にも注力しましょう。
b. コンテストやチャレンジへの参加
オンラインやオフラインで開催されるデッサンコンテストやチャレンジに参加することで、自身のスキルを試し、他のアーティストと交流する機会を得ることができます。
美しい顔のデッサンを描くためには、適切な参考資料と継続的な練習が不可欠です。多様なリソースを活用して、自身のスキルを向上させましょう。
8 まとめ
美しい顔を描くためには、正確な輪郭を描き、各パーツの詳細に注力し、効果的な練習法を取り入れることが重要です。
まず、大きな楕円に中心線を描いて顔のバランスを取り、目、鼻、口、耳の位置を決め、各パーツを詳細に描きます。特に目は、基本形を描き、瞳やまつげを加えて立体感を出します。
そして、日々のスケッチやクロッキー、模写などの練習は効果的です。第三者からのフィードバックやプロの作品の模写、適切な参考資料の利用も大切です。
また、オンラインリソースや3Dモデルを使った参考サイト、実物のモデルや高画質の肖像写真を使った練習も有用です。
尚、デジタルスケッチアプリや解剖学アプリを活用し、継続的な練習とフィードバック(批評)を受けることで、技術が向上し、リアルで美しい顔のデッサンが可能になります。
計画的な練習と適切な道具、環境を整えてデッサンのスキルを高めましょう。
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