+短編小説+【夢を買ったら】 第8話

,,カラン,,

茶色の年期が入ったドアが開く

薄暗い店内
カウンターの中にスラッとした男性が立っていた

ご主人様✴︎『こんばんは〜』

『いらっしゃいませ!』

BARのマスターだ


私達はL時型になっている角のカウンターに
奥から

ご主人
奥様
眞近の順で腰をかけた

山本様ご夫妻はジャックダニエルのソーダ割
私は角ハイボールを注文した


ご主人様✴︎『眞近さん、ここのBARのオーナーで僕の後輩の遠藤』

『初めまして。』

オーナー遠藤さんと眞近は共に挨拶を交わす


ご主人様と奥様が私の事を説明しながら

ご主人様は遠藤さんとの出逢いを話しはじめた

ご主人様と遠藤さんは大学の先輩後輩の中
同じサークルで知り合ったが
大学の時にはそんなに連んでおらず
暫く疎遠になっていたが
10年前に遠藤さんがお店をOpenしたのをきっかけに
また共にする時間が増えたそうだ

眞近は笑顔で頷きながら
会話を楽しんでいた

途中
眞近は大好きなラフロイグに変更し
消毒液臭いお酒を飲み
ほろ酔いになった

マスター遠藤✴︎『眞近さんお酒強いですね』

奥様✴︎『思ってた以上にいける口だね〜!』

ご主人様✴︎『よくそんなキツいの飲めるわ〜!
僕と眞近さんにもう一杯づつおかわり!』

楽しい宴は深夜2:00まで続き

ご夫妻をタクシーまで見送り

私も酔い覚ましも兼ねて
ゆっくり歩きながら
ツーブロック歩いた先の信号で
タクシーへと乗り込んだ

お酒の力でフワフワの気持ちいい気分に
眞近は久しぶりに

「沢山笑ったなぁ,,,」

有難い気持ちと心地よいタクシーの揺れを感じながら
家路についた


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そして

この時眞近は

まさかこんな場所で

こんな出逢いがあり

将来こんなに人生が変わるのかなんて

予想もしていなかった

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