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入院するとき、心がけてほしいこと
はじめまして。病院管理栄養士として働いていた、おとと申します。
初めに注釈を入れさせてください。
もともと私は病棟に常駐しており、医師や看護師、ご家族との交流も盛んな環境におりました。しかし私はあくまで「食事」に注目する職種ですので、必ずしも下記文章が正しいとは断言できません。ただ、病院勤務だった経験を通して家族や自分が入院する際に意識してほしいと思えたことが多々ありますので酷な内容かもしれませんが、記載したいと思います。
沢山調べて、たくさん先生に質問しよう
自分の身体を一番に想えるのは自分だけです。自分の身体の現状理解に努めましょう。まずは先生と現状が理解できるまで質問をしましょう。後から出てきた疑問もインターネットで今はたくさん調べられます。病気の原因、治療法、同じ病気の人の体験談、予後など・・。そしてその知識が正しいか改めて医師に確認して理解を深めてください。・・辛いと思いますが。
そして担当医師がどれほど嫌な感じでも、そっけなくても、めげないでください。自分のために沢山質問してください。あなたはまな板の上の鯉ではなく、立派な意思を持った人間です。直感的に担当医がつらいならセカンドオピニオンも検討してほしいです。
ひとりで抱え込まないでほしい
病気を受け入れられない、そもそも理解が追い付かない・・。
当たり前です。急がなくていいので、決心がついたら
近くの人に、あなたの横にいる人に自分の気持ちをありったけ話してください。ご家族や友人がいなくても、医師・病院の相談コーナー・看護師・管理栄養士でも誰でも良いです。頼られたり、悩みを相談してくれた時に気分を害する人は(少なくとも仕事中は)少ないはずです。ノートにこっそり書きだしても良いです。殴り書きでも、紙をやぶりまくってもいいです。とにかくひとりにならないでください。
(みんなあなたを支えたくて、うずうずしてます!!ほんとです!)
直感で感じた疑問や不安は口にだして、色んな職種に相談しよう
「この点滴、いつもの種類と違う気がするなぁ」
「食事が食べにくい気がするけど気のせいかな?」
「今日は薬飲んだかな?」「トイレに行きたいな」「おなか痛いかも」
なんでもいいです。自分の身を守れるのは自分だけです。医療ミスが潜んでいないとは言い切れません。直感に従い、確認することは非常に大切です。納得がいくまで、根気よく色んな人に会うたびに、気になることは相談してください。
朝の回診で先生に「~~について、不安ですか?」と聞かれればばっちりです!あらゆる職種がカルテに「××という訴えあり」と各所に書いてくれている証拠です!
迷惑になるなんて気にしないで!
むしろたくさん意見を言ったり相談してくれるほうが、ナースステーションや色々な職種に「××さんはこう言っている」と情報共有が盛んにおこなわれ、結果的にみんなの注目を浴びます。するとカンファレンスの議題に上がったり、色々な職種からの訪問回数が増えたりと、医療関係者から忘れられる事態を避けられる可能性が高くなります。
名前があっているか、しっかり確認しよう
毎度食事をするときや、点滴をするときなどイラつくほどに名前を確認されます。適当にせず、表記されている漢字などもしっかり確認しましょう。
同姓同名のまったく違う疾患の人と取り違えられないように!!!!!!
看護師さんとは仲良く、感謝を伝えて。名前を覚えると最強
いろいろ意見したほうが良いといいましたが、看護師さんは例外です。
看護師さんたちは昼夜とんでもなく働いています。体力があるぶん、気も強く人間関係を気づくうえで他職種も緊張する存在です。
もちろん採血が痛いだとか、点滴それ種類あってる?落とすスピードいつもより早くない?薬いつもと違くない?などは素直に伝えましょう。
ただ伝え方ですね。今後の入院平穏生活を続けるためにも
優しく、ちょっと笑顔が多めで丁寧な言葉遣いが望ましいと思われます。
そして処置が終わった後は「××さん、ありがとう」と名前付きで感謝を伝えるとナイスプレーです!(名前を言われると医療関係者は少しドキッとして手つきが丁寧になりがちです)
間違っても看護師さんは小間使いではありません。一人の人間ですので、
入院回数が多い場合は名前と顔を一致させておくと吉でしょう。
家族は色んな意味で心強いので、サポートをお願いしよう
昔、患者様のご家族でとんでもなくキャラクターのお強い娘様がお見舞いに来られました。様々な要望や対応に関する指摘・クレームを大量に述べられ
医療関係者としては踏んだり蹴ったりなのですが、患者様にとってはかなり心強いサポートだったと思います。結果的に患者様の住環境は格段に上がりました(定期的に娘様が見に来るため)。それにクレームが怖いので、管理栄養士や言語聴覚士、薬剤師も意識してその人のカルテや状態を確認するようになりました。
もし強いキャラクターのご家族が近くにおられましたら、
力添えをもらえると心強いかもしれません・・・!(出来れば最終手段でお願いしたいですが笑)
ただしやりすぎると担当医が出てきたり、病院を追い出されかねませんので
塩梅が難しいところではあります。
退院時に管理栄養士などの「~士」と話そう
退院時、医師からの説明もしくは看護師から退院処理が行われて
はいさようなら~となると思います。
おもに薬剤師とは最後、薬の調整で話す機会はあるかと思いますが
入院期間中にかかわっていた「~士」と話したいと伝えてください。
食事を出していた管理栄養士、
むせたりしていないか口腔内の状況を見ていた言語聴覚士、
リハビリを一緒に頑張った作業・理学療法士です。
全員を呼ばなくても、退院が近くなったら
「退院後の・・・が気になるから、時間があるとき教えてほしい」と
伝えてください。ご自身のサポーターも同席できると良いですね。
胃を切ったりしたときは退院後の食事、気になりますよね。
流動食を食べていたのに、退院後はどうするのか・・
退院後はどんなリハビリを続けていけばいいのか・・
大きい病院ほど自発的に(ほぼ強制)医療関係者から話はあると思いますが
どうしても抜けていたりすることも多いです。
ぜひ退院時でも退院後の外来時でも良いので、近くの人に相談してみてください。
最後に
どうしても病院で働く側としては、流れ作業になりがちです。出来る限り
ひとりひとりにあった対応をしています。あなたを少しでも支えられるように医療関係者は毎日必死に頑張っています。
ですが、抜けは確実にあります。あなたを守れるのはあなたしかいません。
治療するうえで病院を信じているのにやってられないよ!!というご意見はもっともだと思いますが、より良い入院生活のために上記の内容を意識できると良いのではないかと思っています。
入院、緊張されていると思います。元気にかえってきてくださいね。
心から応援しています!!
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