炭酸
シュワシュワ シュワシュワ
なんとなくで買ったサイダー
こんな時にしか頼まないよなとか思いながら
少しの特別感をもらったそれと一緒に受け取る
うっすらとチカチカする
星が散らばるみたいに
そのあとで懐かしむこの感じが気持ち良い
微炭酸になって綻ぶ
何かのやさしさに触れた
何かのぬくもりを感じた
少しの幸せを抱いて宝物にするんだ
いつの日にか一緒に見ようと詰め込んだ
炭酸が飛んでいった後になって気づく
まだなくしたくなかったのに
消えてほしくなかったのに
残りが消えてしまわないように
そっとしまった
見えなくなってしまうのがこわくなった
ぬるくなって忘れられた
何もかも一緒に飛んでいった
見えないものは最後まで視えずに消えてった