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クソババァ!と言われて喜んだ記念日
「クソババァ!」
そう言われた時に
(ついにこの日が来た〜!)
私は飛び上がって喜んだ
周りの友達は
もう何年も口もきいてくれないと
悩んでいた
キミは私と毎日話す
学校のこと、友達のこと
先生のこと、勉強のこと
好きなテレビ
会話が絶えない家族
笑いが多い家族
反抗期が来るのを
密かに楽しみにしていたから
「クソババァ!」が来た時は
もう、最高だったね!
キミに駆け寄って抱きしめた
キミは
「何だよ!傷つかないの?
ムカついて
わざと言ったのに!」
拍子抜けした表情だったね
今でも言われる
「反抗期を待ち侘びている
母親なんて珍しい」
だって、楽しみだったから
反抗期がない子も
稀にいるみたいだけど
私自身は反抗期があったから
母親を泣かせた事もあった
父親にとがめられた事もあった
キミには伸び伸びと育って欲しい
そして、人の気持ちがわかる
そんな人になって欲しい
その成長過程で
「クソババァ!」が必要なら
私は受けて立つ
学校の先生も珍しいお母さん
普通はギスギスして
皆さん、悩みに入るのに
「勝手に産んだくせに!」
「頼んだ覚えはない!」
「顔見せるなウザイ!」
ウザイ、ウザイ、ウザイ
クソババァ!
良いよ、その調子♡
ヨッ、反抗期
もっともっと〜
そう言っているうちに
キミはすっかり落ち着いた
イラついて
ムカついて
時には反省して
そうやって成長していくんだよ
今では頼んでも言ってくれない
「クソババァ!」
期間限定の言葉だったね
どんな場所でも
家でも外でも
ご飯を食べる時には
「いただきます」「ご馳走様」が言えて
「ありがとう」が言える
お店を出る時には
「美味しかったです」
自然と言えるキミになっていた
仕事から帰ると
ご飯が炊けていたり
ちょっとした料理があることも
雨が降ってきたら
洗濯物を取り込んでくれる
お母さんはね、
キミのお母さんになれて嬉しいよ
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