3泊4日の旅行に行けなかったよ

3泊4日の旅行に行けなかったよ。
出発の朝、息子が発熱していたからだよ。なんと、38度だったよ。

北海道旅行計画は半年前から行われていたが、ホテルもレンタカーも飛行機も、発熱が発覚してから30分も経たないうちにキャンセルした。
クリック1発で超簡単。あっけなかった。

私たちは、北海道に行こうとしていた。
夫婦とも3日の有給を申請し、3泊4日で思う存分エンジョイしようと思っていた。
グルメ、景色、お土産、金カム聖地巡礼(これは私だけ)、息子の大好きな電車の見学…全ての計画は水泡と帰した。
ああ、さようなら北海道。

発熱してグッタリしている息子を見つめる脳裏にはその前日保育園の先生に言われた一言がよぎっていた。

「同じクラスの子たち、夏の疲れからか何人かお熱でお休みしているんです!でも、○○くん(息子)は元気そうなので安心ですね」

そうだ。
前日から、フラグは立っていたのだ。

出発当日は予定通り休んだ。
夫も休んだため、私だけ出勤しようと思えばできたのだが、「これから3日仕事をしないでいいなんて!素敵!ウフフ!」と前日から脳内がラベンダー畑状態だったので到底無理だった。
こんな頭で仕事などできるわけがない。
普段だったら適当にあしらえるような変な客でも、このズタボロメンタルでは「このウ〇コ野郎!」などと暴言を吐きかねない。
そう思ったので、私も一緒に休んだのだ。

そこで、夫に息子の病院のつきそいを託し、タスク(平日にしかできないこと含む)を片っ端から片づけた。
クレジットカードの退会、銀行口座の解約手続き、個人年金の解約手続き、息子のごはんのストック作り…。
転んでもただは起きない女、それが私だ。

残りの2日は有給が余っている夫に息子を託し、出勤した。
すると、職場の優しい方々から「北海道、あんなに楽しみにしていたのに残念だったね…!」とめちゃくちゃ同情された。
「北海道ってこっちより寒いみたいだから、風邪ひいて帰ってこないようにしなきゃですねっ☆」とか浮かれポンチになっていた2日前の自分を殴り殺してやりたいと思った。

保育園でも息子が「○○チャン コンド ヒコウキ ノル~ ホッカイドウ イクンダヨ」と言いふらしていたらしく、旅行の前日には「飛行機乗るんですね!!!!楽しみですね北海道!!!!!」と先生たちから声をかけられた。

もはや息子のクラス以外の先生や、園長先生にも声をかけられた。
保育園の報連相すごすぎん?

ということは月曜日登園したら「残念でしたね…!」って哀れまれるんだろうな。息子のクラス以外の先生にも、園長先生にも。ハハハ。報連相万歳。

まぁ、でも、なんやかんや出発前に熱が出てよかったよなぁとは思っている。
目的地に到着してから発熱していたとしたら、ホテルに缶詰め状態だったのだろう。
夫婦で交代しながら観光することもできただろうが、きっと心から楽しめなかったに違いない。

それならこれで良かったじゃないか。
この旅行は、『息子が大自然を満喫し、動物との触れあいの時間を持ったり北海道の電車を見るなど、普段の生活ではできない経験をさせる上で大人もちょこちょこ楽しむ』というのがテーマだった。
あくまで息子がメインなのだ。

だから、息子が元気になったら、また行けばいいというだけの話。
そう言い聞かせるしかない。

とはいえ、とはいえだ。
やっぱり心の中では、北海道に行けなかったことに対する虚無感が渦巻いている。
この日のために終わらせておかないといけない仕事を急ピッチで仕上げたし、荷造りも計画的にやった。それがなかったことになったのだ。
洗い物をしていても、ご飯を作っていても、脳内に青い池やラベンダー畑やパンケーキやザンギやジンギスカンや札幌ラーメンやスープカレーやソフトクリームやしめパフェがちらつきため息がこぼれてしまう。

ああ~北海道行きたかったよ~~
うえええええええええん。

そんなこんなで、私たちの北海道旅行2024夏は、開幕することなく閉幕した。

ところで、夫は北海道のことを吹っ切れたのか、この休みの間に九州旅行を計画し、すべてのスケジュールを決定したそうだ。

わが家専属の旅行代理店(本業ではない)である夫はマジでスゴイ。

今回の北海道旅行についても私が個人的に行きたい場所(金カム聖地)に行く時間を設けつつ、息子がゴキゲンに過ごすためのイベントをおさえ、おむつ交換できる場所もチェックし、息子の食べられるご飯があるお店を予約し、大人も息子も大満足のウェルカムベビーのホテルを手配…。
そのリサーチ力、計画力に毎回脱帽である。

今度の九州旅行についてもきっと同じように、大人も息子も大満足のめちゃくちゃすごい旅行プランが飛び出すのだろう…。

そんな有能なわが家専属の旅行代理店夫からは、「まあ、行こうと思えばまた来年行けばいいじゃん?」「当日に熱出てキャンセルしたっていうのも、何年後かしたら笑い話になっているよ」と言われた。
なんというポジティブ思考…。

だが、彼の言う通りだ。
くよくよしてはいられない。
明日からまた普通の日常は始まり、私たちは次の旅行のためお金を稼がねばならない。

がんばれ私〜
超がんばれ私〜〜
(オチとかないよ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?