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公務員は誰でもできる仕事というレッテル
「公務員の仕事は定型的で、ルーティーンワーク。誰でもできる仕事。」そう思われることも少なくない。
しかし、国家公務員、地方公務員両方経験した私からすると「それは公務員になったことのない人の妄言である」と強く思う。公務員の仕事は、法令の読み解き、解釈、物事の線引きなど非常に神経を使うものも多く、綱渡りでヒリヒリする仕事だと思っている。
その事例がこちらの記事だ。国の誤った制度説明により適切に制度を利用できなかったとする内容。そして事業者側としては経済的な損失がでたとしている。訴訟にまでなっているので穏やかではない。公務員の担当者の立場に立つと胃が痛くなる。
私も常々この手の制度説明、法令解釈には肝を冷やしてきた。私の判断ミスで相手方に損失がでるかもしれない。しかもその相手方というのは、ものによっては不特定多数に影響が及ぶ。「開示請求されたら?」「訴訟になったとしても立っていられるか」など第三者から見て適切な対応になっているかにはものすごく気を配っていた。
そのため、個人判断にならないよう決裁がある。上司、場合によっては上級官庁に確認をとって、法令解釈に誤りがないか確認した上で回答する。組織として回答することは自分を守るためでもある。もしこの職員が自分の判断だけで回答していたとしたら、かなり危険な橋を渡ったことになる。個人プレーで動かれると組織としても守りようがなくなる。
話を戻すと、決して公務員の仕事は「簡単で、ルーティーンワークで、誰でもできる仕事」ではない。あらゆる責任を伴うし、公平、公正の観点を持ちながら慎重に業務を進めなければならない。
本来テキトーな性格の私にはそのあたりもしんどかったのかもしれない。テキトーだけど真面目なので綱渡り感がしんどくなって、真面目に考えすぎて仕事がきつくなってきたのかもしれない。
今は民間の会社にいて、そのあたりのヒリヒリ感は感じなくなった。誤解を恐れずに言うと、「法に触れるような悪いこと」以外だったら何でもアリな世界観である。どんどん新しいことを試せるし、やめることもできる。企業理念に沿って、ポジティブに行動することができている。
その意味においては、公務員よりも民間の方が働きやすい。
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