【恋愛小説】すれ違ってしまった恋 1話
別れてから何年も経って大切だと気が付いた…
それでも、いつか戻れると思っていた…
でも現実は厳しく、すれ違ってばかり…
1話 気が付くと…
楓は、ごく普通の家庭に生まれた。
お父さんは、私が3歳の時に家を買って引っ越しをした。
ただ、違うのは父子家庭だったってこと。
そこで、幼稚園・小学校・中学校と進んだ。
中学2年…
楓は、気が付くといつも同級生の剣のことを見ていた。
剣とは、小学校から一緒だったけど、仲良くなったのは中学になってからだった。
もっと近づきたくて…
流行っていたアンケートを剣に渡すことにした。
アンケートの中には…
ーー好きな人いますか?
ーー彼女はいますか?
を当然書いている。
ま、定番の好きな食べ物とかも書いているけど…
知りたいのは、好きな人がいるかだよね…
楓は、いつも剣とふざけて会話をしている。
だからアンケートを渡すのも、勇気がいる…
「剣、これ書いて」
と渡して、走って逃げた。
それから、何日経っても剣はアンケートの返事を渡してくれなかった…
楓は思い切って
「アンケート書いた?」と聞いてみた。
剣は黙ってアンケートを渡して来た。
楓は「ありがとう」とだけ言って澄まして教室を出て行った。
やったー!
別の教室の誰もいない部屋で
こっそりアンケートを見た。
お目当ての答えはどうかな~
ーー好きな人はいますか? YES
になってる…
ーー彼女はいますか? NO
彼女はいないけど…好きな人はいるのか…
好きな人って誰なんだろう…
気になって仕方がない…
剣に、冗談ぽく
「好きな人って誰?」としつこく聞いてみた…
それでも剣は答えてくれない。
楓は、ある日
ふざけて自分の名札の名前の紙に「便秘」と書いた紙を入れていた。
最近は、剣に会う度に「好きな人、教えて」と言っていた。
いつもの調子で剣に「好きな人誰?」と聞くと、私の名札を見て
剣は「便秘」と答えた。
私は、冗談だろうと思っていた。
それから、暫くして
突然、剣が…
「好きな人教えるから、放課後クラブ終わるの待ってて」と言ったから、祥子と一緒に待っていた。
剣がクラブから帰って来て二人で話をした。
剣はなかなか話さない…
私が、しびれを切らして剣に「好きな人って誰なの?」と聞くと
剣は、持っていた傘で私を指した」
私は驚いて…
剣もそれ以上話せなくて…
その日は、恥ずかしくて一緒に帰れなかった。
帰りながら祥子にすぐ、報告した。
祥子は「良かったじゃん」と言ってくれた。
楓は、嬉しくてうれしくて…
あの「便秘」の冗談は本当だったんだ…と思いながら、眠りについた。
翌日、なぜか熱を出してしまい…学校を休んだ。
翌々日、学校に行くと
剣がまた、「話があるから、放課後待ってて」と言って来て…
友達みんなが、気を利かせてくれて楓は剣と二人きりになった。
剣はまたも、なかなか話さない。
結局、違う話になって盛り上がっていると…
「そろそろ帰るぞ」と野球部の友達が声を掛けてきた。
剣は慌てて…
「付き合って下さい」と言った。
嬉しくて…楓はすぐに「うん」と答えた。
こうして、付き合うことになった二人だったが…
学校で会うだけで…
休日に会うわけでもなかった。
でも、お正月に二人で初詣に行こうと話をして、二人で電車に乗って出かけた。
それが二人の初めてのデート…
その時も、何をするのも恥ずかしくて…
初詣以外、何処にも行けなかったけど
帰って来てから、パン屋さんのベンチで二人で話をした…
それから、私が学校をさぼった時に剣に電話をして「家に遊びに来て」と呼んだ。
家で二人でずっと話して…
お父さんが帰って来たから慌てて掃き出しの窓から一緒に外に出た。
帰りに楓から
「握手して」と言うと剣は「いいよ」と言い二人は握手をした。
そんな…
可愛いくて…
でも、儚い恋だった…
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