私だけとみんなの佐野晶哉
呟けば呟くほど言葉は軽く飛んでいく
そのスピードが心地よいときもあるし
重みのなさに人目が止まらない時もある。
佐野晶哉くんのファンアカウントを作ったばかりの頃は、フォロワーゼロの状態から始めたので自分の中に滾る情熱の赴くままにXでポストしていた。
それはとても楽しい行為で
誰にも見られていない分伸び伸びと
『私の中の彼はこんな人』と決めつけての投稿で、
自分の中にしかない彼の偶像なのだからある意味自信を持って発信できていた。
でも繋がりが増えていく中で
私の中での佐野晶哉くん
だけではなく
みんなの心のなかにある彼を
見せてもらう中で
徐々に
私だけのものであった
私の佐野晶哉像が遠のいていく。
みんなの佐野晶哉像は
アイドルとして輝いているけど
私の中の
私だけのものであった彼の姿は
見えにくくなっていく。
聖なるものであった私だけにしかみえない彼は
ある意味もういない。