風邪で使う、抗生剤は必要か?
薬を無くす顧問薬剤師、伊庭聡です。
寒くなってきました、風邪っぽい症状になってませんか?
風邪ってなると、こういう人いませんか?
1.病院へ行って診察してもらったのに、薬をくれなかった。なんてひどい医師なんだろう・・他の病院に行って出してもらおう
2.子供に鼻水が出たら、風邪かな?と決めてしまい、すぐに病院へ行って薬をもらう
3.薬を飲めば、早く治ってすべて解決すると思っている。
4.薬の副作用をしっかり説明された上で、医者は薬を処方してくれているはず
このブログを見てるみなさんは、そんなことを考える人はいないと信じています!
でも色々説明しますね
さて、風邪と言われたら、
風邪薬
そのなかで、やはり、
『抗生剤』または『抗菌剤』と言われるものが処方されますね。
風邪でかかったときには
『とりあえず』
抗生剤出しときますね
抗生剤ください
と、なりませんか?
でも
その
「とりあえず抗生剤」
には様々なリスクがあることは知ってますか?
軽く見ておりませんか?
現時点で、
とりあえず抗生剤が欲しいと考えている人・・
ぜひ、この説明されない事実を
読んで、知って、理解してから
考えてください
あなたの大切な体
大切な家族を守るためにも
まず、風邪の原因とは?
①風邪の原因は細菌ではなく、ウイルスなので、抗生剤はほとんど必要ない
「風邪」と言われるもののほとんどはウイルスが原因です!
抗生剤=抗菌薬
はウイルスではなくて細菌に効果があるものです。
なのでウイルスの風邪に抗菌薬を飲んでも意味がありません
ちなみに、ウイルスと細菌って何か違うの?って思う人のために、簡単に説明すると
細菌は植物に近く
ウイルスは動物に近い構造をしている
全く違う生物です
(ウイルスでも一部のウイルス、水痘ウイルスやインフルエンザウイルスなどには、抗ウイルス薬があります)
もちろん、細菌感染が原因になる風邪のような猩々もあるため、
それには、抗菌薬が必要です
しっかり検査して、
その特定の細菌に対して、必要な抗生剤を選ぶ
つまり、
必要なときにはしっかり使うことが大事なんです。
②抗生剤の投与は耐性菌をつくることがある
細菌と抗菌薬の歴史は追いかけっこです。
ある抗菌薬が誕生して使用が続きますと
細菌は生き残りのために、体を進化させます。
細菌も自分達が滅ばないようにパワーアップするんですよ?
それを
「耐性化」
を獲得すると言います。
だらだらと長期に不要な抗菌薬を使うことは
病気の改善には意味がないどころか、
耐性化した細菌をつくってしまい(耐性菌)
今後
「耐性菌による抗生剤が効きにくい感染症」
にかかってしまうことがあるんです。
③抗生剤の使用が診断の邪魔をすることがある
細菌感染の診断をする時、大事な検査として「培養検査」というものがあります。
簡単に言うと
どんな細菌が原因となっているのか調べる検査です。
この培養検査は
抗菌薬を投与する前に採取するのが原則です
でも
「とりあえず抗生剤」
が行われると
培養検査が正確にできなくなり、
正しい治療、周囲への感染対策に影響が出てしまいます
④抗生剤には色々と副作用がある
抗菌薬には細菌をやっつける「主作用」がありますが、
もちろん薬ですのでいろいろと副作用があります
まさに、
『クスリはリスク』
です!
一般的に発疹、肝障害、下痢、アナフィラキシー(ショック症状)、大腸炎、腎障害、けいれん、アレルギーなどの副作用が起きることもあります。
発疹くらいなら、下痢くらいならって思ってませんか?
肝臓にも、腎臓にも負担かかるんですよ?
痙攣を起こす人もいますよ?
さらに、
個別に特徴的な例をあげますと
オゼックス
まれに関節痛の副作用が知られています
オゼックスは小児用ってのもあるくらい、子供に良く使われます。
ミノマイシン
乳幼児への投与で歯が変色することがあります(よって8歳以下には禁止です)
そしてまれなものですが、抗菌薬投与で
『カルニチン欠乏症』
が起こることもあります
カルニチンはサプリメントとしても、良く広告にのっていたり、CM流れたりしてますね。
メイアクト®
フロモックス®
オラペネム®
といった抗菌薬はカルニチンと結合することで
カルニチンが消費されます。
そして患者さんの食欲低下などにより、
食事からのカルニチン摂取が低下しますと
カルニチン欠乏による低血糖、意識障害、痙攣などが起こることが知られています
そして、何度も言うように
抗生剤をただなんとなく、とりあえず使用すると、
いざという時に抗生物質が効かなくなる
これをしっかり覚えておいてください。
抗生剤の発明によって、多くの病気を助けてくれるようになりました。
救急の現場では必須の薬です。
そうした、有用な薬であるからこそ、
本当に必要な時の切り札として使用してください
適切に使用すると、結核で死ぬ人が無くなったように
非常に効果が高く、メリットのある薬です。
「とりあえず」「なんとなく」
の使用は
デメリットのほうが大きくなります
大切な家族を守るために
その抗生剤が
必要かしっかり確認してください。
そして、
『風邪なら、薬はいりません』
これを伝えてください
薬を使わない選択を
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薬について詳しくお話した動画を以下からご覧ください!
※別の記事で薬の動画をご覧いただいた方、
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