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【書評・感想】漂流 吉村昭

この本は、少しでも悩みがある方、落ち込んでいる方を励ましてくれる一冊です。

私も悩みを抱えているのですが、抱えている悩みが小さなものだと感じられ、少しは楽観的に物事を考えられるようになったと思います。定期的に読み返して、忘れないようにしたい一冊です。ぜひ読んでみてください。

【概要】

天明5年(1785年)に土佐の国に住む水主(船乗り)の長平ら、4人の男達が船でコメを運んでいる途中に悪天候に見舞われ難破し、運よく無人島に漂流します。

しかし、たどりついた無人島は、水がない、船が周りを通らない、孤立無縁な火山島でした。

人が暮らしていけそうもない環境で12年間生活し日本に帰還した長平を中心に、無人島に漂流した男達の生活や生き様を史実をベースに物語として描いた作品です。

【著者紹介】 

吉村昭 氏 

主な作品・・・戦艦武蔵、破獄等

【私が印象に残ったポイント】

”人事を尽くして天命を待つ”

どうしても故郷へ帰りたいと強く願っています。そこで、せめて帰郷は神仏の意におまかせしよう、それまではあせることも泣くこともやめて達者に暮らそうと思うようになりました。このように考えてから、気持がひどく楽になりました。(吉村昭,漂流,1980年)

私は、この本に記載されている上の一文が心に残りました。この言葉は故郷に帰れる可能性がほとんどない絶望的な状況の中で、他の仲間達に長平が言った言葉です。

この言葉から、"人事を尽くして天命を待つ"という諺を思い出しました。

”人事を尽くして天命を待つ”とは、人としてできる限りのことを尽くしたら、あとは静かに天の意思に任せるという心境のことです。

この考え方は、本当に大切だと再確認しました。普段生活をしていると、仕事でもプライベートでも上手くいかないなと感じることがあります。

そんな時に、自分で出来る最善のことをやって、だめならしょうがないし、上手くいったならラッキーと物事を楽観的に考えられるようなりました。この考え方を、覚えているだけで少しは心が軽くなった気がします。

【最後に】

 私はこの本から、大切な考え方や価値観を学ぶことが出来たと思います。
また、この本を読んで、普段の生活がすごくありがたいことだと考えられるようになりました。

無人島での過酷な生活の様子が、この本からリアルに伝わってきます。衣食住の環境が整えられていること・人がいること、これだけでも十分ありがたいことなんだと感じることができました。

”力強く前を向いて生きよう”そう私を励ましてくれた一冊です。みなさんもぜひ読んでみてください。




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