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断酒記念日
断酒20年のヨウスケです。
アルコールの離脱症状で全身がガタガタ震えて、布団の上で横になっていることしかできません。とりあえず寝なければと思うも、頭の中は、ぼやーんとして夢とも妄想ともつかない映像が流れているような感覚です。
全身から臭い汗が出てきて非常に不快です。起き上がってタバコを吸おうとしても手がガタガタ震えてライターの火を着けることさえできません。
「あぁ、これが本で読んだアルコール離脱せん妄というやつだろうな。運が悪ければ死に至るという…」
アルコール依存症関連の本はずいぶん読んできたので、アルコールを断ってから出てくる症状は知識としては知っているつもりでした。
だいたい72時間くらいが山ということらしいので、もしかしたら72時間以内に死ぬ可能性もある…。
アルコールを口にすれば楽になるのは分かっているが、外に酒を買いに行く体力は残っていない。結局布団の上で横になって離脱症状をやり過ごすしかありません。
アルコールにまみれて大切なものをたくさん失ってきた。お金も仕事も健康も恋人も信用も将来の可能性も…。
多くの人に迷惑も心配もかけ続けてきた。
私のことを信じてくれた人たちを結果的に裏切ってしまったこともある。
両親には経済的に苦しい中、大学にまで行かせてもらったのに、アルコールが原因で勝手に中退してしまった。
本当に自分勝手な生き方を30数年間してきた…。
このまま死ぬのだろうか…。
少し正気に戻った気がします。
このまま死ぬのは嫌だ。
自分勝手な生き方をしてきて両親をはじめ、多くの人々に迷惑をかけてきた事実は変えられない。
ただ、少しても埋め合わせというか
償いをしてから死にたい。
死ぬにしても最後は真人間になってから死にたい。
今まで酒を飲んで死ねるなら本望と思っていましたが、いざ、このまま本当に死んでしまうのかと思うと恐怖心もありましたが、
「このまま死んでしまうのはたまらない。」
「少しくらいは他人の役に立つ生き方をしてから死にたい。」
という思いがありました。
正直、助かりたいという気持ちは確かに強かったし、この苦しさから逃れたいという気持ちはありましたが、
「このままでは死ねない。」
といった思いが一番強かったと思います。
身体の方は胃に強烈な痛みが続き、胃癌でないかと勝手に思い込んでいました。
根拠は全くありませんが、酒を止めても5年くらいしか生きられないのでは無いかと感じていました。
「5年でもいい。酒を止めて真人間になって死ねるんならそれでいい。」
酒を止めて今後何をしていくとか、先のことは全く考えることもできませんでした。しかし、とにかく、今はこの離脱症状を乗り切って食事が取れるようになること。
それだけ考えていこう。
不思議と飲酒欲求も少なく、断酒2日目、3日目と何とか乗り切ることができ、幸い、幻覚など危険な離脱症状も出ることなく3日目くらいから少しずつ食事を摂ることができるようになってきました。
断酒1週間目にかなり頭にくる出来事があり、もう我慢できないとコンビニまで酒を買いに行きましたが、引き返して何とか踏みとどまることができました。
その後もいろいろありましたが、再びアルコールに手が伸びることなく、
2024年7月21日無事に断酒21年の日を迎えることができました。
私にしてみれば断酒できたことはもちろんですが、
酒を止め続けられていることが奇跡そのものです。
21年前の今日願った
「少しは人の役に立つ生き方をして死にたい。」
そういう生き方が断酒後できていたのかと言えば全く自信はありません。
同じような苦しみの中にある人の役に立ちたいと思い、カウンセリングやコーチングの資格を取ったり試行錯誤の21年間でした。
21年断酒しているといっても一度アルコールを口にすると元の木阿弥なのは100も承知です。
偉い訳でもないし、自慢出来ることでもないと思っています。
ただ、この経験は自分だけのものにしないで、同じように苦しんでいる人に読んでもらうことで、何かのお役に立ってこそ活きるものだと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
今後はエピソード風に色々と書いていくつもりです。
断酒21年目の7月21日
ヨウスケ