悩むのではなく考えよう
娘が、算数の問題をずっと考えていたけれど分からなかったという。何を考えていたのだろうか。
りんごを1個100円で10個仕入れ、仕入れ値の5割増で定価をつけましたが、売れなかったので、定価の2割引にしたら全て売れました。利益はいくらですか。
なんか数字がいっぱいあるなぁ、こういうときはどんな計算するんだっけなぁ、思い出せないなぁ、えーとなんだっけなぁ。
これは考えているのだろうか。ただ悩んでいるだけで、何も考えていない状態だと私は思う。考えるというのは、空想することではない。事実に基づいて「確かなこと」を増やすことだ。
世の中は分からないことがいっぱいある。与えられた情報はとても少ない。それでも、手に入れた情報を元に考える。暗闇に明かりを灯していくように、少しずつでいいから、その範囲を広げていく。
りんごが100円なら、みかんは80円くらいかなぁ、と想像するのは、何も考えていない。りんごの売値は130円くらいかなぁ、と想像するのは、少し考えたのかもしれない。
分からないことがいっぱいだと、不安になる。これで合ってるのかな、間違ってたらどうしよう、と悩む時間が増えてくる。でも、いくら悩んだって分からないことは分からない。悩んでいるのは時間の無駄。そうではなく、考えよう。答えの出る問いを立てて、確かな事実を増やしていこう。そうやって頭を使っている時間こそが、有意義だと私は思うから。
100円の5割増しは50円。2割引きは20円。利益は1個あたり30円。10個で300円。しっかり順序だてて考えよう。そうしたら、たとえ答えが間違っていたとしても、ただ悩んでいたときよりも、自分の力になるはずだから。
そんな話をした。
答えは200円だった。
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