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第4章 動機的制約:参加の決定

オーガニゼーションズ 第4章 P106~139のまとめです。これまでのまとめは以下を参照。

おさらい

簡単に振り返ると、人間をただの指示待ち人間(受動的機械)と考えた場合について第2章で考察しました。しかし実際の人間は、好き嫌いとかやる気の有無によって行動が変わってきます。そういった仕事への動機付けについて述べたのが3~5章です。

特に第3章では「どれくらい仕事にやる気を出すか」に注目しました。仕事の目的がどれくらい自分のやりたいことと一致するか、その原理について考察しました。

そしてこれから解説する第4章では「そもそも組織に参加するか、辞めるかの判断基準」について解説します。ちなみに第5章では、そのときの心の葛藤について述べるそうです。

あなたは退職する?しない?

簡単にまとめると、「自分に利益があるなら残る、利益がないと思ったら退職する」ということを回りくどく説明しているだけです。当たり前のことなので、あんまり面白くないです。

退職の意思決定基準は主に以下の2つ。
・退職したいという願望の強さ
・転職先がありそうという期待の強さ

この2つが揃うと退職・転職しやすくなります。ちなみに不景気とかで転職先がなかなかなさそうなときは、退職ではなく欠勤が増えるそうです。

退職の願望を強める要因

ここから筆者の大好きな定義祭りが始まります。まず、どういうとき退職したくなるかの一覧です。

・仕事と自分の性格が合ってないと感じたとき
・仕事に不満があるとき
・仕事の見通しが不透明で予測しづらいとき
・仕事とプライベートが両立できないとき
・管理職の監視が強くて自主性が持てないとき
・報酬が小さいとき
・思った通りに昇給・昇進しなかったとき
・会社における自分の仕事の役割がちっぽけに感じるとき
・もともと教養レベルの高い人

転職先がありそうという期待の要因

・男性
・若い人
・勤続期間の短い人
・社会的身分が高い人
・有名な組織で働いている人
・個人としても有名な人
・異業種との交流が盛んな人
・そもそも景気がいいとき

そして葛藤へ

さて、不満が大きければ転職するという理論は当然であるが、実際の人たちは転職する前に職場に改善要望を申し出るだろう。もしそこで要望が通れば転職しなくても済む。そういう葛藤について次の5章で見ていく。

課題

・参加継続の意思決定に、個人の満足は決定的に重要なのか、例を挙げて考えてみよう。

・オポテュニズムが組織からの離脱に代わる選択肢だという例を挙げてみよう。

オポテュニズムなんて単語、本文に出てきたっけ……? 調べたところ、ご都合主義とか我がままという意味らしい。

私の回答

仕事だと満足していなくても給料がもらえることから惰性で継続している人は多いと思う。もし毎月契約更新を迫られたら辞める人も増えるだろう。毎月継続の意志を示す必要のあるコミュニティでは、満足度の高いアクティブユーザーでなければ継続しえないだろう。そういう意味で、そもそも意思決定の機会を作らないことが離職を防ぐ手段として使われているともいえる。

組織に不満があるとき、離職するのではなく自分の我がままを通すことで組織に迷惑かけてでも自分の満足度を維持する、というのは確かに有効だろう。組織としては迷惑で辞めてほしいと思うかもしれない。でもそもそも社員の主体性・独自性を重んじる会社っていうのは、そういう我がままを受け入れている会社と同義なので、最近の若者は我がままだ、という文脈はなんか違う気がする。組織の方が唯我独尊で我がまま化しすぎた、その揺れ戻しが来ているだけではないだろうか。

追記:みんなの回答

個人の満足の要素について

「転職先がないと、(不満はあっても)そのまま仕事を続けちゃう」というのがあると思う。ラクな仕事がいいな〜と思ってぜんぜんスキルを身につけなかったので、「なんもできないおじさん」になってしまい、多少の不満足はあるけどしかたなく居続けている、みたいな。
けれど、「多少の不満足」を言い換えると「そこそこ満足」なのであり、いろいろ天秤にかけた上で「ギリ満足」だと判断しているのだと思う。(景気、転職先の有無、仕事内容、報酬、プライベートなど諸々考慮したうえで「満足」できる範囲におさまるなら、参加継続する)
そんなわけで、このケースでは個人の満足は参加継続の判断において決定的だと思う。

オポテュニズムについて

だるいからやめよう!と思ったけど、強引にでも定時で帰るようにしたら、なんかわりと居続けられるかも?という気がしてくる。


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