エルダーシップまとめ
後半、似たような話が多かったので最後まで読み切りました。前半のまとめは以下をご参照ください。
感情をむき出しにしよう
私たちは、公の場では冷静に話すこと(リニアなコミュニケーション)がいいことだと考えがちです。でも、もっと公の場でしっかり自分の感情をむき出しにすること(ノンリニアなコミュニケーション)も大事だと筆者は言います。
感情を抑圧することは権力者にとって有利です。みんなが不満を言えなくなれば現状維持がしやすいですからね。社会は、感情をあらわにするのが良くないという風潮を広めることで、無意識のうちに権力者の味方をしてしまっているのです。
だから、弱者はもっと感情を出すことが大事なのです。そして、その弱者の気持ちに気付いて寄り添うのが、本書の目指すエルダーシップなのです。
感情を抑圧された状態で説得されても、決して腹の底まで納得することはできません。自分の思いの丈をさらけ出して、その上で解決にたどりつくことが本当の平和なのだそうです。
雨降って地固まる
本書での主張はつまり、雨降って地固まるのが一番いいことだから、積極的に雨を降らせよう、というものです。でも雨が降ったままぬかるんで地盤沈下をおこしたり、固まることなくコミュニティが崩壊するおそれもあるので、そこに十分気を付けてファシリテートするのがエルダーシップの役割になります。
なんかめっちゃ危ない橋を渡るなぁ、って印象。
タオというのは老子が説いた「道」のことだそうです。自然の中、森羅万象の背景に働く力であり、コントロールを手放してその自然の働きに従うことだそうです。この筆者は、かなりスピリチュアルな発言が多くて、悟りを開いた感じがありますね。
そこに愛はあるか
私たちが怒って他者を攻撃するのは、自分を守りたいから、自分の話を聞いてもらいたいからなんだ、と筆者はいいます。そのことに気づけば、怒っている人の気持ちも理解できるようになるはずです。
怒っている人が何をおそれているのかに気付いてあげること。もし気付いてあげられなかったら、怒りがおさまらず傷つけあい、戦争状態に陥ってしまいます。そしたらもうおしまいです。
筆者は偉そうなことを言ってますが、いろいろな事例紹介の中で、相手の怒りに対してどう返事をしたらいいか分からず、売り言葉に買い言葉でこちらもどんどん激高して爆発寸前にまで行っています。ただ、そうやって自分の感情もむき出しにすることで、お互いが何に怖れているかも見えてきて、そこに気付いてあげられると一気に和解できる、と言います。
雨降って地固まる。本当に危ない。ちょっと真似したくないですね。喧嘩するほど仲がいい、にも通じるし、分かるといえば分かります。私もよく夫婦喧嘩をするので、それを通してお互いの気持ちをより深く理解できるようになった、と肯定的に考えることもできます。でもやっぱりつらいし、疲れるし、積極的に対立の炎の中に座すのはマゾかバカだと思います。
おしまい。
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