伊予柑日記 連載について
(※これは2024年1月のログです)
連載のコツ
連載とは「スナップショット」です。写真です。一瞬の風景を1ツイートくらいの文章にします。短いことを恐れないでください。短いが基本です。長くなってもかまいません
連載のコツは「ふつうのことを、丁寧に書く」です。ふつうであることを恐れないでください。ふつうが基本です。特別なことを書いてもいいですが、全部が全部特別にしないでください。
連載が上手くいくと
・自分も始めました、という人があらわれます
・自分語りをしないのに、あなたのことが他人に伝わります
・生活の幸福度がじんわり上がります
どうやって連載テーマを選んでいるか
その人が「普段からやっていること」から選びます。新しいことに挑戦させません。妻を褒めるは、普段から褒めてる人しかできません。
その人が「生活で毎日触れざるをえないもの」から選びます。意欲的にトライするようなものはダメです。
その人の「見ている事実」から選びます。悩みや苦しみなど、その人に日頃うずまいている感情は無視します。
連載のポイントは「観察眼」です。絵を描くが「正しく見る」であるように、文章も「正しく見る」です。「見る」が甘いと、「もっとよく見て!」といいます。予備校生です。
観察眼の具体例
デイリーポータルZ、普段はチャラいんですがちゃんと書くとひたすら文章がうめぇ。これは連載に通じる話なので、「文章が上手くなる」という強さに関して解説します。
まず、文章というのは、目的や表現で全く異なります。「絵」といっても漫画、油絵、ピクトグラムでまるで違うように、「文章」もエッセイやビジネスメール、訴状では全く異なります。
しかし、共通する基本があります。これは絵でいえば美術予備校で教えてくれるデッサンです。どんな絵を描くにしても、りんごをまず正確に書けるのが基本です。
いきなり初心者が「りんごを売ってるスーパーの棚」をかけるわけがありません。まずりんごを描いて、次に隣の梨との違いを書き分けられなければ、棚はかけない。そのように、基礎を積み上げることで複雑なものをかけるようになります。
エッセイ的文章においては1シーンを50-200文字で描けること。その情景が素直に浮かぶことが、りんごを正確に描くということです。
「ネタがいい」「構成がすごい」「言い回しが面白い」「比喩がおしゃれ」などはりんごが描けるようになった次の話です。まず、せめて、りんごを描けなくてはいけない。しかし、絵と違って文章はデッサンの狂いが目立ちにくいため、ナメられます。連載の編集部では「ここ、デッサン狂ってるね」とひたすら指摘しています。面白さではなく、まず、丁寧に正確に描けること。
連載の意図
連載はマジに単純に「初見向けの読み物を増やそう」からはじまり「誰でも書けて、初見が楽しめるコンテンツってなんだ?」を考えていったらスナップショット的な短文になり、「良いスナップショットとは?」を考えたらデッサン的なくせの少ない認知から始めるのな無難、となっていまのスタイルになりました。
編集としてモノの見方をいじっていくスタイルが著者らに受け入れられたので積極的にいじるようになり、連載を通してデッサン的に癖のない認知を手に入れた人が20人くらい誕生したらどんなコミュニティになるんだ?という実験心で駆動しているのが最近です。
俺の予想では、スラムが全体的に創作物への審美眼が磨かれ、良い「観客」になるので、なんか新しいものが生まれやすくなると思っています。オープンイノベーション的コミュニティは審美眼がとても大事なので、ここを増やすとアウトプットできる人がひょこっと連載陣とは別に生まれると思います。
ちなみにぷろおごは明らかに連載と編集から影響を受けている(うまく盗んでいる)ので、ぷろおご強化という伊予柑の裏ミッション的にも成功しています。スラムはそもそもとして、ぷろおご強化の素材集なのです。
編集のポイント
文章を書くときは「順番」がすごく大事です。エピソードトークでも「順番」がいかに大事かというもの。
連載のその後
いったん「読み物化」が落ち着いてきたら、「参加企画系」の再度盛り上げなどもしたいが、それにはセットで「スラムがどうなっていきたいか」のビジョンが必要。儲かりそうなやつだとマルチがくるので「お掃除ナンバーワン読書会」とかになる・・・か!?
読み物化は「新人が毎日slackアプリを立ち上げて、素直に楽しめる読み物を提供することで、定着してもらう」という明確なビジョンがある。
後日談
コンセプト
連載の「観察しよう」という初期コンセプトは
1)現実をよく観察して文章にすることで解像度を高め、理解度を高める
2)その結果として本人や読者が世界から受け取れる情報量が増える
3)微差を楽しめるようになり、観察の力がついて不安も減る
というのが狙いです。「くらがりチャレンジ」以外の、余裕がでてきたひとがやるべきトライとして設計しました。
2代目素人編集者なかそねさんの意図
娘が国語のテストで読んでいた文章がすごく良かった。
探してみたらネット上に全く同じものがあった。
これこそ、連載で目指しているものだ。と思った。
「連載」は、あなたの見ている世界をデッサンしてください、というものです。特別なイベントとかなくてもいい、ごく普通の日常を、あなたの視点で切り取って書いてほしい。
あなたにとっては日常的でありふれた普通の風景かもしれないけど、それを読む人は、意外と新鮮な気持ちで、へぇそんなこと考えてるんだ、という発見につながったりします。
そういう、あなたの視点、あなたのレンズを通してみた世界を共有してもらうのが「連載」です。
だいたい1人1テーマ3ヶ月くらいを目安に書いてもらっています。今は6テーマほどが連載されていますが、そろそろ終わるテーマが増えてくるので、新しい連載希望者を募集しています。
文章を書く自信がない人でも大丈夫。テーマが思い浮かばない人でも大丈夫。一緒に、どんなテーマで何を書いていくか、考えるところから始めます。希望者はお気軽にこのチャンネルに書き込んでください。よろしくお願いいたします。