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還暦を迎えたみうらじゅんに聞く 「俺は趣味がないから、老後が心配だ」
「マイブーム」や「ゆるキャラ」の生みの親として知られ、その独特の世界観で人々を魅了してきた、みうらじゅんさん。還暦を迎えた2018年の1~3月には、神奈川県川崎市の美術館で、これまでの創作活動を振り返る「みうらじゅんフェス!」が開催されました。「ひとりの時間を楽しむ天才」とも思えるみうらさんに、これまで取り組んできたことやこれからの人生をどう過ごしていこうと考えているのか、じっくり話を聞きました。そのインタビューの模様を2回に分けて掲載しま。(篠原諄也)
※この記事は2018年6月14日、ひとりを楽しむメディア「DANRO」で公開されました。
*後編「自分はないほうがいい」はこちら。
昔から人に見せるのが前提だった
――みうらさんはこれまで、「いやげ物」(もらっても全然うれしくない土産物)など色々なものを集めてきましたが、やめたくなったことはないんですか?
みうら:俺は、俺をしつけ直しているんです。「修行」みたいなもの。でも苦行じゃないんだ。修行って、思い込めば続けられるんじゃないかと。俺は無理して、みんなが欲しがらないものを買ってきた。実は、誰よりもまともなんだ。
旅先で「こんなもん、誰が買うんだ?」ってものを見つけたら、すごく気になるのよ。「こんなの作ってて、大丈夫かよ」って、大きなお世話が出るんだ。正直、欲しくもないし、いらないよ(笑)。でも、自分が欲しいものを買って人に見せるのは、「趣味の人」のやることだから。
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――みうらさんは「趣味の人」じゃない?
みうら:俺、全然趣味はないんですよ。「趣味の人」の話は誰だって聞きたくないでしょ(笑)。やっぱ、それより苦しそうな話を聞いたほうが人は面白いんじゃないの?
――そう言われてみると、そんな気もしてきます。
みうら:俺、ずっと昔から「人に見せる」のが前提なの。『見せ前』人生(笑)。小学校一年生で仏像写真のスクラップブックを始めたんだけど、それも趣味でやってるつもりは全然なかった。友達がうちに来たとき喜ばすつもりでやってたんだ。友達から「このページは見にくい」とか言われたら、そのつど修正してるのよ。子どもの頃からあざといでしょ? 決してピュアじゃない。
――自分自身をどう見せると面白いか、ということも考えている?
みうら:ひらがなの「みうらじゅん」。俺は、アイツをプロデュースしてるつもりなんだ。うちの事務所の唯一のタレントだから。アイツは変な人じゃないとダメでしょ。変な人なのに、意外とマトモなことも言う。そういうキャラなんだ。還暦になったから最近では「ジジイ」ってのも使える。頑張って人前ではサングラスしてるんだけど、老眼であんまり見えないもん。もうきついっすよ(笑)。でも、きついってキャラも「売り」にはなるんじゃないかと。誰に売ってるのかわからないけどさ。
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