見出し画像

「エッジを超え合う」一人では“超えられない”壁も、みんなでならーーDANRO卒業生インタビュー

人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな創業者の想いから生まれた『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO Autumn』が2024年12月に最終回を迎えました。卒業生へのインタビュー記事を、数回に渡りお届けします。

今回は民泊運営のサポートをされているともやさんにDANROとの出会いや参加して変わったことなどを伺いました。

“言わない”から”言ってみたい”への変化


――DANRO CHILDREN(以下:ダンチル)を通じて密に関わるようになったというともやさん。参加して一番印象に残っていることは何ですか?

ともやさん:いくつかあるんですけど、一番は自分から好意を伝えた時間ですね。男女問わず「あなたが好き」「あなたが大事です」ということをチェックアウトの時間に言ってみたことがあったんです。

――どういうことなのか、気になります!

ともやさん:過去のトラウマから、人に好意を伝えるのが得意ではなかったんですよ。でも、Autumnのメンバーは皆さん本当に魅力的な方が多いなと感じていました。いろいろなことを開示して、自分を変えようとしている方が多かったので「率直に想いを伝えてみたい」という気持ちが芽生えたんですよね。

DANRO Autumnのみんなと

ともやさん:そこで、チェックアウトの際に「皆さんのことが好きです」とお伝えしてみたんです。すると「心を動かされた」「素敵だね」と他のメンバーが言ってくれて。その瞬間が、今でも一番印象に残っています。

――素敵なエピソード!もともと苦手というところから、実際に言葉にしてみようと思うまでに、ともやさんの中で心の動きがあったのでしょうか?

ともやさん:以前は「この人には言わない方がいいかな」と考えてしまうことが多かったのですが、DANROで時間を過ごす中で「言ってみようかな」と思えるようになりました。実際に伝えてみて感じたのは、伝える相手の心持ちで受け取り方が違うことでした。

この経験から「伝えること自体は自由である」という前提を持つことができ、大事な人には「大事だ」と伝えないと伝わらないし「好き」と言われたいなら、やっぱり自分から「好き」と言わないといけないんだな、と急に思い始めたんです。

そうしたら「まず自分から言ってみよう」と思えるようになりましたし「言わない」という選択から「言ってみてどうなるかを知りたい」という気持ちが芽生えました。

結果として、自分が自然と「言いたい」と思うようになったのが、心境の大きな変化だったかなと思います。

好きだと伝えたとき、大きな愛で受け止めてくれたDANROのメンバーたち

――すごく大きな変化ですね。とても深いDANROの時間を過ごされたのだな、と感じました。

ともやさん:参加するたびに、毎回皆さんが「こういうことをやってみて、こうなりました」と実践したことをシェアしてくださるんですよ。その中で「感じるだけではなく、実践していきたい」と自然に思うようになっていったんですよね。

その経験が重なって「自分が実践するとしたら何だろう?」と考えたときに自分の中にあったのは「やりたいこと」よりも「やり残したことをやりたい」という気持ちでした。

その「やり残したこと」の一つが、対話の中で「好き」という感情を伝えたり、自分の気持ちを素直に表現したりすること。それが、自分にとってのチャレンジであり、このタイミングだからこそできるのではないかと思ったんです。

やり残したことの1つ。
同じ想いを持ったチームでコトを起こしていくこと。
違和感さえも感じたこと、大事にしていることを素直に表現し、伝えていく。
自分にとって大きなチャレンジの一つでした。

自分に矢印を向けていても、周囲に影響は与えられる


――DANROを通じての一番の発見は何でしたか?

ともやさん:「自分にも影響力があるんだな」と思えるようになったことが嬉しい気づきでした。これまでは、自分よりも他人に目を向けて応援することが多かったのですが、より自分に矢印を向けられるようになったと感じています。

特に印象的だったのは、DAY7で「Autumnでの気づきを3分間で話す」という場面です。感じたことを話し、和花さんやHiroさんをはじめ、メンバーの方々からフィードバックをもらう時間がありました。自分のことを淡々と話しているだけなのに「その姿勢がきっかけになったんだよ」と言ってもらえたことが心に残っています。

――あえて働きかけたわけではないけど、自然に相手が受け取ってくれていた、ということなんですね。

ともやさん:そうですね。これまでは、自分から応援したり、人を動かそうと積極的に働きかけたりすることが多く、それが自分の役割だと思っていました。

でも、自分が淡々と挑戦し、その姿を見せるだけで人が変化してくれるという経験はなかったように思っていて。「自分が挑戦することで、人に変化を与えられるんだ」と気づいたのは大きな発見だったんです。

誰かを応援するために、まず自分にフォーカスを当ててもいいんだと思えるようになりました。そして、自分の挑戦が誰かの役に立つのであれば、その在り方もいいのかな、と感じるようにもなりましたね。


「一人では無理」と感じられたことも収穫


――「自分の挑戦が誰かの気づきに」グループ講座の相乗効果ですね!

ともやさん:そうなんですよね。僕自身これまでは、一人で内省し「自分の力だけで何とか超えてみせる」という思いが強かったんです。でも、ペアダイアログやペアワークを通じて「一人では無理なこともある」と実感するようになったことも大きくて。

ともやさん:自分がいわゆる“エッジ”を超えたときに、相手も「私も超えられそう」と感じてくれた「超え合う」という感覚がとても強く印象に残っています。それが体感として心に残り、言葉としてもしっくりくるものになっていて。この経験は、僕にとって大きな気づきになりました。

ーー「一人では無理だ」と思えたことは、今後の人生においても何か大きな転機になるのではと感じましたが、いかがでしょうか?

ともやさん:そう思います。今の仕事でもそうなんですけど、個人でやることが多かった中で「1人で行けるところには限界があるなあ」と感じるようになりました。チームでやると想像以上の成果が出せるんですよね。

例えばダンチルのプロジェクトでは「1,000人の親子に届けられた」「28か所も回れた」という実績を残せたんですけど、正直、これを1人でやるのは無理だよなと思いました。

DANRO CHILDRENのメンバーの一員として
「対話の力で孤独を防ぐ」をスローガンに掲げ、
全国28箇所1000人の親子に対話の力を届けました。

――確かに、たった1人で1,000人に届けることは難しいですよね。その先の目的が何か、にフォーカスするとチームという選択肢も見えてきそうですね。

ともやさん:チームでは、自分ができることとできないことをお互いに補い合えるのもいいなと思います。誰かと対話する中で「これ、自分にも吸収できそうだな」と思うことがあって、それを自分の中に取り入れることで成長できるんですよね。

これまでは 正直、人間関係がちょっと苦手で「自分の弱いところを見透かされているんじゃないか」などと考えてしまっていたんです。

でも、対話していく中で「その弱さも認めないと次には進めないな」と気づいたんですよね。指摘されるのも、攻撃されてるわけではなく「こうしたほうがいいよ」と言ってくれてるんだなと、受け止められるようになりました。

ーー今後もチームでの活動を視野に入れてくのでしょうか?

ともやさん:やっぱり一人では見えないことも多いし、できることも限られると思います。だから今は「みんなでやる」ほうに意識が向いていますね。

一緒にやる人を大事にしながら、みんなで楽しく、より良いものを作っていけたらいいなと思っています。

――一人では無理と思えることは“強さ”につながることなのかなと感じました。ありがとうございます。


DANROでは、自然と行動したくなる


――DANRO Autumn はどんな雰囲気でしたか?

ともやさん:全体の雰囲気としては、とても包容力のある場だったと思います。最初に守秘義務の話が共有されていたこともあって「ここなら何を言っても大丈夫」という空気ができていました。

そのおかげで、ポジティブなこともネガティブなことも素直に話せる場になっていたのが、とても良かったなと思います。

卒業後も定期的に会いたいと思える関係性が今も続いています。

ともやさん:僕自身も、Slack(コミュニティツール)で感じたことを殴り書きのようにバーッと書き込むことができました。普通なら少し気が引けるようなことでも「これをしてもいいんだ」と思える環境だったのが本当にありがたかったです。

――「何を話してもいい」というのはやはりDANRO参加者の方の共通意見ですね!参加者の方の印象はいかがでしたか?

ともやさん:今回の参加者の方々は、自分らしくありたいけれど、何かの理由でそれが難しい人や、自分らしさを探している途中の方が多かった印象があります。

参加して感じたのは、ファシリテーターの方に似た雰囲気の参加者が集まることが多いのかもしれないということです。今回のファシリテーターである久美子さんも、きっとご自身の中でたくさんの葛藤や努力を重ねてこられた方なんだろうな、という印象を受けました。

ともやさん:笑顔が素敵な方って、その裏でたくさん努力をされたり、悩まれたりしてきた方が多い気がしています。それを思うと今回の「Be Water Be Wild」というテーマも、久美子さんの生き方や価値観が反映された隠れたスローガンなのかもしれないな、と感じました。

――ファシリテーターの方によって内容も変わるので、何か引き寄せられるものがあるのかもしれないですね。では最後に、ともやさんにとってDANROとはどんな場所でしょうか?

ともやさん:言語化するのが少し難しいんですけど、Autumnはすごく温かい場所でありながら、不思議と自然に行動したくなる場所だったなと思います。誰かに何か言われたわけでもないのに、落ち着けるし、何かしたくなる。そんな特別な場所だったなと、今こうやって話しながら改めて感じています。

「ちょっと気持ちが落ち着ける場所」という感じかな。DANRO Autumnは日曜日の午前中に開催だったこともあって、平日に忙しく仕事をしている中で、一回立ち止まって、自分らしくいられる時間を持てたような感覚でした。普段は気づけないようなことを感じ、考えたかったことをじっくり考えられる特別な空間だったなと個人的には思っています。

「実は仕事を通じてこういうことを感じていたな」とか「これまでの人生でこんなことを感じていたんだな」といったことに気づく時間でもありました。普段はなかなか意識に上がらないようなことを、落ち着いた環境の中で感じることができたのは、とても貴重だったと感じています。

ーー数々の気づきをともやさんに与えてくれたのが、DANRO Autumnだったのですね。素敵なエピソードをたくさんお聞かせくださり、ありがとうございました!

ともやさんについて

民泊の運営サポートに携わる。これまでDANROのワークショップやイベントに参加し交流を深めてきた。仕事でも「自分のことを話す」ことがこれから重要になると感じ、今回のAutumnに参加。



\実践型対話スクールDANRO Spring体験型説明会開催中/

DANRO公式LINEより、【スクール説明会】とお送りください。


DANROについて

「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型オンライン対話スクール、DANRO CHILDREN、自己を探究するダイアログコミュニティの運営、法人向け対話型組織開発などを行う。その他対話を軸とした事業を展開。
HP / Instagram

▼ 対話スクールDANRO 創業者の想いはこちら

インタビュアー・記事/山中麻衣
「想いをつなぐ」取材・インタビューライター。その他企業と読者をつなぐwebライティングも。公式noteは<こちら>

いいなと思ったら応援しよう!