男性不妊かも?見た目や病歴でわかる特徴もあるという話
前回、男性不妊になりやすい人の特徴の中でも、わかりやすい7つをご紹介してきましたが、ここからはもう少し細かく見ていきたいと思います。
もちろん、絶対ではなく、傾向として強い程度です。
睾丸・金玉が小さい
精巣の長さが平均的なサイズ4cmと比べて短い場合可能性はあります。
精巣は成長するにつれて当然大きくなっていくのですが、十分な大きさにならないと自然妊娠に必要な精子を作りにくくなってしまいます。つまりそれが男性不妊の原因となります。
精巣がもし3㎝以下だった場合、精巣機能が低下している可能性はありますので、一度検査をしてみるべきでしょう。
精子数が少なくなっていたり、場合によっては無精子症になることもあります。ちなみに無精子症は男性100人に1人の割合です。
左右の精巣の大きさや触り心地が違う
最もわかりやすいお風呂上りに、裸で立った状態で調べてみてください。
ダランっとなっている状態の陰嚢が左右で大きさが違っていたり、表面の触り心地が違ったりしていませんか?
もし違いがあると思ったら精索静脈瘤の可能性があります。
表面の違いというのは、ゴツゴツしていたり、蛇のような血管が浮き出ていたりという状態です。
この精索静脈瘤は厄介でして、男性不妊患者の4割に見られ、アメリカでは真っ先に精索静脈瘤かどうかの検査が行われるほどです。
ちなみに二人目不妊の8割はこの精索静脈瘤が原因とされています。無視できない数字ですよね?
精索静脈瘤については後日まとめる予定です。
肛門から陰嚢までの長さが短い
アメリカ、ベイラー医科大学の実験結果によるものです。
Michael Eisenberg氏らは、97人の不妊男性と75人の正常男性のAGDを比較したところ、前者の平均値±標準偏差が31.8±11.3ミリメートルだったのに対し、後者の平均値±標準偏差は44.6±14.1ミリメートルでした。この差が不妊と関係なく、偶然に起こりうる確率(P値)は100分の1以下と、統計学的にも有意な差とのことです。そして、人種の差やその他、身長、体重、ホルモン量などの生理学的差を補正しても、AGDは、男性の不妊性と有意に相関した。
要は肛門から陰嚢付根までの距離が短い場合、精子の質が悪く、精子数の低下を招くリスクが7.3倍にもなるというものです。
長さ39.7mm以上で安心とあります。
ちょっと計測しにくいですが、不安であれば一度見てみるといいでしょう。
精液の量が少なく感じる
日本人の一般的精液量は2ml程度です。たったの2mlです。AVなどの見すぎでもっとドバッっと出ると思っているかもしれませんが、現実にはこの程度になります。
精子は肉眼では見えませんので、精液と精子は別物なのですが、比較的比例していると言われていて、2mlより精液が少ない場合は精子量も少ない傾向があります。
その場合、精子の数が最低基準に達していないことが多く、妊娠率はかなり厳しいものとなります。
精液の色の変化で男性不妊とわかるのか?
精液の色が普段と違うことで心配し、悩んでいる男性もいることでしょう。
色が赤や黄色、茶色だからと言って精子に異常があって男性不妊か?というと必ずしもそうではありません。それどころか不妊に繋がらない場合がほとんどです。
あなたの病歴からわかる男性不妊
一部の病気が原因で男性不妊になるケースがあります。そしてそれは誰でも聞いたことがあり、発症する可能性がある病気です。
特にまだ子供の頃に罹ってしまった場合、その経験を知らないまま大人いなっている場合もありますので、あなたの病歴を家族に聞いてみるのも良い機会かもしれません。
思春期を過ぎてから、おたふく風邪を経験した
思春期以降の話ですが、おたくふ風邪にかかると、睾丸炎になる恐れがあります。その場合、睾丸が腫れて大きくなります。そして精子を作る機能に影響が出てしまうことがあるのです。
睾丸炎から生殖能力の障害に発展するのは10%程度であるとされる報告があります。
幼い頃に鼠径ヘルニアの手術を受けた
実はこれ、結構いらっしゃいます。まずは子供の頃に手術したのかどうか確認が必要です。
鼠径ヘルニアの手術をすることで精管を閉じてしまったり、癒着によって閉じてしまうことがあります。その場合、精子が通れないわけですので、不妊に繋がってしまいます。
手術した人の25%の精管が塞がってしまうというデータがありますので確率は低くありません。
性病になった経験がある
性病はあなたが思っている以上に危険なものです。
自覚症状があまりなく、気づいた頃には家族にうつしてしまっていることが最も危険で愚かです。場合によっては取り返しのつかないことになりかねません。
以前noteでまとめましたが、男性不妊になる可能性がある性病は2つです。放置することで最悪の場合、精子がゼロになります。妊娠どころの話ではないわけです。
生殖機能低下によるもの
勃起不全であるEDや膣内射精障害など、生殖機能の低下による場合も男性不妊の1つになりますが、後述しますが、このEDなどが原因で不妊である男性はほんの極一部です。
男性不妊=EDとイメージする人は多いかもしれませんが、現実はそうではありません。
また男性不妊も年齢の影響を受けるため、なるべく早く原因特定した方が、妊娠の可能性は高まります。
迷っていたり悩んでいるその時間こそ無駄です。行動あるのみです!
その他の男性不妊
男性不妊には生まれつきの先天性と生まれた後の後天性のものがあります。
先天性の男性不妊の原因は、様々な遺伝的要因や、発育段階で受けた影響等で、性機能不全になるものをいいます。
性機能不全とは、性的欲求や性的興奮とその最高潮などが、減退・欠如する状態をいいます。
性機能不全にはこういうものがある
・勃起障害(ED、勃起の状態や持続時間が不十分で性行為が行えない又は不十分な状態)
・早漏(射精が早期に生じ、性行為に満足を得られない)
・オルガスムス障害・遅漏(オルガスムスに達ない、又は時間がかかりすぎ、射精困難で満足が得られない)
後天性の男性不妊の原因は、ストレス、アルコール、喫煙、肥満・糖尿病、病気や薬の影響、精巣の損傷もしくは機能障害、精子の産出あるいは射精に関するトラブルなど様々なものが考えられます。
先天性に関しては決してあなたにも、あたなの家族にも非はありません。後天性に関しても病気での影響の場合は致し方ないものになります。
ただ、その他の多くはご自身の生活スタイルが悪影響を及ぼしているのが事実です。
意外と幼いころの病歴を知らないこともありますので、親に聞いてみるのもいいと思います。原因がわかることとわからないことは大きな差です。