53歳 バツ2男と高校野球(その5)
いよいよ、僕らが中心となって甲子園を目指す新チームが始動した
まず最初の勝負は・・・
夏休み中に行われる公式戦
新チームになっての始めての公式戦だ
新人戦と言ってもいいだろう
でも意味合い的には、秋に行われる、秋季大会・・・
春のセンバツをかけての地区予選!!!
それに向けての前哨戦となる大会だ
現時点での新チームの力を計るのは勿論のこと
ライバルチームの戦力を分析できる大会でもある
そして何よりも自分がレギュラーとして臨む大会でもある
自ずと気合いが入る!
しかし・・・
この気合が空回りしてしまう
なんと、この大会の1試合目でケガをしてしまうのである・・・
入院を含む全治3週間の大ケガ・・・
試合はおろか、夏休みはほぼ入院生活となってしまった
前回書いた記事で
盗塁や走塁についての自分なりの研究、心掛けなどについて
書いたのだが・・・
この時は裏目に出てしまった
塁に出て3塁まで行ったまではよかったのだが
前回も話した通り・・・
3塁ランナーとしての心持ちは
「ゴロGO!」
とにかく打った打球が地面に着けばホームにスタートをきる
内野が前進守備を敷いていようが関係なくホームを目指す!
しかし、この時は気持ちが前のめりになりすぎていた
バッターが打った瞬間
「よし!ゴロだー!!!」
迷いなくスタートをきった
が・・・打球の転がった先は・・・
ピッチャー・・・
そうピッチャーゴロ
心の中ですぐ「ヤバッ」っと思ったが
もう止まれない
それでも、頭から滑り込んでキャッチャーのブロックを
かわしながら、手だけを滑り込ませてホームベースに
タッチしようとしたが
かわした方向にキャッチャーのブロックも付いてきて
顔面からモロにキャッチャーに激突してしまった
スピードに乗ったままの勢いで頭からキャッチャーのブロックに
突進!!!
かなりの衝撃だったらしく、そのまま気を失ってしまった
気がついた時は病院のベッドの上・・・
まるで、漫画かドラマのような出来事が
自分の身の上に起きるとは・・・
今、思えばちょっと感動(笑)
でもその当時は当然ながら何が起こったのか
判らず、ビビッて動揺して怖かったのを
憶えている
丸3日、頭が動かないように固定された状態で
絶対安静
意識が朦朧とする中、病院の先生から
首の延髄を痛めている・・・と言われた
もう少し衝撃がひどければ、下半身不随になっていた
とも言われた・・・
一気に血の気が引く・・・
「先生・・・野球はできますか?・・・」
恐る恐る、聞く・・・
3週間入院して経過を見よう・・・と言われた
2週間安静にしてしっかり療養
2週間後にもう一度再検査して異常がなければ、大丈夫!
リハビリして行こう・・・と言われたような気がする
(なにせ35年ぐらい前のことなので記憶があいまい・・・)
この後・・・しっかり療養して
検査の結果 異常はなく無事にチームに復帰
幸いにも大事に至らず、事無きをえた
今こうして長い年月を経て思い返してみると
とても恐ろしく思う・・・
もう少し強い衝撃で激突していれば
もしかして車イス生活だったかもしれない
スポーツとケガ・・・常に隣合わせだと思う
野球に限って考えてみても色々なケースがある
デッドボールによる骨折・・・
むき出しになっている指や手首などは、ひとたまりもない
高校生と言えど、エース級ともなれば
ストレートで120㎞~130㎞の速さのボールを投げてくる
しかも硬球・・・(めっちゃ硬い)
それが モロに当たるのだ
今は手袋や肘をガードする防具をつけてもいいが
35年前は全くなかった
(変化球は当たっても大丈夫)
運よく骨が折れなくても、ボッコリ腫れるのは必至
たまにプロ野球でも見かける
頭に当たってしまう危険球は大袈裟ではなく生命の危機・・・
ヘルメットをしていても、かなりの衝撃だ
バッターボックスに立ったことのある人は
分かると思うが、
ピッチャーとの距離は意外と近い
逆にピッチャーもバッターが打った打球が
自分に向かってくる危険性がある
キャッチャーもしかり・・・
キャッチャーが一番ケガが多いポジションかもしれない
あと、走塁中の肉離れや 野手はバッターの打った打球が
イレギュラーして顔面に当たる
なんと言っても一番強烈なのが
金的に当たることだ・・・
あの痛みは・・・悶絶してうずくまるしか
できない、しばらくは動けない
そして自分の相棒はこの衝撃で機能不全になったのでは
ないかと・・・不安で不安で仕方がない
(家に帰って確認作業をして初めて安堵するw)
僕がケガをしてしまったような選手同士の激突プレー
(味方同士もよくある)
いくら「ゴロGO」といってもピッチャーゴロでホームに
帰るなんて暴走もいいとこだ
無茶にも程がある
スタメンに抜擢されたことで
調子に乗っていたのだろう・・・
状況判断が全くできていなかった
気絶していなかったら、ヤンにめちゃめちゃどやされていたに違いない
辛かった1年生の期間をようやく乗り切り
やっと巡ってきた自分達の時代と言うのに・・・
春のセンバツ甲子園大会の予選、秋の秋季大会が火ぶたを切った
仕上がりは順調で着実にチーム力は上がっている
僕はケガをして入院していた分、出遅れ感はあったが
チーム全体としては充実感がみなぎっていた
周囲の僕達に対する期待度が高まってきているのも
肌感覚で伝わってくる
地元の新聞でも、大会前の展望を予想する記事に
優勝候補とされる強豪校と並んで
「面白い存在」として挙げられるほどだ
甲子園への挑戦のチャンスはあと2回
その1回目の戦いが始まった!
周囲の期待を裏切ることなく
危なげなく・・・しかも
圧倒的な強さで
ドドドーーんとベスト8まで勝ち上がった
ここまで全てコールド勝ち!!!
エースのシゲは前評判通りの活躍
更に投球術に磨きがかかり
安定感抜群だ!
強豪校のエース達にもヒケをとらない
4番のノンちゃんも絶好調!!!
警戒される中、甘い球は見逃さない
ここぞ!と言う時の1発は
チームに勢いをつける
エースと4番の2本の柱がしっかりと
チームの軸となっていることが強さの要因なのは間違いない
チーム全体としてもバランスのとれたいい感じにまとまっている
チーム内の雰囲気もよく
自信と笑顔と緊張がうまい具合に混ざり合っている
お互いによく声を掛け合い
𠮟咤激励し
活気に満ち溢れていた
次の対戦あいては・・・
いよいよ来た!優勝候補の一角
ここを倒せば、夢ではなく
現実に優勝がみえてくる!
相手は今大会NO1と言われるピッチャー!
僕が言うまでもなく強敵だ!!!
しかし不思議と全く、気負いとかもなく試合に
臨むことができた
逆に、根拠のない自信に満ち溢れ
「負ける気がしない!」
僕だけじゃなく
メンバーみんな同じ思いだったらしい
試合は序盤からウチの打線が相手NO1ピッチャーを
打ち崩す
周りから観れば予想外の展開だろうが
僕らとしては狙い通りの攻撃
先手必勝!!!
シゲも調子がいい
相手の強力打線を0点に抑える
試合をしているメンバー、ベンチ入りのメンバー
監督、そして応援してくれている
父兄の方々・・・みんな思ったはずだ
「いける! 勝てる!!!」
しかし・・・僕達にはまだ敵がいた
そう・・・天気
朝から、どんよりとした曇り空だった
いつ降ってもおかしくないような
降り始めたのは3回頃からだろうか
最初は緩やか雨だった
途中から、雨との戦いだ
優勝候補に勝っているのだ!
雨天ノーゲームなんて嫌だ
とにかく7回までもってくれ! 7回まで・・・
この時代は雨天コールド試合成立は7回終了
しかし野球の神様は僕達に味方はしてくれなかった・・・
5回頃からは激しくなり、中断、
そして無情にも雨天中止ノーゲーム(不成立)の宣告
再試合が決定・・・がっかり
今はルールが改正され、雨天続行が不可能な場合は
次の日、続きから再開されるようになった
そりゃそうだろう
また新ためて0-0の1回からなんて不公平すぎる
いくら不平不満を口にしようと
35年前の時代だ・・・届くわけもなく
飲み込むしかない
再試合は全く別次元の試合となってしまった
相手のNO1ピッチャーは本来の姿を取り戻し
おまけに気迫が違った
(負け試合がリセットになったのだから、そうなるわな)
チームの勢いも、根拠のない自信も
全部、雨で流れてしまった
全く打てなかった
記憶があいまいだが、確か2-0の完封負け
しかも2安打ぐらいしか打てなかった
そして何よりも残念なのが
このチームの最大のピークがここだったことだ
普通なら新チームの出来立ての大会でここまでやれたことが
自信のなり、経験となり
更に冬のトレーニングのモチベーションとなり
春にはチームがよりたくましく、力強く成長し
メインイベントの夏の大会に全てを高めていくのだが
悲しいことにやっと巡ってきた僕ら中心のチームは
ここがピークで・・・
ここからは・・・チーム力も、モチベーションも
少しずつ下がっていったような気がする
そして
春・・・ついに神様、3年生に進級!!!
いよいよ甲子園に向けてのラストチャンス
高校野球最後の夏へ・・・やったるぞ~!!!
のはずが・・・
えっ・・・監督のヤンが・・・
監督を辞めてしまった
次回へ
今回の刺繡は8作品目
「ボールルームへようこそ」と言う社交ダンスアニメ
社交ダンスなんて経験もないし、興味もなかったのですが
たまたま観た、このアニメの世界観に一気に引き込まれ
魅了されてしまいました
ダンスシーンのリアルさと迫力
女性キャラクターの美しさ
ストーリ展開の面白さ
とても興奮して面白かったです
是非ともご覧ください
そして僕の刺繡動画もついでに観てやってくださいw
僕の刺繡動画
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