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55歳 バツ2男の井原忠政著「足軽仁義」を読んで・・・

井原忠正著「足軽仁義」読了しました

本屋の時代小説コーナーに行くと、この表紙の本がズラリと並んでいる
面白いのだろうな~と思いつつも読めずにいた

この前ブックオフに行ったら、あったので「ラッキー」と
ばかりに購入・・・

久しぶりの時代小説
井原忠正先生の作品は初めて・・・楽しみだ!

足軽・・・ふむふむ・・
この表紙の絵からして、勝手にユーモアに溢れた内容で
面白、おかしく戦国の世を描いているのかなと思った

読み始めてみると、
真正面から戦国時代の生き様を描く大河絵巻だった

一人の農家(百姓)の青年が厳しい経験と苦しみを背負いながらも
成長し成りあがっていく物語・・・のようだ・・・

その1冊目と言うところかな?・・・

なので、この1冊目では、身分の低い立場での
必死の「もがき」がテーマなのだろうか・・・

時代は徳川家康がまだ若い、岡崎城の城主
三河の土地を今川家と争う時代の話

その三河の小さな村で田畑を耕してくらす百姓の青年「茂兵衛」
父を亡くして、病弱の母、妹2人、弟1人を背負う長男だ

病弱の母を看病しながらも畑仕事をして家族をまもっている

弟は、いつも、いじめられ茂兵衛が弟の代わりに仕返しに躍起になる

弟は弱気な性格で、やられ放題・・・
妹は年頃で、何とも目が離せない・・・

茂兵衛は自分が家族を守らねばと、思いが強くなればなるほど
乱暴になり、村人に暴力で対抗するようになる

そのうち、村人には嫌われ、孤立していき
挙句のはてには家族からも疎まれ・・・

弟と一緒に(弟を村に残せばいじめられるので)
村を出なくてはいけなくなる
(弟の仕返しをして、人を殺めてしまう)


そして、村をでてから
茂兵衛の活躍が始まる・・・

村では、ただの乱暴者だが
戦さに出れば、れっきとした戦力として扱われる

はじめて仲間に頼られる嬉しさをしる

戦っている描写が素晴らしい・・・
臨場感があり、読んでいて手に汗にぎる・・・

私が一番、気に入っているところが

主人公の茂兵衛が強くなっていく段階をしっかり丁寧に
描いているところだ

ケンカが強いといっても、村の中で強いと、戦さの中の
命と命をかけた強さは違う

茂兵衛は武人としては弱い、めちゃくちゃに弱い
村で強かった自分は、とてつもなく弱いということ自覚し

ならば、強くなるには、戦で生き残るためには・・・

それを学び、考え、自分なりの答えを導き、突き進む

百姓あがりに、なにができる・・・

そう思われるなか
生死をかけた、戦のなかで、

ただの一番下っ端の

雑魚あつかいの

足軽風情が

一瞬先の死との、隣り合わせの状況で

茂兵衛のウチなる武人としての才能が目覚めていく

いや~面白い・・・
戦いのリアル感たるや
読んでいて必死さが伝わってくる

最初の思った、ユーモアだの、面白、おかしくだの
とんでもない!!!

ひとつの小さな、小さな、戦だとしても
お互いが生き残る戦いであって
死ぬか生きる
殺すか、殺されるか
恐ろしく、厳しい、戦国の世の生き様を感じさせてくれる
1冊でした

表紙の絵の顔をよく見ると、必死の形相だ!

この本では、武人としての地位は低く百姓あがりの足軽でしかない・・・

多分、ここから武将へと成りあがっていくのだろう

茂兵衛の成長の続きが早く読みたい・・・

井原忠正先生、ありがとうございました


福「俺だってケンカは強いぜ!この猛々しい吠え声を聞けワ~ン」






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