55歳 バツ2男の朝井リョウ著「桐島、部活やめるってよ」を読んで
朝井リョウ著「桐島、部活やめるってよ」を読了しました
朝井リョウ先生の作品を初めて読みました・・・
作者の朝井リョウ先生がパーソナリティーを務めるラジオを聴いて
こんなに楽しく、面白いことを言う作家さんは
どんな小説を書くのだろうか?
デビュー当時からとても話題で衝撃だったのを覚えています
この本の題名も、
友達同士の会話で、ぽろっと言っていまったうような言葉が
そのまま題名って感じで不思議に思いましたが
興味を惹かれる題名です
期待を込めワクワクしながら読み始めました
とても良かったです・・・
感動しました・・・17歳の高校生の揺れ動く思春期の心を
見事に描いていて・・・
ぎゅっと胸を締め付けられると言うか・・・
ああ~自分にもあったなこの感覚・・・みたいな
「ダサい・・・」を隠れミノにして素直になれない自分
「責任感と、どうでもいい」の気持ちの狭間で葛藤する自分
瞬時にクラスの中のグループ分けをしてしまう自分、そして自分は
上のグループにはなれないと悟る自分
7編からなる構成で、1編ごとに主人公が違う・・・
2つ目の編でこそ、題名になっている「桐島」を身近の感じる
ストーリーになっているが
あとの編は、遠く、遠くの先にぼんやり「桐島」の存在があるのだが
あまり直接関係があるわけではない・・・
それでも、何かしら「桐島が部活をやめたことに意味を求めている」
そんな雰囲気を感じました
素直になれない、もどかしさをとてもキレイな表現で書かれていて
より、こころの闇を際立たせている、
それでいて、バレーボール、ソフトボールの描写がリアルで
実際に、コートにグラウンドに立っているかのような臨場感は
文字を追いながらアニメを観ているかのようでした
17歳のリアルな青春群像・・・
同じ学ランを、どうしてイケてるヤツらは
あんなにカッコよく着こなすことができるのだろう
体操服さえもカッコよくみえてしまう
その編になった主人公の生徒の心理描写がエグイ・・・
そこが面白いし、納得し共感してしまう
私の頃の高校時代とは環境や雰囲気は違うだろうが・・・
心の中は似たようなモノだったのではないだろうか・・・
期待した、更に上をいく面白さで一気に読みました
朝井リョウ先生
感動をありがとうございました!
次に読む作品も楽しみです・・・
福「俺の青春時代も書いてくれ~」