遅めの修学旅行 Part.2(12月エッセイ①)
こんばんは、土曜の夜ダノです。ずっと働き詰めだったので、休みを取って九州に行ってきました。前回は九州に行くまでだったので、今回は九州に到着してからです。
1.長崎に到着
1時間ほどして長崎空港に到着。田舎の空港って感じで、岡山を思い出す。なんでも、日本初の海上空港らしい。海上空港というのは、文字通り、海の中にある空港。大阪の伊丹空港や福岡の福岡空港とは違うタイプ。愛知にあるセントレアとか東京の羽田空港、大阪の関西国際空港が海上空港にあたる。要するに、テンションが上がる空港だ。陸から離れてるし。
2.中華街
高速バスに乗り、40分ほど経つと新地中華街に到着する。コンクリートジャングルとは違って、煉瓦風の建物が多い。ところどころ欠けてコンクリートが剥き出しになっている部分さえ愛おしい。皿うどんとちゃんぽんが食べたいという願いを叶えるべく、美味しそうなお店を探す。チェーン店でも美味しいことを知っているが、せっかくなら個人でやってる店に行きたいということで、老夫婦がされている店に入る。常連さんしか来てないようなこじんまりとした店。木製のニス(?)がベタベタに塗られた椅子がたまらない。おばあちゃん家で見たようなテーブルクロスの上に手書きのメニューに、筆ペンの値段が躍っている。うちの死んだおばあちゃんの家もこんな感じだったなあとしみじみ。
もちろん注文するのはちゃんぽん麺と皿うどん。10分そこそこで料理が到着した。野菜たっぷりのあんかけに茶色いパリパリの麺が除いている。器に恋した。うちのおばあちゃんもよく使っていた。これにこんもりと唐揚げを作って食べさせてくれたことを思い出す。大盛りにするか迷ったが、普通盛りでも十分満足できそうだ。麺類は基本的にあんまり食べない。苦手だってのもあるけど、ラーメン店とかはカードとかQRコード決済ができないことが多くて、現金嫌いな自分からしたら足が遠のく。久々の細麺。めちゃくちゃ美味しい。優しい味付けで口に餡がいっぱいに広がる。美味しすぎる。今まで麺だからって食わず嫌いしていた自分を戒めたい。ごめんよ自分。
その後は中華街で角煮まんを食べた。東京の角煮よりも味が濃い。角煮はなんでも合いそうなので、中華まんの生地にも合うのだろう。ベストな組み合わせだった。
3.出島
初日に行く予定だった軍艦島上陸ツアークルーズが中止になっていたので、急遽出島へ。出島のイメージは直島みたいに船で行くものだったが、実際には街中にある。簡単に言うと、太秦映画村みたいな感じだ。閑静な住宅街とオフィス街の狭間にこじんまりと存在していた。でも、確かに教科書で載っていた建物らしきものが見える。興味半分怪しさ半分で入場料を払って入る。
建物の中には出島に関わったものだけでなく、江戸や明治期の産物も展示してある。例えば、『蘭学事始』と呼ばれる本は明治2年に製作された。あれ?杉田玄白が関わってないの?という日本史履修者の声が聞こえてきそうだが、玄白の弟子と、これを古本屋で見つけた福澤諭吉が共同で製本したものなので明治期の産物となっているそうだ。確かに、日本史の授業で同じようなエピソードを聞いた。普段は日本史と関わりが少ない学科に居座っているので高校時代までの知識が活かされることは少ないが、こういう時は結構活かされる。頑張ってよかった。他にも、オランダ語教育の橋渡し的役割を担った『蘭学階梯』や、ヤン・ヨーステンでお馴染みの「デ・リーフデ号」が展示してあった。興味深い。オランダってこんな大きな船で日本上陸を果たしたんだとか、プロテスタントだから入国を許されたとか、そういう話ができる。日本史教育の意義って多分、この辺にあるんだろう。ただ、抜けてきている知識もあるし、また一から勉強し直さないといけないとは思った。
4.グラバー邸と大浦天使堂
その後はグラバー邸と大浦天使堂に行った。どちらも長崎市の観光名所になっているから、行ったことがある人もいるかもしれない。向かう途中、雨が降ってきて、相方が傘を持ってなかったこともあり、相合傘をする羽目になったが、まあ、良しとしよう。目の前のカップルの相合傘の光景を見させられると傷を抉られる。喜びをブルーにブリーチされた心が滅入っている。ウルトラマンならピコンピコン鳴っている。
山の上にあるので、その周辺に住んでいる人も使う斜面エレベーターを使って上まで登る。小学校もあり、児童の方と一緒になった。まちづくりに関わってきた身としては傾斜が激しいところにはこのようなエレベーターは必要になってくるし、救急搬送等の緊急事態があっても素早く対応できるから、設置を進めるべきだ。知ってる範囲で、岡山県にはないけど。
すごい綺麗だったし、偉そうに言っていいこともないのだが、何かにつけて宗教関係の商品を売っているのには笑ってしまった。よく分からないパスタとか、クッキーとか。今まで教会に行ったことがなかったので、世間一般の教会がどうなのかは知らないが、絶対こじつけだろ!みたいな商品も散見されて、宗教に関わる人間の欲望と逞しさを感じた。宗教ってすごい。(決して揶揄しているわけでなく、ね。)宗教も訪問勧誘とかきたら多分、笑ってしまう。逞しさに。