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"なる"のはやめて"演じる"ことにした。(12月エッセイ④)

 こんばんは〜。クリスマス4連勤確定&年末年始週5勤務確定、地獄スケジュールと戦闘中のダノです。今回は2021年最後のnoteということで、今年1年を振り返りたいと思います。タイトルも今回ばかりはすぐに降りてきたやつで、本当に言いたいのはこの通りです。

1.理想があって、それに対する努力もした。

 理想の大学生活があった。テニサーに入って、みんなでキャンプとかして、サークルのみんなでカラオケでオールして、、、、みたいなのが私にとっては理想であったし、よく青春映画に出てくるイケメン主人公であれ、その取り巻きである名もなき大学生Aも、それを横目に眺める高校生Bも多分、共通の理想を持っているんだと思う、多分ね。

 もちろん、私自身も、旅行に行ったり、クラスでBBQに行くのにわざわざ呼んでいただいたりと、大学に馴染めていないながらも友達はいてくれているらしい。授業後には、クラスの親しい方々とご飯に行ったこともあるし、公園でお菓子を持ち寄ってワイワイおしゃべりをしたこともある。BBQでは、あまり会話が得意ではない分、写真を撮る際にしっかりとカメラを提供し、iPhone11 Proユーザーとしての能力をいかんなく発揮した。インスタにもなるべく楽しそうな”映え写真”を載せることを心がけ、インキャに思われないように徹してきた。そんなこんなで、青春映画の1テイクになる理想に近づく努力はしてきた。

 そして、理想の仕事像もあった。ずっとやりたかった仕事を2つもした。1つはスタバのPTRの仕事。もう1つは金融関係の仕事。社会には尊い仕事で溢れているし、缶コーヒーのCMにもあるように、「この世界は誰かの仕事でできている」ので、素晴らしいと思うが、私は特にこの2つの仕事がやりたかったので、なんとか頑張ってきた。PTRの仕事も、金融の仕事も、どちらもカッコ良さそう、そこで働いている自分かっこいいくらいの浅い理由で始めたし、それが今でも原動力になっている。地方出身者にとっては、スタバPTRというのはキラキラ大学生の代名詞のようなものであった。そのため、スタバに受かりたい気持ちが強く、就職活動か!というくらいの店舗数を受け、しっかりと落ち、結局今の店舗に受け入れてもらった。働けるのが嬉しいあまり、シフトを正社員くらいに提出し、ほぼ毎日入り、クローズ7連勤までしっかりとこなしてきた。毎日顔を合わすお客さんの注文を覚えてにっこりされたこともある。

2.仕事は充実。ただ、理想と完全な一致は無理。

 先ほど書いたように、仕事面の充実の方が大きかった。スタバ勤務クローズ要員D役と某金融機関インターンA役を半年ほどしっかりと務め上げ、その金融機関に至ってはIPO(新規株式)公開とそれに伴う東証マザーズ上場という今後経験できるか分からないような貴重な瞬間に立ち会うことができた。アカデミー賞ものである。かたや、帰りの終電で友達のインスタに上がったキラキラ大学生活ストーリーを見ながらため息を漏らしたり、夜中2時くらいに「あれ、何やってんだ自分」と感情なき涙で枕を濡らしたりといったような生活も送ってきたわけである。

 ただ、声を大にして言いたいのは、決して仕事しかなかったわけではなく、仕事&noteと学生生活を天秤にかけたとき、前者のやりがいの分銅の方が少しばかり多いだけである。これは言っておきたい。

 昔は、スタバPTRになったら自分がキラキラ大学生になれる気がしていたので、その通りにやってきたが、どうも違うらしい。それもそのはず。地方と比較してメトロポリス東京は店舗数が非常に多いし、その分PTRの数も多いからレアキャラ感が薄い。勝手にキラキラ大学生にはしてもらえないのだ。以前、情報処理のプレゼンでスタバの魅力について声高々にドヤ顔でプレゼンした後に、私に「やりがいはありますか?」と質問してくださり、「自分の作ったドリンクをインスタに載せてもらえるとやりがいを感じます」とPTRの鏡のような回答をした相手がいる。その彼女に、自分よりも輝いているその慶應ガールに、「私も実はPTRなんです」と言われた際は狼狽するしかなかった。その日、スタバの株価は下がった。

 さらに、理想とのずれにも悩んだ。それは接客が得意な方々が多い仕事の中で、それが苦手なことである。というのも、元来、事務の仕事ばかりしてきた。生徒会でも事務の統括役をやらせてもらえたくらい、事務処理能力は高いと自負している。そのため、人の前に立って何かするという経験はなく、自分の作ったドリンクやフラペチーノがインスタに載ることなんて初めての経験である。結果、顔がこわばり、笑顔が消え、マガオペレーションが完成される。困ったもんだ。キラキラ大学生になろうと無理をするからこうなってしまう。最近は徐々に仕事にも慣れ、笑顔を見せることも増えたが、いまだに完全な笑顔は難しい。 

3.適正と演じることの話

 そんな中、当時の時間帯責任者にこう言われた。

 「いいか、演じるんだよ」

 なるほど、演じれば良いわけか。多分、その上司は私が接客が苦手なことも、理想のPTR像と乖離があることも知っている上でその発言をしたんだと思う。

 人には向き不向き、いわゆる”適正”があって、それを努力っていう浅い言葉でどうにかしろってのは到底無理だろうし、そんなことにかける時間がもったいない。小学校の頃(中学校の頃も)、読書感想文や税の作文等のいわゆる書き仕事は得意だったが、その反面絵画的センスが全くと言って良いほどなかったので、母親に美術の宿題をしてもらっていた。金融の仕事は(コンプラ的に詳しくは言えないのだが、)主にデータの分析をしたり、関係サイトの記事を書いたりすることが大半なのだが、こっちの方が全然疲れる具合が違う。前者は精神的な疲れが大きいが、後者は肉体的な疲れ(PCカチカチの指の疲れとか)の方が大きい。

 決して、スタバの仕事が好きなんじゃなくて、別にこの仕事が嫌いなわけでもなく、辞めたいわけでもないし、続けたいとは思っているけど、向いていないなって話だ。理想とのギャップというか。そんなときに上司にこう言われて肩の荷は降りたし、私は理想に”なる”ことや”近づく”ことを止めようと思った。ただただ、これからも、エプロンをつけるその時間だけ、理想のPTR E役を演じることにしたのである。

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