『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン』インタビュー(3)
▼仮面の男
ー ディオスが正体を現す前のあれについてお聞かせ下さい。ギャグキャラとか鍋仮面などと言われた彼ですが。あれは何故ああいう見た目になったんでしょうか。
G:あれはジョージ秋山さんの漫画『デロリンマン』に出るオロカメンのイメージです。
もともとGBの映像表現には限界があるので、仮面やマントといってもあんな感じになる。言う事が厭世的なのであの見た目を選びました。
「オロカモノメ!」まで言わせたのに、このキャラはオロカメンみたいじゃないかという声が聞こえなかった。むしろ、聞きたかった(下方、デロリンマンのネタバレあり 注1)。
G:なりダンX(クロス)でイケメンになって良かったです。
▼演劇
ー ボエボエの最後の台詞は違う方法をとったそうですね。
G:はじめは普通に書いていたのですが、訴える感情に不足がある気がしたのでアドリブで実際に言葉にする事を考えました。打鍵が追い付かない事も分かっていましたので、芝居の稽古場で録音したものが最後の台詞のベースになりました。ゲームに収録したものよりさらに長い。シャイロック(注2)も意識した感じで。
ー バニーハンターディオの前にも長い台詞がありますね。
G:あれは普通に書きましたよ。まあ、テンション普通じゃないけれど。
ー 稽古場と言いますと?
G:使用料が安いので公民館みたいなところで。カラオケ店で稽古する事もしばしばあって、それが彼と彼女の喧嘩という内容でした。台本を持つと片手が塞がるのを嫌う人がいて実際僕もそれ派なんですが、その練習をしていた男女の様子を見て店員さんが扉の外に来てしまった。
それで僕が台本をひらひら見せて、お芝居ですお芝居ですみたいな。
ー たのまれごとの中に役者をやるものがありますね。
G:あれはナレーターがうるさすぎる。それと、どこまで要求がエスカレートするかが笑いのポイントなのでいっそ課題となる芝居にランダムを入れればよかった。
ー さらに鬼になります。
(注1)
デロリンマンの前にしばしば現れて厭世的な事を言う怪人オロカメン。しかし、家族が見てもデロリンマンが宙に向かって独り言を言っているようにしか思わない。そして、対決めいた展開があってデロリンマンがオロカメンの仮面を割ると、そこには自分の顔がある。
(注2)
シェイクスピア『ヴェニスの商人』