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禍福は糾える縄の如し(お金編)

本当に運が悪い。
いや、もちろん全ては結局自分の選択だし自己責任、それは分かっている。分かっていても辛くなる時がある。

数年前、社内Slackでは暴言が飛び交っていた。
ゴミが落ちてたとかエアコンが切られてなかったとか些細なことをお互いが監視し合い、汚い言葉で指摘し合う。そもそもそんな小さなことには腹も立てずに気付いたら自分で処理する、そんな人間の方が評価されるべきなのに、まるで指摘した者勝ちかのような、指摘した者だけが他者のミスに気付ける優秀な人間なんだと言わんばかりの、そんな状態。

ある日、あまりに続くそんな状態に腹が立って返信した。僕ではない人が責められてる内容で、

○○をしてください、○○を忘れないでください、○○くらいなんで出来ないんですか?以上。

みたいな内容。腹も立っていたので、
そんな小さなことばかり指摘し合うのはやめませんか?自分で処理出来ないんですか?なんで仕事なのに綺麗な言葉使いで話せないんですか?以上。

みたいな返しをした。そしたら炎上した。
周りの人達はどんな暴言を吐いても炎上しなかったのに。
僕だって本当はそんなことしたくなかった気持ちも大きい。人の嫌な所なんて指摘せずにスルーした方が楽。心からそう思うし、腹も立っていたけどそれでも送信ボタンを押す時に送りたくなくて何度も深呼吸をした。でも、これは仕事だから、誰かが正さないといけないから、と意を決して送ったわけだ。

炎上はしたものの、暴言はある程度おさまったようで(伝聞系なのはスラックから外されたから。見てストレスが溜まるなら見なくていいという配慮らしい)、正直僕は契約更改の時は期待すらあった。言いにくいことを言ってくれてありがとう。そんな得難い人材は給与を上げよう、と。

現実はそんなに甘くなく、役職を外され月5万給与を減らされた。
そうか、そういう職場だったのか、と本当に、本当に落胆した。


ただ落胆しただけでなく、正直5万減らされては月々の生活費がカツカツで、下手するとマイナスだった。
僕はずっとコツコツ株式投資をやっていて、無理の無いコツコツ投資では本当に僅かずつながら堅実に資産を増やしていた。
あまりに落胆していた僕は、ここからは信用取引に手を出して、大幅に儲けてやろう。むしろこのマイナスをプラスに変えてやろう、と思った。

これが大失敗。コツコツ儲ければいいや、というマインドの投資と、短期で大きく儲けようという投資はまるで違った。今まで20年間、親の助けも何も無いまま、日々我慢して我慢してコツコツ貯めた資産を1年近くでほぼ全部溶かしてしまった。

結局職場に泣きつき週6働く代わりに給与を5万増やしてもらい元の生活を出来るようになった。
負けで終わってられない、これは経験値だ、と株式投資は相変わらず続けていたが、なかなか上手にならず苦しい日々。
貯金もずっとギリギリだった。


そんなある日、ボーナスが200万入っていた。
普段のボーナスは30万くらいなのに。10年以上働いた人に特別ボーナスを出すようなことは聞いていたが、想像を超えるボーナスに、ようやく少しは生計を立て直せるかもしれない、と希望を抱いた。

100万は投資に回して、50万は貯金して、50万はフリー、いや、たまには10万くらいは自分のために使ってあげてもいいのでは?服ももう何年買ってないだろうか?贅沢な食事もたまにはあり?なーんて考えてワクワクしていたものだ。

そう、つまり、普段は買えてない量の株を買ってしまっていたわけだ。
そんな所に来る歴史的株価の大暴落。
信用取引も使っている僕はモロに大打撃を喰らってしまった。とは言ってもボーナスの200万がまるまるなくなった程度ではあるが・・・。
15年以上勤めて初めてもらった大金のタイミングと、何十年かの株式市場の中で歴史に残る大暴落がほとんど同じタイミングで来るなんて、そんなことがあっていいのか。
そもそも信用取引していなければこんなことには・・・。
何もかも、何もかもが上手くいかないんだな、この人生は、と改めて思い知らされる結果となった。

それでも借金を背負ったわけでもないし、株はまたこれをバネに上手くなって取り返せばいいんだ、などと考えてしまっている自分もいる。
こんな不幸なまま終われるわけないだろう?
生き残ったんだからここから再起していかないと、と。
どこまでも、どこまでもポジティブなのだ。
そうでなければここまで生きてこられていなかっただろうから。
でも、そのせいで人に絶交されるんだろうな、とも思う。
その話はまた次回、人間関係編で。

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