「夜間熱中症」の原因にも。夜に部屋が暑くなるワケを解説&気をつけたいコトをご紹介! 【断熱先生のダンネツノートvol.7】
みなさん、こんにちは。まだまだ暑い日が続いていますね。昼はもちろん暑いのですが、夜のほうが苦しいという人、実は多いのではないでしょうか。蒸し暑くて寝苦しい、疲れがとれない、睡眠不足が続いている、なんて人も多いことでしょう。それにしても、夜の家が暑く感じるのはどうしてなのでしょうか? 今回はその理由と対策についてご紹介していきましょう。
気温30度以上の夜は「超熱帯夜」。知らず知らずの「夜間熱中症」に要注意!
先日、日本気象協会が「最高気温が40℃以上の日」のことを「酷暑日(こくしょび)」、「最低気温30℃以上の夜」のことを「超熱帯夜(ちょうねったいや)」と決めたと発表しましたね。
最高気温が40℃超えの日、30℃超えの夜……、いずれも経験したくない過酷な暑さです。聞くだけでげんなりしてしまいますが、最近の暑さを考えると、そんな日も当たり前になってしまうかもと思わずにはいられません。
近ごろの暑さや節電の呼びかけの影響もあってか、断熱についての関心は高まっています。ニュースでも暑さ対策に「窓の断熱が効果的」、「シェードがいい」とご紹介いただくことも増えてきています。窓や住まいの断熱、遮熱について知っていただけるのはうれしい一方で、ここまで暑くなってしまうと、ちょっと複雑な気持ちです。
暑い日のなかでも、特に過ごしにくいのが夜間ですよね。前にもお伝えしましたが、やはり夜に怖いのは「夜間熱中症」です。実は昼と夜間では、熱中症死亡者数はあまり変わらないという事実もあるんです。
でも、太陽が出ている日中に暑さでというのはわかりますが、夜中の部屋で暑くなるのって不思議ですよね。どうして夜間熱中症が起きてしまうのでしょうか。これには住まいの断熱、遮熱、通風などの構造が大きく影響しています。夜、「寝苦しいな」という人はぜひ、思い当たるところがないか一緒にチェックしてみましょう!
どうして、夜なのに部屋が暑くなる?実は日中の日ざしに原因があるんです
そもそもですが、夜になって気温がさがり、風がでてくれば気温がさがり、ぐっと過ごしやすくなる・・・と思いますよね。ところが、夜になって自宅に帰り、玄関ドアをあけると室内からこもった熱気が「お出迎え」してくれるなんてこと、ありませんか? 特に西日が入る部屋だと、昼と同じくらい夜間が暑いなんてこともあるんです。
夜、家のなかが暑くなってしまう理由としては、①日中の日ざしによって天井や壁に蓄えられた熱が徐々に室内に伝わり、部屋が熱くなっていること、②防犯上、窓を締めきっている場合空気の流れが生まれず室温がさがりにくいことの2つがあります。さらに、睡眠中は水分を補給しないため、汗での排出のみで脱水症状になりやすいのです。
ですので、いくら外の気温が下がったとしても、家の中がなかなか涼しくならない、エアコンを切ると途端に暑い、という現象になってしまうんですね。また、夜、眠っている間は体調の異常があっても気づきにくいともいわれていて、夜間熱中症につながってしまうことがあるのです。
室内の「夜間熱中症」はこれで防ごう!5つの気をつけたいコト
その① 室温28℃以下をキープ
ポイントは「室温」であることです。エアコンの設定温度は28℃以下でも、お部屋の状況によっては室温がそれより高いという場合もあります。なので、こまめに温度計を確認しながら、エアコンの設定温度を調整することが大切です。
その② 湿度は40~60%を目安に
乾燥する冬は加湿器を使ったりと気にされる方も多い湿度、実は熱中症対策としてもとても大切です。夏場は冬と逆で、湿度が高いと要注意です。室温28℃であっても、湿度が71%以上になると熱中症の厳重警戒レベルと言われています。忘れがちなポイントなので、こまめにチェックして調整を忘れないように気をつけたいですね。
その③ 日ざしは窓の外側で遮る
カーテンで日ざしを遮っても、実は窓の内側、つまり室内には熱が入ってきてしまっています。このダンネツノートでもご紹介をしたことがありますが、日よけやグリーンカーテンなどを使い、「窓の外側」で日ざしをカットするのがポイントです。
その④ 部屋の空気を循環させる
空気は冷たい方が重く、暖かい方が軽いです。ですので、エアコンで冷やした空気は床の近くに集まり、上の方が暑くなってしまうのです。なので、扇風機やサーキュレーターを併用して、空気を循環させることで、室内を快適に保つことができます。
その⑤ 水分をこまめに補給
屋外ではこまめに気をつけていても、室内にいると忘れがちなのが水分補給です。室内にいると、のどの渇きを感じにくいこともありますので、こまめに水分を取るようにしましょう!
詳しくは、TOSTEM MAGAZINEでご紹介していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね!
遮熱や通風に 住まいの向きにあわせて遮熱や通風の対策を
気をつけたいコトのその③について詳しく説明したいと思います!住まいが南向き、西向きで、日差しがたっぷりはいる場合は、特に「遮熱対策」が重要になります。LIXILだと「スタイルシェード」「オーニング」などの日よけで、夏の強烈な日差しや輻射熱が入ってこないよう、調整するのがいちばんよいと思います。その代わり、冬は天然の暖房になるわけですから、上手に取り入れたいですよね。
また、通風も大切です。室内に「空気の対流」がうまれ、自然に放熱できるようになります。例えば、玄関ドアを防犯に配慮しながら風を通す「採風ドア」にすることで、1階の玄関と高いところの窓から風が抜けるようにするのがよいでしょう。すると風が吹いていないときでも、下から上まで風がそよそよと通り、室内の熱がこもりにくくなります。
今まで、日本の住まいは断熱性にすぐれていないとお話してきましたが、「遮熱」については、あまり馴染みがないこともあり、もう少し先に解説しようと考えていました。ですが、ここまで暑いと遮熱と断熱の違いについてしっかり理解して家づくりやリフォームをしないと、「夏暑くて、熱が逃げにくい住まい」になってしまいます。遮熱と断熱の違いを知って、快適な住まいづくりをしてくださいね。
また、住まいの省エネについて関心を持たれたという人、遮熱や断熱について興味を持ったという方がいたらぜひ、弊社の住まいStudioへ遊びに来てください(完全予約制)。実物にふれながら解説するので、よりわかりやすく、楽しんで理解していただけると思います。
今後も、様々な情報をお届けする予定ですので、もし良かったらフォローいただけたら嬉しいです!
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