#37 岩手県紫波町でのディープな3日間滞在記(の前編)
6/27(木)〜6/29(土)の3日間、公民連携といえばオガール、オガールといえば紫波町ということで、公民連携では知らない人のいないオガールのある岩手県紫波町に行ってきたので、今回はその滞在記(インプットしたことのアウトプット)的なものを綴っていこうかと。
3日間の中身があまりにも濃厚すぎて、どう考えても長くなりそうなので前編と後編の2回に分けてまとめてみることにしたい。(その前編)
で今回、紫波町を訪れたのは(一財)地域活性化センターという団体が主催する「地方創生実践塾 in 岩手県紫波町」という3日間のカリキュラムが組まれたセミナーに参加するため。
僕はこの地方創生実践塾というセミナーは初見だったのだが、紫波町では何と7年連続で開催されているらしい!
4月頃、紫波町役場で企画総務部長をされている鎌田さんのFacebookでその存在を知ったのだが、その内容や顔ぶれの豪華さをみて食指が動かずにいられなかったのと、鎌田さんから何となく「おいで」呼ばれてるような気がして、何のためらいもなく参加申込みをしてみたという訳だ(笑)
ちなみに2日目に登壇された岡崎さんからは、ギャラが一切上がらないどころか、割かれる時間はどんどん増えるデフレ塾とディスられていたが、参加費は1万円ポッキリと破格な金額だ(笑)
振り込みが完了するまで、桁が1コ少ないんじゃないかと、ずっと半信半疑のままだったが、後追いで請求されなかったので間違ってはないようだ(笑)
さて、今回参加したのは講師陣の顔ぶれがすごい人たちばっかりで、純粋に受講生として話を聴いてみたいというのはもちろんだが、スピーカーとしても第一人者の方たちがどんなプレゼンをするのか、そのテクニックも知りたいというのも裏テーマとしてあった。
あと昨年にも僕は紫波町を訪れているのだが、その時、紫波町役場の人たちの組織やまちに対するエンゲージメントの高さにビックリしたのと、そんな人材(それも大勢)をどうやって育成されているのかを探ってみたかったというのがもう一つの裏テーマ。
表も裏も吸収したい内容がてんこ盛りだったのだが、僕なりに感じたこと、感銘を受けたことなどを、初日のカリキュラムから順に、綴っていくこととしたい。
オリエンテーション
今回の参加者は40名ほどであったが、そのうち何人かは旧知の知り合いの方も混じっていて、久しぶりの再会もあり嬉しい場面も。
とはいえ、大半の方は初対面ということで、初日の1コマ目は参加者同士のコミュニケーションを深めるためオリエンテーションが組まれていた。
自己紹介タイムなどを中心としたプログラムであったが、塾長役の鎌田さんと全体のファシリテーターを務められていた宮崎さんとによる、軽快で愉しい進行によって、会場の硬さは徐々に取れていった。
さすが、オガールの整備にあたって町民説明会を100回行い、ワークショップなどで町民とコミュニケーションをとっていった方たちのファシリ力は半端ない!
オガール整備にあたってのワークショップでは、来た人のメリットをどう感じてもらえるか?ということに注力し、参加者に「あなたのメリット必ず実現します」と伝えていたそうだ。
ワークショップが行政への単なる要望合戦や、お花畑の会議にならないような仕掛けが練られていて、公民連携は黒船と揶揄されながら、繰り返し繰り返し行っていったプロセスは驚嘆でしかないが、そんな一面をこのオリエンテーションに垣間見れたような気がした。
鎌田さんと宮崎さんの進行に引き込まれた、愉しいオリエンテーションであった。
鎌田千市さん講義「まちの未来をデザインする」
オリエンテーションに続いては、オガールプロジェクトを岡崎さんと共に走らせ、行政側の立場で公民連携事業として進めていった鎌田さんのお話。
公務員である僕と、立ち位置的には近しい立場なのだが、その圧倒的な経験値と人間力が半端なく高く、全国の公務員の中で、僕が最もリスペクトしている一人でもある。
オガールのこと、日詰のこと、小学校の跡地活用のことなど、話の最初から最後まで引き込まれる内容で、説得力が半端ない。
その説得力がどこから来ているのかというと、人任せにするのではなく、全て当事者としてプロジェクトに真正面から取り組んできたという経験値なのだろう。
また、これだけのキャリアも持ってして、さらに貪欲に学び続けているということが、話の端々に感じられる。
公民連携事業に対する造詣が半端なく高く、周りの人たちとの関わり力、紫波の未来に対する構想力、人の育て方、地元を想う愛情、そして東洋大大学院で先輩後輩が逆転したとはいえ岡崎さんの2コ先輩という立場、どれをとってもかないっこない方だ。
話のテンポやリズム、間の取り方、笑いのツボなど、スピーカーとしても学ぶ点が多々あって、鎌田さんと3日間一緒にいられたことだけでも、ここに来た甲斐があったように思う。
フィールドワーク「日詰商店街さんぽ」
座学の後は、フィールドワークとしてオガールから1km少々離れた紫波町の中心部、日詰商店街まで歩いて行き、今回ファシリテーターを務めてくれた宮崎さんに、日詰のまちを案内いただいた。
案内役の宮崎さんを質問攻めにしながらのウォーキングで、日詰の商店街が少しづづ新陳代謝をしながら、新しいものと古いものが混在している様子が見えてくる非常に有意義なまち散歩だった。
しかし、地元の人でもないのに、なんでこんなに紫波の人たちのことを知ってるんだろう?っていうくらい道ゆく人たちと会話を弾ませる宮崎さん。
こういう関係性を持った人がいるっていうのも紫波の強さなのかもしれないと思いながら、人と人との関係性の大切さを改めて再確認したような気がした。
その後、場所を移して、旧庁舎の敷地活用プロジェクトである「ひづめゆ」へ。
こちらはオガールへ移転した旧庁舎の敷地を事業用定期借地にし、2年前にオープンした民間開発の物件。
中身のコンテンツは温浴施設+サウナ、シードルの醸造所、コンビニなどの複合施設、といってもその全てが上質な空間と共に混在している超イケてる場所で、コンセプトは「まちをかませ、紫波をわかせ」だそうだ。
コンセプトだけでワクワクしてくる。
そして、隣に建つ文化財登録されている旧郡役場も利活用が予定されているそうで、まだまだエリアとしての価値が高まっていきそうで、これから先も目が離せない。
定期借地や旧庁舎解体費の負担などの事業手法もヒントにしつつ、こんな場所を自分たちのまちでも創りたいなという気分が高まる中、まち歩きでクタクタになった体にエナジー注入のため、まずは絶品のシードルで一息つく。
(シードルが美味しすぎて写真撮るの忘れてた(笑)ちなみにこの後は酔っ払いモードに突入するので、ほとんど写真撮ってない・・・)
さて、ここからの案内役は、紫波町役場の職員で、熱波師の資格をも持つ須川さんにバトンタッチ。
実は日詰の夜を楽しむ初日のコースは3つに分かれていたのだが、ひづめゆに入浴するというコースを選択したのは、アテンド役が熱波師(&唎酒師)の須川さんだったため。
須川さんのことは後編に詳しく書くとして、須川さんと一緒にお風呂に入る機会が持てるということで、ついでにサ道のイロハも教えてもらいつつ、サウナで念願の熱波も浴びせてもらった。
ちなみに熱波用のタオルは持ってきてなかったようで、バタバタと仰がれたのは腰に巻いていたタオルだった(笑)
腰タオルはともかくサウナ初心者の僕にとって、この体験は非常にありがたく、何となくサウナの気持ち良さも感じれたような気がした。
ちなみに須川さんが教えてくれたのだが、熱波師の実技試験はオンラインだったとのこと(笑)
オンラインで実技試験ってどないやねん?とツッコミ満載であったが、Zoomで実技試験をやってしまうという熱波師という資格の懐の深さを感じさせられた(笑)
ひずめゆを後にしてからは日詰商店街の中の中華料理屋(のような焼肉屋w)さんで懇親会(一次会)。
その後は千鳥足でオガールまで帰って、オガール広場での二次会。
よくよく考えてみると役場の目の前の公有地で、夜遅くまでオッサンたちがたむろして(しかもド平日の深夜近くまで)酒を飲んでても、誰からも咎められない広場というのはここだけかもしれない(笑)
そういう意味でもオガールは恐るべしである。
本当はここに書けないようなこともたくさんあったオガール初日。
前編はここまでとして2日目以降は後編をお楽しみに。