結局好きになっちゃう。
この前「人の良いところを見つけるのが上手いですね」と
ある人に言われた。
1年前、通っている点字図書館で部署異動があり、
指導係の人が交代した。
それまで教えてくれていた方は、物静かな年上の女性で、手取り足取りサポートしてくれた。いつも無理をしていないかを気にかけてくれた。
学生時代、厳しい先輩にしごかれたり、パートでおつぼねいびりにあったりして、年上の指導者に恐怖感を覚えていた中で、はじめてこころを許せて安心して何でも相談できる先輩だった。
おかげで何不自由なく作業に集中できた。
そんな中での指導係の交代に気持ちは揺れた。
新しい指導係の人は、入って1年目の年下の女の子。静かな点字図書館の中では少し珍しい派手な見た目と大きな声で笑う人だった。
誰ともフランクに話せて、上司にもタメ口を使うような彼女に対して
最初は抵抗があった。
これから、やっていけるかな。最悪やめてしまうかも。
そう考えていた。
それから、1年。わたしは作業をほとんど1人で出来るようになっていたので、指導係の彼女とはあまり接点がないまま、当たり障りなく接していた。
そんな中で、少しずつ彼女に対しての見方が変わってきた。
誰にでもタメ口なわけではなくて、相手によって言葉を選んでいるところ。
人と仲良くなるのが上手で円滑なコミュニケーションが図れること。
特に、彼女が入ってから新しく改革されたシステムがいろいろとあって、いつもよく思いつくなぁと思う発想力で、より作業がしやすい仕組みを作っていった。
若くて何も知らないように思っていた印象から、実は仕事ができて周りをよく見れている人なのかもしれないと思うようになった。
彼女がフランクなおかげで会話や作業がはかどる。
勝手な印象で誤解していたかもしれない。
色々と新しい取り組みをして、仕事量も増えただろうしきっと大変なんじゃないかなと思っていた。
それが、意外と逆だったようで。
もう一通り(改革を)やり終えて、同じことばかりするのも飽きてきたので、辞めるかもしれませんと言っていた。
まさかそうくるとは。
わたしからしたら、色々と新しいことを取り入れるのは大変だろうし、よく頑張れるなと思っていたのが、彼女にとってはそれがやりがいで楽しいようすだった。
若さや彼女の性格からくるものなのかもしれない。
何が言いたいのかと言うと、わたしは最初苦手だなと思っている人でも、
関わっていると色んな側面に触れたり、情もわいてきて、結局はいつも好きになってしまうのだ。
そうして、別れがくると名残惜しくなる。
むしろ、ちょっと苦手なくらいの方が相手のことを知ろうとして、より詳しくなる。そういうところがあるなと気づいた。
気の合う人とは独特の間合いやお互いの波長で交わり合うし、例えそうでない相手とでも良いところを見つけて尊敬できる。
そんな自分の長所に気づけた1日だった。
* 昨日カフェで読んだ本に、自分を褒めて自身と仲良くなろうと書いてあったので、早速それをしてみた。