現実を飛び越えた世界で得られるもの

　わたしが漫画を読み始めたのは小学校低学年の頃。それからずっと、漫画を読んでいます。むかしは、本屋で買って読んでいました。休みの日には友達とチャリをとばし、家から少し離れた立ち読み自由なＴＳＵＴＡＹＡに行き一日中読んでいました。大学に入る前に、沢山あった漫画を一度処分しました。いつまでも漫画を読んでいてはいけない、漫画は子供が読むものだと思っていたからです。でも、大学に入ってからも時々本屋で衝動買いして読んでいました。その後、漫画レンタルというサービスが始まり抑えていた漫画欲が爆発し、大人になった今でも読んでいます。

今回のお題は「好き」ではなく「構成する」という所が難しいです。色々と頭を捻りながら５つ選んでみました。

①HUNTER×HUNTER　冨樫義博

　不気味面白さのある漫画だと思っています。序盤は、主人公と友達になる暗殺一家に生まれた「キルア」の、常軌を脱した残虐さや、寂しさに惹きつけられました。でも、一番は一族を殺されて復讐しようとする「クラピカ」がそれを果たす場面。テスト期間中など、読んではいけない時に限って読みたくなり、机の下に潜って読んでいました。最初は圧倒的に力差があり無理だと思われた「クラピカ」が特殊能力を得て敵を追い詰めていく展開はハラハラドキドキさせられます。

②MIND ASSASSIN　かずはじめ

　ジャンプで連載されていた「明稜帝 梧桐勢十郎」の作者さんが描いた作品です。精神科医をしている主人公が、脳の記憶の一部を壊す能力を使って、心のケアをしていくお話です。クライアントは能力によって助けられるのだけれど、毎回悲しさのようなものがポツンと残って、その余韻が好きでした。悲しい過去を忘れさせることによって、その人は前向きに生きられるかも知れない。でも、それは果たして本当にやっていいことなのかと毎回考えさせられました。

③BLUE GIANT　石塚真一

世界一のジャズプレーヤーを目指す主人公が、バンドメンバーとお互いを高め合いながら、成長していくお話。日本編の後、ヨーロッパ編が連載中です。この漫画はよく「音楽が聴こえてくるようだ」と紹介されていたりします。音楽についてよく描かれているなとも思うのですが私はそれ以上にここで描かれる「人間」が好きです。主人公はその性格を表すように真っすぐで力強い演奏をします。そして、彼の演奏を聴いた人はみんな彼に惹かれて何か手助けをしたくなります。サックスの練習にもひたむきで周りを凌いでみるみる上達していきます。それに取り残されていくバンドメンバーの悔しさや称賛が描かれているのですが、そこにも感情移入しました。また、ヨーロッパ編に登場するハンナという女性ベーシストが好きです。数少ない女性キャラクターというのもあってか、彼女に女性の強さや弱さ、しなやかさなど、女性ならではの持ち味が存分に反映されていて好感が持てます。

④ゆびさきと恋々　森下suu

聴覚障害をもつ主人公が、世界を旅する同じ大学の男性に惹かれ恋していくお話です。森下suuさんの最新作で現在連載中なのですが、ここまで人の仕草や心模様を丁寧に描いた作品はないのではないかと思います。聴覚障害があることで物語のトーンが暗くなることはなくて、それを前向きに取り扱っていて、コミュニケーションの密度や大事さが描かれています。素直で茶目っけのある主人公が魅力的で可愛いです。

⑤ハニーレモンソーダ　村田真優

地味でいじめられっ子だった主人公が、金髪で人気者な男の子との出会いでどんどん前向きに成長していくというお話し。よくありそうな設定なのですが、私が好きなところは主人公が成長していく過程で男の子側に染まったり合わせたりしないところです。彼女は彼女らしさを保ったまま成長していきます。派手な子たちの中でずっと浮いているけれど、そんな彼女のことを同級生は認めているというところが好きです。「りぼん」に掲載されていて子供向け漫画なのかもしれませんが、私はとにかく絵にオーラのようなものを感じています。キラキラしているんです。乙女心をくすぐられる作品です。

まとめ

わたしの読んできた漫画の８割以上は少女漫画です。でも、少女漫画ばかりだとあまりにも趣味が偏ってしまうし、読んでいる間満足してその後忘れていることが多いのも少女漫画だったりするので、あえて男性ものの方を多く挙げてみました。あと、少女漫画は出来るだけ新しいものから挙げてみました。BLUE GIANTについては色々語りたいのですが、上手く言葉に出来なくてもどかしいです。ここのこのセリフが良いというのも結構あって、実際に読んで自分に刺さる名言をぜひ拾っていってほしいです。

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