057 乱高下
株価と為替が乱高下しています。日銀が政策金利を0.25%引き上げたことがきっかけになったとの論調が多くみられます。真に情けないと言わざるを得ません。つまり、日本経済はその程度の金利上昇でも右往左往するほどに弱いということを露呈したということです。かつて世界第二位の経済大国であった日本は、投資対象国でしたが、今ではすっかり投機対象国になってしまいました。主要先進国と比較して、異常に低い日本の金利。アベノミクスによって長いこと放置されてきた低金利の弊害を是正することが、日本再生の第一歩となることが明らかであるにも拘らず、第一歩を踏み出した途端この体たらくです。
円レートにも一喜一憂しています。120円~130円くらいが妥当ということが言われています。為替レートを健全化するには、日本の金利水準を欧米並みにすればいいだけのことです。では、なぜ日本の金利は上げられないのか。日本の国力、経済力が高い金利に耐えられないからです。企業は低金利で優遇されています。金利を上げれば、限界企業は脱落します。かつての輝きを取り戻すには、それでもやらざるを得ないのです。
低金利を放置すれば、遠からず日本丸は沈んでしまいます。そのことを本当は誰もが理解しています。政府・日銀だけでなく、ぬるま湯にどっぷり浸かった日本国民に、金利上昇を受け入れる覚悟があるかどうかが問われていることを、今こそ認識すべきです。