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013 エスカレーター

 50年前のロンドン地下鉄の長いエスカレーターでは、右側にボーっと立っていると、後ろから激しくブーイングされた。右側は急ぐ人のために空けておくということだ。その慣例は、間もなく日本でも適用されて現在に至っている。尤も関西では、左側を空けて立つ。どうしてそうなったかは、私の著書「日本建国通史」を読むと少し判る。
 ここで述べたいことは、そのことではなく、このマナーというか、慣例は、混雑した環境ではエスカレーター全体の運搬効率を悪化させることになるということだ。つまり、一部の急ぐ人のために、片側に立つ人の時間が犠牲になっているだけでなく、全体の効率も犠牲になっている。混雑時の効率アップには、左右ランダムに乗るのが良いということがコンピュータシミュレーションで明らかになっている。50年前の日本のようにすれば良いということ。しかしながら、実際には右側に立つというのはちょっと勇気がいる。さて、どうするか。

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