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英断
数少ない英断が続いている。喝采を送りたい気分にもなる。何かをやる決断ではなく、何かを止める決断が英断になる時代である。失われた30年で、日本の国力は相対的に大きく低下した。つまり、30年前の延長線上で考えられたようなことは、今となっては分不相応になってしまった。そのようなことは英断を以って止めなければならない。
対馬市長の「核のごみ調査」を受け入れないとの決断は大英断である。交付金をもらって市民を分断することはできないとの理由である。今、至る所で分断が生じている。ほとんどは、何かをやる決断によるものである。分断社会が良い結果をもたらすとは思えない。札幌五輪誘致の延期も英断である。延期と言っているが、恐らく中止になるであろう。
かつての民主党政権が止めようとした政策はことごとく失敗に終わったが、今こそ求められるのではないだろうか。これから英断を期待したい政策は山ほどある。大阪万博、IR誘致、沖縄辺野古基地、リニア新幹線、原発復活、軍備増強・・・明らかに国力に見合わなくなっていることに気付くべきである。そうだ!健康保険証廃止なんていう矮小な決断はもちろん英断でも何でもない。