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€2021ベストイレブン〜早期敗退おサボり組篇〜

GK:ペテル・グラーチ(ハンガリー)

ハンガリーのネチネチ7バックの中心にいたのがこのライプツィヒ所属GK。ただでさえベタ引きで7人で構えて守っていて嫌らしいことこの上ないチームだったが、シュートを飛ばしても最後はこの坊主頭がしっかりセーブ。ポルトガル戦は80分を無失点に抑え、フランス戦は再三のビッグセーブで味方DFのタイムリーエラーによる1失点のみに抑えた。GS敗退はつくづく惜しかったと言わざるを得ない。

CB:ぺぺ(ポルトガル)、デフライ(オランダ)、アラバ(オーストリア)

今ひとつピリッとしなかったルベン・ディアスの横で奮闘し続けたのは38歳ぺぺ。CLでも真価を発揮していたが、6月に入ってもそれは変わらなかった。終盤疲れ切ったシーンが見えるくらいの奮闘ぶりで、周りがもうちょっと頑張れよという気持ちにさせられた。
同じくイマイチ伸び切らないデリフトの穴をカバーし続けたデフライも高評価。こちらもクラブでの好調を持ち込んだか、3バック慣れしていたのもあって巧みなカバーリングでGS突破に貢献した。それだけにトーナメントでのデリフト退場が…。見切る勇気が出ないのは理解するが。
最後は攻撃とのバランスを考慮して、サイドバック起用が主だったアラバを選出。スルスルとスペースを見つけて持ち上がり、正確な散らしとフィードでオーストリアを攻守に渡って支えた。惜しくも選外としたのは、ハンガリーの堅守をグラーチと共に支えたオルバンだ。

RWB:デンゼル・ダンフリース(オランダ)

トマ・ムニエ級大型サイドバックは、EUROではWBとして大活躍。その馬力を活かした攻撃参加で、オランダのGS突破に大貢献した。ムニエは走力とシュート技術が武器だが、ダンフリースは見た目通りのパワー型。カリブで育っただけあって、MLBプレーヤーを感じさせる身体能力だった。

LWB:ロビン・ゴセンス(ドイツ)

オランダでLWBをやっていればダンフリースと並んで強烈だっただろう。ポルトガル戦ではその走力を活かしてエリア内まで特攻して快勝に貢献。どの選手もイマイチ煮え切らなかったマンシャフトでは、一人完全燃焼して大会を終えた。来季はCL前にフラグを建設しないように気を付けよう。

参考画像:トニ・クロースのモノマネ

ボランチ:ポール・ポグバ(フランス)、レナト・サンチェス(ポルトガル)

守備やべ〜〜〜って言ってるそこのあなた、嫌いです。アンカーで今大会良かった選手がベスト16以下ではいなかったから仕方がない。強いて言うならダニーロ・ペレイラくらいだろうか。彼も最後の2試合はぽくぽく衝突事件のせいで出場時間が限られたのもあって、他との兼ね合いを考えても入れるのは難しいだろう。
クラブとは打って変わって、それこそユヴェントスにポグバックしたかのようなプレーを連発したポグバは、ベスト16敗退でなければ真のベスト11だった筈だ。持ち前の推進力に加えて、司令塔不在のチームで正確なロングフィードをかっ飛ばすなどビルドアップや崩しでの貢献があまりに大きかった。守備は相変わらずテキトーだったが、それを補って余りあるプレーでったのは間違いない。
EUROに愛されしレナト・サンチェスは、5年経ってもその愛を享受した。こちらも推進力とキープ力を活かしてジョーカーとして活躍し、GS第3戦以降はブルーノ・フェルナンデスの低調を受けてレギュラー昇格。前線に起点を作れなかったポルトガルで、崩しのキーマンとして機能し続けた。この5年クラブシーンでは相当苦労していたが、リールでの復活に合わせるかのような今大会の到来と活躍ぶりである。もはやここまでくるとEURO自体が重い女だしメンヘラなのかもしれない。

参考画像:重い女

セカンドトップ:ロランド・シャライ(ハンガリー)、ラファ・シウバ(ポルトガル)

ハンガリーのカウンターの旗手となったのはシャライ。ボールを奪取するや、いの一番に前方へ飛び出し、スピードに乗った仕掛けで強国を苦しめた。特にフランス戦では、相性の悪いパヴァールとヴァランの右サイドを執拗に攻め続けた。

ラファ・シウバはジョーカーとして機能。右利きの右WGというイマドキあまりいない”利き足ウインガー”だが、リズミカルなドリブルでアクセントをつけた。ハンガリー戦はベルナルド・シウバとの交代起用で見事に変化を付けたし、その後の試合での機能性も高かった。なんだかんだでこういうドリブラーの系譜は連綿と続いているのがポルトガルの特色なのかもしれない。

CF:カリム・ベンゼマ(フランス)

デパイとハヴァーツもかなり迷ったのだが、さすがに得点力がまずくなると考えてベンゼマにした。この問題児がいなければGS敗退もあり得たと思うと、デシャンの選択も間違ってはなかったのだろう(そもそもグループFが異常すぎたとは思うが)。直前招集ということもあって、エンバペとの連携は完成途上で終わってしまったのは事実だ。しかし、不調の彼の、代わりのストライカーとしてしっかり機能した事実は見逃せない。託された役割以上の仕事はしたのではないだろうか…。

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