
この世界に神なんてものは存在しない ~season2~ prologue
"あれ"が現れてから何回、暗い空を見上げただろうか…
この世界は一夜にして荒廃した…
「誰かッ……!!」
何故かって?
人が突然、人を喰い始めたんだ。
世界の倫理は崩壊し、気付けばそこらで死んだ人間が道端で食事をしている。
「誰か助けて…!!」
俺はそんな世界の中で、まだ正気を保った人間。
「ヤメロォォォッ!!」
血だらけのそれに体当たりし、胸に刺さっていた柄の青いナイフを抜き、頭に突き刺した。
「キャッ!?」
肉に鈍く突き刺さる音と共に、俺は初めての殺人を噛み締める。
心臓が、激しく鼓動している…
深呼吸を繰り返し、なんとか息を取り戻した。
◯◯:ケガしてない…?
「はい…ありがとうございます…」
俺は神なんていないこの世界で、
◯◯:えっと…俺は◯◯。君は…
「白石麻衣です…」

初めて、守らなければいけない人と出会ったのだ…
【この世界に神なんてものは存在しない season2】