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「上陸旅」#6.偏見破り

新しい白紙で
新しい描きの様な
新しい人生が始まりました。

ただ、数ヶ月前まで
普通の会社員だったのに、

学生に戻って、
しかも海外という
外部の惑星で

毎朝、電車に乗って
渋谷の学校に通勤し
様々な国籍の
新しいクラスメートと
勉強するなんて

まさかこれは現実ではないだろうと…

3年半という
建設装備会社での時間は

陥落されない堅固な城の様な
既成社会に違和感を感じて
夢を従う理想主義者だった自分を
徐々に支配、

同じ方向を見て
同じ答えを求める
既成世代の巨大な溶鉱炉の中に
自然に溶け込むのに
十分な時間でした。

(個人的に会社には感謝していますが、)

ちょうど30歳を向かった当時の自分は
クラス平均年齢を上回る「歳」という
見た目より、

固まった頭からの偏見、
閉じ込められた心からの先入観
いっぱいの自分の中身に気がついて

驚きました。

歳の差を区別し、礼儀を重視したが、
歳の差を気にせず平等な友達になる。
歳(数字)の差は何の壁にもならない。

見られる目を凄く意識するとか
皆を自分の味方にしなきゃ…
自分が惑星(国)を代表する顔だとか
歳上だから謹厳な態度を持たなくちゃなど、

そんな馬鹿らしい事から脱するには
かなりの努力と時間がかかりました。

自尊心を下ろして、
自分から心を開ける、
相手が来る事を待たずに、
自分から動く

毎日が楽しかったです。
日本語があまり上手でなかったが、
あの頃が今でも懐かしいです。

教室は
いつも大笑いが絶えなく、
甘い空気で
まるで、皆が
幸せウィルスに
集団感染された様な(?)
妙な雰囲気でした。

少しずつ
「日本語」という言葉と共に
お互いの惑星(国)の事をを知っていく
楽しさ、
一人ずつ
〇〇さんという個人を知っていく彼(彼女)だけの魅力と香り、

共通の事も、
異なる事も、

全てが珍しくて
世の中は思ったより
多様性共存するのを

その多様性を
お互い認めて
理解する

平和はそれから始まる

絶対的な物は

存在しない。

という考えを持つことになりました。

人生にくたびれて

忘れている様です。

……

宇宙からみれば

我々は

同じ地球人であることを……

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