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3-4. 添乗員の作業ー鉄道ツアー(下編)

1.下車

目的地へ近づきます。
各車両へ寄って一般乗客と混ぜって乗車している自分のお客様に予め伝える時間です。
寝て、夢中になって下車せず、意外の新たな旅(?)へ行かせない様、気をつけます。

たまには言わずに勝手に自由席に座っているお客様もいます。

探します。
目安で到着10分〜15分ほど前がいいです。
仲間とのお話をまとめて、荷物を片付けて、トイレも行っておくまでに必要な

気配りとしてちょうど良い時間です。
通知が早すぎると忘れる、遅すぎるとバタバタします。

たまには別の旅行会社のチーム、あるいは同じ旅行会社だが、方面が違うチームが同じ列車へ乗車した時があります。

お互い勘違いしない様に要注意!

忘れ物(棚上など)確認喚起も大切です。

いよいよ到着です。
一人でも抜けないように落ち着いて改札までゆっくり移動します。
改札を出る前に人数確認、時間があればトイレタイムをもう一度行いながら現地バスガイド(いない場合はドライバー)さんと連絡を取ります。
シンプルな駅はもう改札あたりで自然に会えますが、
仙台、名古屋の様な大きい駅ではしっかりしないと
なかなか会えません。

トイレから戻ったらまた人数確認、
待機していた現地観光バスへ乗車!

地元観光バスの場合はほとんどガイドさんが付いています。
当然、現地に詳しいので添乗員と立場でも、
お客様の立場でもいなくてはならない、とても大事な存在です。

以後はバスツアーと重なるので省略します。

2.復路

楽しい時間はあっという間に過ぎて

疲れながらも楽しい日程もそろそろ

帰り道です。

バスはもう駅へ向かっています。

添乗員はいつも現在始点より先に向かっています。
アンケート調査と共に大事な仕事があります。
途中乗車があったら当然途中下車もありますね。

バスから下りたらなかなか時間もないので

なるべく集中できるバスバス中で調べます。
初日東京出発でも帰りは品川や上野に変更するケースも多いです。
同じグループでも同居人じゃない限り帰りはばらばら別れます。
駅到着前になるべく早めに迅速に把握しておきます。

渋滞などイレギュラーケースを除いて駅へ降りると東京行新幹線乗車までは少し時間があります。
復路乗車駅である名古屋駅まで渋滞でお客様とバスから降りてホームまで全力疾走(?)し、
ギリギリセーフしたこともありましたが、普段は時間的に余裕を持って着きます。

改札前などなるべく分かりやすい場所を再集合場所と指定して

一旦、解散(自由時間)します。


どこかでコーヒーでも飲みながら一幅したらいいけど

出発と同じ様にまた列車の時間、ホームの確認と乗車位置までの動線把握(下見を)をしておきたらホットします。

帰りもお弁当のオプションが付いている場合が多いです。

業者さんと連絡して確認します。

再集合時間です。
座席指定は予めしておいて
人数確認兼ねて座席表を配布すると一石二鳥!
前回にも述べましたが、団体の場合はきっぷの代わり

団券一枚の紙を添乗員が持ちます。
なので、添乗員を通じないとお客様は単独では乗車できません。

ホームへ移動します。
エスカレーターを利用してゆっくり進みます。
ホームで並んで列車を待ちながら

オプションのお弁当の業者さんと待ち合わせし、確認、支払い、積み込みをします。
列車が来ました。やっと出発…
座席案内後、オプション申し込みされた方にお弁当をお配り…

これからまた時間との勝負です。

3.途中下車証明書発給(feat.車掌)

車掌を探します。
途中下車証明書を発給してもらうためです。

車掌も当然いろいろ忙しいので

車掌室にいない場合が多いです。

自分の団体専用じゃないので無条件早めで攻めると

怒られる可能性もあります。

その以前、

公共業務が先!
安全確認以外にも各駅停車案内アナウンスなどが

優先です。
車掌室探しに1号車から12号車(?)まで意外のかくれんぼ(?)
が始まりまる場合もあります。
更に

用事がある添乗員は自分だけじゃないです。
車掌が何となく落ち着いたと思ったらバスの中で調べた情報を元にして途中下車証明書を発給してもらいます。発給が済んだらやっと安心です。これからは自分のペースだから…

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4.団票(都区内券、山手線)の基準は?


後は座席別区分して順番通りまとめます。
終点東京駅まで行くお客様には「団体旅客乗車票」いわゆる「団票」というきっぷを1人1枚ずつ配布します。

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「うん?添乗員と一緒なのになぜ?」
ここでこういう疑問になる方もいるでしょう。
東京駅を考えてみましょう。
新幹線から降りると添乗員の案内で新幹線改札まで出ると解散、ツアー終了です。
しかし、まだ東京駅を出ていません。
ここから帰り道は皆さまざまで 

山手線、京浜東北線、中央・総武線など

各JR線で乗り換えるお客様は最終的に
ご自宅の最寄り駅の改札を出る時、
添乗員が同行しないので根拠(きっぷ)が必要です。
こういう時この団票が根拠(証明)となります。

「じゃあ、私は要らないよ、東京駅出て地下鉄乗るからさ…」

「JR改札口を出る時必要です!」
「あ…そっか!😁」

全ての行為はわけがあります。

団票をぎりぎり段階で配布する理由もあります。

あまり早く配布すると…

忘れる恐れがあるからです。

では、ここで疑問があります。
この団票って場合によって「東京都区内団票」と「山手線内団票」2種類がありますね。(東京基準)
新幹線を利用したお客様は個人でも団体でも例外なく付いているサービスで「東京都区内」は文字通り23区内のJR駅限定で運賃が含まれています。
反面、「山手線内」は範囲が狭くなって、山手線と線内の中央線(総武線)区間JR駅限定で運賃が含まれています。
この基準は何でしょうか?

......
ご存知の方も多いと思いますが、新幹線を利用したキロ数です。
乗車区間が中心駅(東京駅)から「101キロ〜200キロ」の場合「山手線内きっぷ」が、「201キロ〜」は「東京都区内きっぷ」が出ます。
JR各社のルールによって東京意外にも大阪、札幌、名古屋などでもそれぞれの基準があります。

5.精算の分岐点とは?


ところが、ここでまた問題です。

赤羽、蒲田、小岩、西荻窪、金町…
この駅はどういう共通点があるでしょうか。

正解は東京の境界駅(JR)ということです。
変えていうと
東京都区内きっぷでこの以上を進むと(東京都を超える)その分だけ運賃がかかるという意味です。
例えば、蒲田〜川崎、西荻窪~吉祥寺、赤羽~川口、金町~松戸など…ただ一駅なのに残念ながら別払という意味です。

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途中下車の方も同じです。
基本的に同じJR沿線の駅までは無料で行けますが、分岐点で別の線で別れるとその分だけ精算します。

少し例外的な例は大宮で途中下車して埼京線に乗り換え、新宿まで行くのは認められます。

6.到着


途中下車するお客様に扉まで見送りして最後のご挨拶をします。

寂しい瞬間です。

そして、降りた座席に戻り、忘れ物をチェックしてから自分の席へ戻ります。

終点、東京駅へ到着。

行きと同じ様、東京駅は広すぎるので降りてもいろいろルートがあります。

間違えない様に落ち着いて改札まで案内し、一人一人最後のご挨拶をしたら自分一人が残ります。

やったというホッとしたため息と共に急に疲労が…

こんな鉄道団体ツアーですが、

やはり鉄道ツアーは

楽しいです。



※蛇足

Q1. 4500駅を超える日本で一番高い駅はどこでしょうか?

A1. JR小梅線の野辺山駅(長野県南牧村)で、1345.67メートルです。

Q2. それでは、日本で一番低い駅は?

A2. 海底トンネル?青函トンネルかなあ?

…正解は何と東京駅です!!!

えええ!嘘だろう!!!

事実です。

東京駅っていろんな線が繋がっていますよね。

以前は海抜マイナス149.5メートルの青函トンネル途中の吉岡海底駅だったが、北海道新幹線開業と共に廃止されました。

それでも、東京駅って…おかしくない?

京葉線東京駅ホームは海抜マイナス20.19メートルで、

現在日本で一番低い駅となっています。

以上、鉄道ツアーでした。

外国人添乗員のつまらない話、

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。




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