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13.ある町の追憶

自分の成長期記憶の中で

特別な思い出とされている所がある。

少年の頃だった1984年

お父さんの仕事の関係で

ソウルから離れて

3年間住まいにした所。

短いといえば短い、

長いといえば長い微妙な時間。

でも、自分として

人生中ただの3年が

とっても印象的で

とっても特別に感じられるのは

なぜなのか。

まだ発展してない典型的な農村で

自然に恵まれて、

優しい村民に恵まれて過ごした

あの時代。

小学校を転学して来た日 

校内でお母さんと一緒に見た

可愛い金魚がいる小さくて綺麗な池

情があふれた町、

広い野原に広がった田んぼや畑

低い山に咲いた野生アカシアの香り

学校休み宿題の良い素材にもなった

名前知らぬ昆虫や野生草、お花。

栗の木が植えられた低い山にある小道

途中で古いお墓もあり、

野生蛇にも出会い、

隣で飼っている養蜂家の蜜蜂もあり、

スリル(?)を満喫しながら通った家までの道

まだ若くて情熱的だった両親

お父さんが仕事で飼った300匹のウサギたち

犬、鶏、乳牛、ジュウシマツ(十姉妹)

お母さんが綺麗に作ったお庭

学校から帰ると家に着く前から聞こえたカセットテープからの音楽

お父さんが好きだったスウェーデンポップグループ「ABBA」のメドレーソング

小さくて美しい聖堂があった村、

あそこから午前、午後と毎日2回聞こえた種の音、

雪の日はお母さんと作った雪だるま、

そしてて作りクリスマスツリー

クリスマスイブの夜

聖堂で行う

町の祭りのようなクリスマス公演を向けて皆で練習した演劇、

夏には仲間同士で川で水遊び

冬には凍った田んぼで、

お父さん印(手作り)そりで走り放題、

疲れたら集まって始まる少年たちの議論

一体、

「幽霊は存在するのか」

「UFOって本当にあるのか」

「ある川で伝説の魚を目撃した、噛まれたら治療薬ない」

「ある山で北朝鮮が散布したビラ(チラシ)を見つけた、今度拾いに行こう」(当時は交番に持ってい行ったらノートや鉛筆をもらえた)

「あいつかあの子(女)を好きらしい」

「ちなみに、今度お前の誕生日に招待リストに俺は入っている?

女の子はいない?」

「隣学校のやつらがサッカーで僕ら学校をすげえなめているけど、どうすかい」などなど

家に帰ったらお母さんが作ってくれ熱々美味しいチジミ

ある日の朝の担任先生の涙、

友達の急な死

隣の町に引っ越して

油揚げやドーナツ、ホットドッグ、トッポッキなど軽食の店を開いた

お祖父さん、お祖母さん

そのおかげで人気者(?)になった子(自分)

念願だった、

8歳下の弟が生まれたあの町、

友人達と川遊びのため

土曜日夜聖堂のミサに参加したお祖父さんとの最後の顔

翌日、川での事故で帰らぬ人になったお祖父さん

ある日、

隣の町で起きた殺人事件

犯人は捕まらず、

次々と連続で起こってテレビニュースにも出て

ついにこの町にも犠牲者が出て

皆に衝撃と恐怖を与えた事件

「特に、女性たちよ!雨の夜は外を出るな!」

「赤い服はやつのターゲットになるから気をつけろ!」

など根拠不明のうわさがあふれたあの頃の思い出

この町での卒業を確信したのに、

卒業1年余りを残して

お父さんが他の地方での公務員になり

少年のいろんな思い出をいっぱい残したまま

また引っ越しした1987年の秋

結局、次に引っ越しした町は

自分がこの惑星に着陸するまで約20年ほど住まいになったけど、

自分の胸の深いところには

あの町での3年間の思い出が

まるで一作の童話の様に

今でも感じられる。

今では都市化でずいぶん開発され、

昔の様子はあまり残っていないはずだが、

自分の追憶には一生残っている。

この町で起こった連続殺人事件は

韓国でもあまりにも有名な事件になって

映画化さらた

タイトルは名作といわれる「殺人の追憶」

監督は昨年「パラサイト」でアカデミー賞を受けた

「ボン・ジュンホ監督」

いろんな記録や話題を残したこの事件の犯人は

最後の犯人から30年ほど過ぎた最近捕まった。

(他の犯罪で捕まり、ずっと刑務所で服役されていた)

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