Love Story#3.(闇)
★プロローグ
A.D.26年（高句麗代武神(テムシン)王9年）高句麗（B.C.37年～A.D.668年まで約700年間存在した国）第3代皇帝代武神王（テムシン王）はまだ不安な高句麗の基盤を整う為に必死。
彼の息子であるホドンは力になり彼と大臣らの信頼を得るが彼は第1皇后でなく第2皇后からの子だった。
なので、第1皇后である延（エン）氏と彼女の幼い息子でながら腹違い弟へエル（ヘウ）、彼女らに従う右輔（高句麗最高官職の一つ）ソン・オックの一派に耐えない牽制をうける。
そして、敵国である楽浪国（ナンランゴク）の姫である崔 蓮（チェ・レン）と運命的に恋に落ちるが、厳しい現実に挫折する。
一方、楽浪国には敵が襲うと自ら鳴ってラッパが鳴る「自明鼓」（じめいこ）というものがあり小国でありながらも難攻不落の要塞であった。
★登場人物
＊ホドン（19歳）：高句麗第３代大武神王（テムシン王）と第二皇后金（クム）氏から生まれた王子。
スマートで文武と知略まで兼備し、ナンラン姫と恋に落ちたが第一皇后延（エン）氏と彼女の一派たちの陰謀と計略に巻き込まれてしまう。
＊崔 蓮（チェ・レン/17歳）：楽浪国（ナンランごく）王、崔 利（チェ・リ）の娘。いわゆる楽浪姫と呼ばれる。敵国である高句麗の皇太子ホドンと恋に落ち、結局陰謀に巻き込まれ国と愛の中で選択を…
＊大王（38歳）：高句麗第3代皇帝代武神王。（テムシン王）本命はムヒュウル。第2代瑠璃明王（ユリミョン王）の三男で幼い頃からスマートで武芸が優れて皇太子に選ばれ王になり26年間高句麗を統治した。夫人は二人で息子は二人だった。
＊皇后延(エン)氏（30歳）：代武神王（テムシン王）の第1皇后。ホドンの継母。大王との中で子供がいないままで第2皇后金（クム）氏が先、男の子（ホドン）を産んでその後、男の子（ヘエル）を産んだ。ホドンが優れて皇太子になり、皇帝になるのを嫉妬しあらゆることホドンを謀略、妨害する。
＊ヘエル（9歳）：代武神王の次男。ホドンの腹違い弟。第1皇后延氏の息子。
＊ヤン・シン（19歳) : 貫那部（カンナブ/高句麗5部の一つで初期の強力な政治派の一つ）出身で大模達。（テモダル/武官の高位階級の一つ）幼い頃からホドンの親友であり事件の鍵を握っている。
*チャン・コン（22歳）: 楽浪国の上将軍。崔 蓮を間にしてホドンと恋敵になるが、決定的な場面でホドンを助ける。
*崔 利（チェ・リ/51歳）：高句麗の隣小国、楽浪国（ナンランコク）の王。崔 蓮の新夫で厳しくて非情の性格所有者。
*ウル トジ（44歳）：高句麗の貫那部出身の名宰相。左輔（高句麗で国防の半分を責任する第一官職）になり、懸命で実利的な政治で大王を力になる。
*ソン・オック（39歳）：高句麗の名将。右輔（高句麗で左輔と比べられる官職。国防の半分を責任する）で右輔ウル・トジと対立する人物。第1皇后延氏とヘエルを支持する。
*クェユ（？）：ホドンが格別にする占い師。奇異な人物でほとんどが知られてない。予知力が優れるが、それで災いを起こす。
*華真皇后金（クム）氏：ここでは直接登場はしないけど、代武神王の第2皇后でホドンの生母。かつてホドンを産んだ直後死ぬ。
*その他：ばば、雪華
*高句麗側：宮女、大臣1，2、将校1，2，3、兵士1，2、行政官、地方官、伝令、近衛将軍、巫女、声1，2
*楽浪国側：兵士1，2，３、太官（首相に当たる官職）、輿囲将軍
（字幕）西暦31年。高句麗第3代皇帝代武神（テムシン）13年
#10 ．皇宮 Insert（挿入）、暗い効果音。
#11 ．栄華殿（皇后延氏の居所）皇后の前に右輔（高句麗で左輔と比べられる官職。国防の半分を責任する）ソン・オックが正座している。
皇后：（怒気で）じゃ、また失敗したと？一体今度で何回目です？
ソン・オック：申し訳ございません、皇后様。
皇后：あんなめちゃくちゃ大混乱の戦争場で一人殺すのがそんなに難しいです？
ソン・オック：皇太子（ホドン）様の武功は高句麗第一でございます。相手は太子様です。簡単ではございません。もし間違えたら大逆罪人で処刑…
皇后：（興奮して）黙れ！！いったい、右輔は誰の見方です？
ソン・オック：申し訳ございません。
皇后：右補はただただ申し訳、申し訳…それしか言えぬです？
そろそろ苗字を「モウ氏」に変えたらどうです？
ソン・オック：申し訳ご、あっ…恐れ入ります。
皇后：勘違いするなよ。陛下の嫡子はホドンではなく私の息子「ヘエル」です。
ヘエルが太子に就いて将来、大王陛下に続いて高句麗の皇帝になります。
ホドン、あいつはいやしいそばめの血が流れているんです。
ところが、大王陛下はどうしてあいつを皇太子に決めて私と王子（ヘエル）を侮辱感を…
ソン・オック：おっしゃる通りでございます。偉大な我高句麗の皇室に、高貴な血を汚すなんて許さぬことでございます。
皇后：（つぶやき）どうしても出来ない…さあ、まだあの者からの連絡は？
ソン・オック：（陰険な表情で微笑みながら）はい、彼が何かを感知したようで、近いうちに良い連絡が来るかと…皇后様、くれぐれもお楽しみに…フフフ（笑い）
皇后：右輔、最後の機械よ。私の忍耐力を試さないでよ。もし、今度も失敗したら…（殺気でにらむ）
ソン・オック：（ぎくっと、緊張した顔で枯れたつばを飲み込む）こ、今度は必ず成功しますので信じてください、皇后様。
#12 ．楽浪国（ナンランコク）楽浪城 Insert
#13 ．楽浪国の上将軍、チャン・コンの執務所
兵士1：（急いで入りながら）上将、お待たせしました。。
チャン・コン：（急いで）ああ、ご苦労さん！速く報告しろ。
兵士１、チャン・コンの耳に深刻な表情で何かをつささやく。
チャン・コン：（目が輝いて）何？それって間違えないだろう？
兵士１：誓います。小生（昔、目上の人に自分を呼ぶ謙譲語）が直接目撃したことでございます。
チャン・コン：（嫉妬？）姫はきっと頭がおかしくなった。というか、あの高句麗の皇太子というやつの陰謀に騙されたのだ。止めないと…我国楽浪国が危ない…
#14 ．皇宮別棟の庭
ホドン、狩りの服装で自分の愛馬欄（らん）を自ら整備していている。
テモダル（高句麗武官の高位階級の一つ）でホドンの幼い頃からの友人ヤン・シン、メッ弓（メックン/高句麗で使った弓の種類）を整備している。
ヤン・シン：（片目をつぶって空いた弓つるを引っ張りながら）太子様、東オクジョ（高句麗の東部にあった小国）としたら楽浪国の国境と近いのではないでしょうか。
危険では…
ホドン：（親密に）詞兄（昔、同輩の文士や学者に対する敬称だが、ここでは友人ヤン・シンを示す）はあの有名な「オクジョタカ」を聞いたことがないですか。虎を取る為には虎の居場所に入らないと…ハハハ！（笑う）
ヤン・シン：（仕方ないという顔で）ところが、最近何かご心配でも…
凱旋されて陛下から誉められた方らしくないです。
ホドン：僕が？そう？ハハ（笑う）…何の心配が…
ヤン・シン：太子様、私とは19年を一緒に成長して来たのです。
ホドン：ハハ！（笑う）鬼は騙しても詞兄には…
ヤン・シン：もしかしたら皇后様とのことで…
その時、いきなりクェユ（ホドンが格別にする占い師）が突然二人の前に現れて
クェユ：（狂った口調で笑いながら）ウへへへ、皇太子様…未だに生きていらっしゃいますでしょうか。
ヤン・シン：（ビックリして皇太子方に向かうクェユを止めながら）あれっ、こいつがまた狂ったのか。皇太子様に何という妄言だ？
クェユ：ウヒヒヒ…（奇怪に笑いながら）お前が王様のお陰でラッパ吹くじゃ！フィーリリ～（ラッパを吹く音を真似する）
ヤン・シン：それでもこの狂人やつが！（激怒してクェユをうつむけに倒そうとしたら）
ホドン：（ヤン・シンを止めて）あ、詞兄、大丈夫です。この人はもっともっと僕にこういう風に朝の挨拶をするよ。たとえ、狂人のようには見えるけどさ、予知力が優れて嘘を分別する目を所有し僕が大事にしている人よ。
ヤン・シン：私、太子様と19年付き合ったのに知らなかったです。恥ずかしい事でございます。だけど、こんな人物を見近くするのは太子様の名声に迷惑では…
ホドン：（クェユに）そう、今日狩りに出ると南側から貴人に出会えると？
クェユ：ヒヒヒヒ（奇怪に笑いながら）…太子様が心の病気が重くてさあ…夜が明けようのとするのに雄鶏は起きる気もなくてなくて…どうしよう…どうしよう…（すすり泣きながら退場）
突然、欄（ホドンの愛馬）が虚空に前足をしきりに動かしながら鳴く
ホドン：（欄をやっと止めながら）ウォーウォ―、久しぶりに狩りに出るからお前が興奮するぞ！良し、行こう！詞兄、出発しましょう。
ホドン、欄に乗って出発。ヤン・シン、そんなホドンをほろ苦い表情で見ながら馬に乗って出発。
その後ろを部下5～6人が付いて出発。その中、一人の軍卒、怪しい目。
＜続く＞