初心者エンジニアが基本情報技術者を取得するメリット
初学者エンジニアの私たちには自主学習が必須です。特に情報系学部卒でもなく理系的センスのない私にはです。
残念ながら業務の中だけで成長するには限界があります。ただ職につけば周りの助けを借りれて、気づいたら成長して一人前になっていた、ということはあまりないでしょう。私の周りでも優秀な人は、文系如何に関わらずなにかしらの自主学習をしていることがほとんどに思えます。
そこでおすすめなのが基本情報技術者試験です。今回はこの基本情報技術者を初学者である私たちが学ぶメリットについて書いてみたいと思います。
何となくエンジニアにはなってみたものの(私はこれです)、何から勉強していいかわからない人や、受けてみようか迷っている方のお役に立てればと思います。
はじめに一つだけ言えるのは絶対に取ったほうがいいと言えるほどメリットがあると思っています。
基本情報技術者を取るメリットは?
1. 何から勉強していいかわからない病を治せる
私のように右も左もわからずエンジニアになったものとしては、そもそも何から勉強してよいかわかりません。ITとは言ってもインフラ系なのかプログラミングをするのか。作業をするのか、マネジメントをするのか。
色々職種は分かれているわけです。はじめにIT業界に飛びんだときにはその世界の膨大さに目眩がしたものです。これが新しいことを始めるときに罹る「何から勉強していいかわからない病」ですね。
そんなときに基本情報技術者が役に立つのです。
日本では情報処理に関する資格は経済産業省が「情報処理技術者試験」として実施しています。そしてその試験を主催しているのがIPAなのですが、その試験区分では「スキルレベル1」と定義されています。しかも経済産業省によって決められている試験なので国家試験です。ちょっとかっこいい。
細かいことは省きますが簡単に言うと「上位者の指導のもとにITに関わる仕事をできるくらいの基本的知識・技能があります」ということが「スキルレベル1」です。
基本情報技術者(以下、基本情報)ではこの定義に沿った通り、本当に基礎的な概念や用語を問われる問題が出題されます。またその範囲は広くパソコンの仕組みの話から人的マネジメントまで、ITの基礎をぎゅっと詰め込んだアソートパックという感じです。
右も左も分からない私たちが取捨選択して勉強するよりも、国家試験として体系的にまとめ上げられた知識を吸収する方が圧倒的に効率が良いです。そこで学んだことが次につながり自分が興味のある分野も見つかりやすくなると思います。
基本情報は初学者にあるあるな「何から勉強して良いか分からない」と言う病を乗り越えるためにもぜひ目指すべき資格だと思います。
2. 知識のアミというメリット
自分で書いた記事で恐縮ですが、以前このnoteで「知識のアミ」について書いたことがあります。
簡単に説明すると「知識のアミ」とは私の造語です。
何かを覚えるときにそれに関連した知識があると、新しいことでもすんなり頭に入ってくると言うことは皆さんもよく経験のあることだと思います。その知識を浅くてもいいから広げておくことで、新しいことをキャッチできる能力が上がります。これを虫取りアミとか漁のアミとかに例えて、「知識のアミ」と呼んでいます。
基本情報を勉強することの意義はまさにこれで、広く浅くITを学んでおくことによって業務で行なっている領域についても理解が進むのです。
実際ITというのはその歴史の中で改善を繰り返してきて今日の技術があります。新しい技術は大抵、既存の技術のアンチやアップグレードによるものが多いです。
このWEBだってそうです。今はこうしてWEB上でnoteを編集していたりしますが、超初期のWEB(http)の仕組みが改善され続けてこんなことができるようになっています。いきなりこの仕組みを知るのは大変ですが、最初の基本思想や設計がわかってしまえば、それにトッピングがどんどん増えているだけだと分かります。
基本情報はこの中でも、比較的普遍的な基礎的技術を網羅してくれています。一見自分の業務に意味がないと思えるようなことでも、実は裏側で繋がっていて驚くことがよくあります。
初めのうちはなんのために勉強している意味がわからないと思うことはたくさんあると思います。しかし業務のレベルが上がってくるにつれて過去に基本情報を勉強してくれていた自分に感謝する日が来ます。
少し外れますが、マネジメントなんてまだしないからいらない知識じゃん!て思うかもしれないけれど、上位者は私たちをマネジメントしています。その意図を汲んで仕事を行うためには上位者がどんなフレームでマネージメントを試みているのか考えてみると、少し仕事がしやすくなったり。
資格取得を目的にしてはいけない
でも一つだけ注意なのが、資格の取得自体を目的にしてはいけません。正直実務におけるスキルが何よりも本質的に大切なことです。
資格を取ったからといって年収が大幅に上がるとか(資格手当くらいはあるかも)、実務がレベルが数段上がるということはありません。資格の取得による効果は即効性はありません。
今すぐ年収を上げたかったり仕事ができるようになりたいのであれば、上司とよく飲みに行ったり残業しまくって仕事のやり方だけ覚える、とかの方が即効性はあると思います。
基本情報の取得はあくまで、自分をこれから建てていくための武器の一つと考えましょう。修行の一環だと思い、自分がわからない分野や興味のある分野を知る手掛かりとして取り組むのが良いと思います。年収アップとかをモチベーションにするとあまり続かないと思います…。
資格を持っていなくてもすごい人はたくさんいる
実際資格なんて持っていないくてもすごい人はたくさんいます。とんでもない業務量こなしている人に聞いてみたら資格なんて一つも持っていないしこのまま資格なしで行くねー、っていってました。それでも仕事の質はすごく高い人でした。
実際営業職では資格なんて存在しません。どれだけ売りを立てられるか、自分で突き詰めた再現性の高い営業能力を持っているか、これらは資格では表すことができません。
ITは一見資格が有効なように見えるかもしれませんが、営業職と対して変わりません。履歴書に書くときに「○○言語○年」とか「○○資格取得」とかあっても、その人の能力の本質はそこにはなく、実際の経験が大切になります。
だからと言って基本情報技術者に意味がないなんてとんでもない
少し現実的な話をしてしまいましたが、だからと言って資格の勉強に意味がないなんてことはありません。
たまに資格なんてなんの役にも立たないという人がいますが、それは一部のすごく頭が良くてリアリストな人たちの話です。
私などはIT業界へ入るのも比較的遅く、全くの無知識でITの仕事に就きました。少なくともそんな私にとって、基本情報で得た知識は大変有用で、今でも業務で役に立っています。
なので勉強しようか少しでも迷っているという人は、勉強することをお勧めします。0・1の白黒思考で考えすぎずに、とにかく取り組んでみて損は全くありません。
明確にやることを決めている一部のすごい人たちを尊敬しながらも、自分は自分で少しずつ着実に知識をつけていくのが、将来的にきっと楽しく仕事ができますよ。
積み上げている時はその積み上げているものに気づきにくいものです。昨日より一つでも何か覚えたら自分を褒めながら、着実に一歩ずつ勉強するのが良いと思います。
さいごに
だから、右も左もわからないという人は、まず基本情報の勉強をしてみましょう!
意味がないんじゃないかなと思うってしまう日があっても後で必ず役に立ちます!
そんな記事でした。読んでいただきありがとうございました。