むすめ
わたしたち夫婦は晩婚でむすめは42歳で生まれてきた。
わたしたち夫婦もほかの夫婦とおなじように、子供の名前はどうしようかとかんがえた。それは子供の誕生に付帯してくるたのしい時間であった。
色々候補はあったけど、中には伊坂幸太郎の
( そのころ妻が気に入って読んでいた。どうでもよいけど、わたしの読んでいた「死神の精度」がきっかけ )
物語に登場する殺し屋の名前も候補にあがり
危うく【さくら】になる可能性もあった。
ほかの人はそれが殺し屋の名前と知るよしもないので、よいのだが。。。
あるひ仕事が終わり帰宅したら、つまがおなかをさすりながら
【海 (かい) 、海 】と話しかけていてむすめの名前は決まった。
名前は一生ついてまわる。
名前はこの世で一番短い呪 ( しゅ ) である。
と、陰陽師で安倍晴明がはなしていた。
そんなむすめにとって人生で最大で最初の重大事項はなんとなくきまっていた。
なんとなくきまることは、案外おおいのかもしれない。
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