空港生活3/バングラディシュ人と酒を飲む

君はヒンドゥー教徒だろ? 酒を飲んでいいのか?
私は彼にそう聞いた。
喫煙室でのこと。
私が1人でタバコを吸いながらダンスをしていると、彼が入ってきた。
私は何かを誤魔化すように、彼にフランクな挨拶をした。
彼は笑いながら挨拶を返してきた。
私と彼はタバコを吸いながら、雑談をした。
彼は結婚し、子供もいると言っていたが、奥さんとの仲はうまく行っていないようだった。
なんで奥さんは君に怒るのかな、と私が尋ねると、彼は酒を飲みながら、俺が飲んだクレでタバコくさいからだよぉ、なんでだよぉ、と言いながらビールをもう一杯飲む彼。
あぁ、こいつだめな奴だな、と思いながら、私は彼に治療を受けるようにと勧めた。
私は彼にビールを一杯奢った。
彼は私にビールを奢った。
私は彼にウィスキーを奢った。
これから国に帰り、帰ったら飲めなくなるのだから精一杯楽しめと、私は言った。
彼は私をママさんに紹介し、私はママさんとのツーショットと彼とのツーショットを撮影した。
農場で働くという彼はなんだか、感情表現やら何やらが胡散臭い役者のように思えたけれど、それもまたカルチャーショックの類なのかもしれない、そう考えて私は彼と別れた。

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