【体験談】週刊少年マガジン漫画原作大賞に応募して学んだこと
こんにちは、アマチュア作家の団 卑弥呼(だん ひみこ)です。
2023年9月30日をもって、週刊少年マガジン漫画原作大賞が終了しましたね。皆さんは応募しましたか? 私は企画書部門で2作品を応募しました。今から結果が楽しみです。
さて、今回初の漫画原作を執筆&企画書の応募ということで、感想をまとめることにしました。
今回応募できずに後悔している方やなんだか恐れ多くて応募できなかった方が、次の機会に応募するためのきっかけになれたら幸いです。
▼応募作はこちらです。よければお読みください。
臆病な私が応募を決めた理由
実は最初、応募するのが怖かったです。「本当に書けるかな」「マガジンらしい漫画原作って何だろう」など、色んな余計なことを考えました。書いたものの「こんなんダメだよ」と言われるのが怖かったんですね。
でも思いました。「これって一つの指標になるよな」と。
そもそも私は最初から企画書で応募するつもりでした。アイデアは数本ありましたが「なんとなくこんな話」という案だけで、具体的に考えていなかったからです。脳内にあるのはすべて長編小説用のネタですし、今から連載漫画用に書き下ろすのは時間が足りないと感じていました。
でも、もし企画書の時点で反響が少なければ、その作品をわざわざ書く必要がないと気づいたのです。逆に企画書で反響がよければ、書いた作品を読んでもらえる確率は高くなります。また、本編連載前に、ファンを作ることができるのです。
この当時、私は新作のアイデアを9本持っていて、どれを書くべきか優先順位をつけられない状態でした。しかし書く前から「読まれる」とわかっていれば、どの作品に注力すべきかは明白ですよね。
だから「ネタの選別」として企画書を書くことにしました。
思わぬメリット
「ダメで元々!」そう自分に言い聞かせて、私は企画書を書くことにしました。
企画書のあらすじ300文字/第一話1000文字/二話以降のあらすじ3000文字で、全部で約4500字です。普段書き慣れている人なら半日で書ける文字量ですね。
私はある程度脳内で固まってから企画書を書いたのですが、書きながら“あること”に気づいたのです。
1、具体的に話が固まる
これまでの創作では、大まかに考えている→だんだんと詰めていく感じで作っていました。だから細かい部分は「なんとなく」で保留することが多かったのです。
しかし企画書として先を書くためには、きちんとエピソードを作る必要があります。自然と細かい部分にも意識が届き、物語全体がパチッと決まるのでした。
もちろん企画書内でも「なんとなく」で保留した部分はあります。しかし具体的に書きだすことで、物語が組み立てられていった感覚があります。
多分企画書を書かなかったら、創作にもっと時間がかかったでしょう。そういう意味では、書くチャンスを得られて幸運に思います。
「まだざっくりとしか話が見えてない」という人は、企画書に挑戦してはいかがでしょうか。もしかしたら、思ったより早く話が見えてくるかもしれませんよ。
2、面白さ優先の物語作りを意識する
当たり前ですが、小説と漫画は違います。だから書き方や語り方を同じにしてはいけないと思いました。漫画は映像に近い部分があり、シナリオとして書いた方が断然楽だし面白くなります。だから「シナリオとして面白いか」を考えながら物語を練りました。
そうなってくると、物語の展開が変わってくるんですよね。内容は同じでも、Aから始めるかBから始めるかで、印象は大きく変わります。
さらに週刊連載や次回への引きを考えると「ここら辺でこういう展開を入れた方が面白い」「ここは絵面として面白いだろう」といった要素も入れたくなります。
私はやっぱり小説の方が好きですが、普段できない経験ができてとても楽しかったです。
3、いつも以上に“キャラクター”を意識する
私はキャラクター作りが苦手で、特にビジュアルを考えるのが苦手です。「内面さえ揃っていればOK」という信条があるので、なおのことビジュアルに興味が湧きにくいのもあります。
しかし漫画でのキャラクターは、物語よりも重要な要素です。初見でキャラクターが良くなければ、読まれないですからね。漫画化になれば漫画家さんがデザインを考えるでしょうが、年齢、性別、性格など、その下敷きとなる要素は原作者側で考える必要があります。
私はいつも「なんとなく決まっている」「ぼんやりと構想はある」という状態でした。それで十分だと思っていたのですが、具体的に指示が出せるほどに細かく考えていないと突きつけられた気分です。これじゃあ創作者失格ですね。改めて詰めの甘さを思い知りました。
これを機に、キャラクターについて学び直そうと思います。ビジュアルなどのデザインはもちろん、内面的な要素についても学び直すつもりです。先日創作ブートキャンプのイベントレポートが公開されたので読み直します。
ちなみに、第二弾となる“世界観”についても創作ブートキャンプが開催されました。物語作りにもキャラクター作りにも欠かせない重要な要素を学べるので、未参加の方はぜひイベントレポートをお待ちください。
応募を通して学んだこと
「小説と漫画は違う」とは常々思っていましたが、「面白いものを作りたい!」「自分の物語で楽しんでほしい!」という精神は変わらないと感じました。
ただ映像が伴う分、漫画原作の方が具体的かつ明確な指示が必要です。編集さんや漫画家さんにこちらの意図を理解してもらうためにも、企画段階でしっかり構成やキャラクターを練っておかなければならないと強く感じました。
でもこれって多分、プロなら日常的にやっていて、なおかつ当たり前に必要なことなんですよね。だからプロのような経験が積めて、書き手として意識が改められました。チャレンジして本当によかったです。
提出先によりフォーマットは異なりますが、ネタを簡潔にまとめるなら本賞のフォーマットは使いやすいです。これからは自主的に同じフォーマットで企画書を書いて、ネタをより使いやすい形でストックしたいと考えています。
今さらながら、私の「10月これやる宣言」は、この企画書作りです。ひとまず今頭の中にあるものを今月中に企画書にしたいと思います。
最後に
もし「この話をもっと読みたい」「企画書を公開してほしい」という声があれば、可能な限り応えたいと考えています。
どの作品かわからなくなるので、ぜひ当該作品ページにコメントをください。よろしくお願いします。
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